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アイスクリームの日

 職場の最寄り駅の前にサーティワンができた、と同僚から伝えられた。早速食べに行き、以来毎週そこに通ったものである。

 ダブル、トリプルが基本である。私は生クリームが好きなので、当然それもトッピングである。

 やがてその職場を去る。代わりに家の近くにサーティワンができた。ところがである。そちらに通うことはなかった。あれだけアイスを楽しみにしていたというのに、もう求めない自分がいるのである。

 飽きたのか? いや、そういうのとなんか違う。

 おそらくなのだが「職場から出るとすぐそこにあるアイス屋」という文脈がとてもよかったのだと思う。月並みだが、「がんばった自分へのごほうび」感がたっぷりあった。

 今ではサーティワンは年に一度、娘の誕生日のケーキを買いに行くきりである。自分の小さいころにはそんなもの買ってもらえなかったし、特別感はたっぷりである。

 娘のよろこぶ姿を見るのがたまらなくうれしい。自分がなにをごほうびとするかが、結婚する前と後ではすっかり変わってしまったようだ。

 ちなみにあのアイスケーキ、包丁では容易に切れませんゾ。


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