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【日記】大乙嫁語り展に行ってきました

こんにちは、深見です。
昨日、北九州市漫画ミュージアムで開催されている、『大乙嫁語り展』に行ってきました。

私の中央アジア好きは、思えばNHKのシルクロード特集から始まったように思います。
小学生だった私の目には、遠くシルクロードを繋ぐ街々は、この世ならぬ異世界のように思えました。あの頃のあこがれが尾を引いて、未だにシルクロード情緒に胸躍らせています。

そんな私が『乙嫁語り』に魅せられないはずがなかったんです。つまり、大ファンです。

『大乙嫁語り展』が九州に来る日を、どれほど心待ちにしていたことか!

ウッキウキで行って来ましたので、備忘録兼レポを書きます。
(写真撮影可でした)

展示のレイアウトも、雰囲気があって綺麗。




原画をじっくり見る!

原画展の見どころは、ラフに書いてあるメモだと思っています。ので、今回も超絶まじまじと見てきました。


ラフには、ページの構図や人物の表情などがざっくり描かれていますが、当然、そのページで特に強調したい部分は比較的細かく描かれていたり、詳しい状況や心情のメモがあったりします。

今回の『大乙嫁語り展』で特に面白かったのが、11巻176頁のラフです。

アンタリヤでブランコに乗ったタラスが、まるで子供のようにはしゃぐ印象的なシーン。「楽しかった!」と笑うタラスのコマに、「ウケてる」とメモ書きがありました。

ウケてるんだ……(笑)

あのシーンは、長く悲しみの中にあったタラスが、愛する人と共にブランコに乗り、自由を感じる名シーンです。「楽しかった!」のコマは、私個人の解釈としては「不運や抑圧など、タラスを覆っていた全ての重石が剥がれて、初めてタラスが何年かぶりに心から笑うシーン」だと思っていたのですが……

……ウケてた!(笑)

ヤバいウケるー! の笑顔だったとは……!


と、このようにして、キャラクターや物語への解釈が深まるというわけです。
なお同じコマの原稿の方には「くちびるグラデ薄」と水色でメモがあり、興奮して紅潮した顔色を表現したかったんだなと分かります。原画、楽しい。


色の塗り方をじっくり見る!

私も一応、ちょっとは絵を描く人間なのですが、なんといっても色塗りというものがすさまじく苦手です。
そこで今回は、畏れ多くも「色の塗り方を勉強させていただくぞ!」という意気込みで行きました。

面白いなと思ったのが、森先生はあれこれ画材を変えて描いていらっしゃるという点でした。絵を描くプロの方からすれば、珍しくはないのかな?
初めて使う絵具は、思っていたよりも質感が違ったとか、発色は良かったとか、そういう話を読むことが出来て面白かったです。

アクリルガッシュをよく使われているということでした。あの美しい色合いは、アクリルガッシュで描かれていたのか……どこまでもアナログな原稿に、感嘆です。
個人的には、パリヤが持っているパンの質感(ほんとに美味しそう)が、これ絵で描けるんだ……と驚きでした。どんなに近くで見ても、実際に食べられそうなパンにしか見えないんですよ。絵描きってすごい。


線の描き方もじっくり見る!

私も多少は絵を描くと言いましたが、線を描くのは大好きです。細かな模様をちまちまちまちま描いているときが至福です。
森先生は、私なんかではとても手が届かないほど次元の違う「線を描くのが好きな人」なので、線の描き方もじっくり見てきました。

意外だったのが、ひとつの線に対して「手が多いな」ということでした。例えば輪郭を描くときなんかに、一気にシュッと描いてしまわず、細かな線を何手も描くことで一本のラインにしているのです。
これには驚きでした。絵が上手い人って、線を描く時の手が少ないものだと勝手に思っていましたので。
あと、めっちゃ紙を回すタイプなんだなって思いました。私もそうなので、これはちょっと嬉しかったです。


創作における前準備あれこれもチェック!

創作をする身からして、やはりチェックしておきたいのが「先生はどういうふうにして創作をしているのか?」です。
アイデア帖はどういうふうに作っているのか?
漫画を作る上で、まずは何から決めるのか?
目を皿のようにして読み、見てきました。あの美しい絵、美しい物語、人物や心象や情景の描写は、いったいどのようにして生まれたのか?

知りたいことが全て知れたわけではありませんし、自分の中で上手く咀嚼できていない部分ももちろんありましたが、それでもとても良い勉強になったと思います。


グッズを買う!

グッズもたくさん買いました。
まず事前に買うと決めていた折り畳み傘と、ポストカード。それから、刺繍缶バッジを買いました。

す、好き……!

刺繍缶バッジは内容の分からないランダムで、被りを気にして三つしか買いませんでした。こういうグッズのランダム性って、悪い文化だと思うんですよね。中身が分かったら全種買ったのに……。

購入金額に応じて貰えるネームリーフレットは、双子ちゃんたちの結婚式のシーンでした。めちゃ好きなシーンなので深見にこにこです。

双子ちゃんたちの天真爛漫さが可愛い!


めちゃくちゃ良かった!

中央アジア好きとして、そして『乙嫁語り』のファンとして大いに楽しめたというのはもちろんのこと、創作者としてのやる気もたくさんたくさんいただけました。

先生いわく、漫画を描く時に大切なのはパッション、愛、情熱などとにかく原動力になるものが大切であると。
その言葉に全力で頷き、勇気をいただいたような気持ちになりました。

もう1回くらい行きたいな……と思っています。深見でした。

可愛い。
ウ……好きだ……(告白)

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