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ベーシックインカムとは何か

※この内容は動画配信もしています。
https://youtu.be/8CUBM_wQ-t8

どうも、あがぽにです。




お金、欲しいですよね。




あればある程、生活を便利にできる、選択肢を増やすことができる。

そんな魔法のような、大きな力を持っている お金。

基本的に、働くか、投資をする等、
お金を稼ぐための行動をしていかなければ、手に入れることはできません。

そして、大量に手に入れることは、なかなかに難しい。

例えるなら、初めて付き合った男女の関係並みに難しい。

手を繋ぎたくて、勇気を出して、

そっと手を出した時に、

不意に振り向かれて、

近くにあったバックに、目標をゆっくり変える。

そんな、太極拳のような動きを見せてしまうドキドキ期間もあれば、

距離が縮まり過ぎると、言動が直球となり、

傷付けあったりもしてしまう。

お金との付き合い方も、同じように難しいものです。


そんな、手に入れることが難しいお金。

これが、何もせずにもらえるとしたら、

嬉しいですよね?


そんな制度が、ベーシックインカム。


というわけで今日は、このベーシックインカムとは何なのか、
どういった仕組みで、メリット、デメリットとしては
どんなものがあるのか、というのを話していきたいと思います。

■1.ベーシックインカム(basic income)とは何か

簡単に言うと、

国がお金をタダで配ってくれる制度

です。

「basic」は「基本」、
「income」は「所得」という意味なので、

「基本所得」と呼ばれたりもします。

なぜこんな制度が考えられたのか。


それは、単純にお金に困ってる人がいるから。


こういった賃金補助制度の歴史としては500年程あり、
15世紀頃から様々な国で議論されてきたという背景があります。

とはいえ、このベーシックインカムは、
制度として確立するには多くの課題があるため、
現代社会においては、一部の国で実験的に実施されたことはあるものの、
まだ、本格的に取り入れて運用した国はないという状況になっています。

なお近年では、フィンランドが2017年1月から2018年12月の2年間、
毎月、560ユーロ(約7万円)を配布するという試験運用を行っていました。

対象者は失業者の中から、ランダムに選ばれた2000人。

これ、

失業者全員じゃないんかい!

っていうツッコミ、入れたくなりますよね。

貰った人と、貰ってない人の分析もしたかったんでしょうけど、
ちょっと切なさが漂います。

月7万円とすると、2年で168万円。

同じ失業者なのに、168万円、
貰えるのと貰えないのじゃかなり違うわけです。

対象者から外れたことがきっかけで、
スーパーサイヤ人になれたというフィンランド人の方がいても、

おかしくない。

で、このベーシックインカムの運用試験の結果に関しては、
フィンランドの社会保険機関(KELA)」が報告を出しています。

要約すると、受給者からは、

・生活の満足度が高くなった
・精神的ストレスの負担割合が少なくなった
・他者や社会への信頼度が高くなり、将来への自信へ繋がった

といった、プラス効果の声があったようです。

まぁ無条件で国から正当に7万円もらえたら、
そら嬉しい声が出て当然かなって感じですよね。

ただ、そんな嬉しい声の反面、就労状況はあまり改善されなかった。

実施前は、

・失業者が、なんとか給料が安い仕事に付けたとしても、
 毎日の生活維持に追われて、スキルアップのための
 健やかな時間が取れず、毎日が悪循環のドツボにはまって、
 その負担に耐え切れず、また辞めてしまう現状がある

・でもそこに、ベーシックインカムの補助があれば、
 生活維持の負担が楽になって、給料が安い仕事であっても、
 より生活水準を上げていく活動がし易くなる

といったことが予想されていました。

しかしながら、フタを開けてみると、就労環境としては、
ほぼ変わらない結果だった。

とはいえ、人数が2000人なので、傾向を分析するには、
数が圧倒的に少なく、正確な研究結果には至らない、
という意見が多く寄せられている状況です。

そのため、ベーシックインカムによる失業者に対する就労への改善効果は、
このフィンランドの実験からは明確には割り出せないという結果に。

とはいえ、日本でも議論が続いているこのベーシックインカム。

今後、実際に導入されれば影響を受けるものなので、
メリット、デメリットとしてはどういったものがあるのか、
見ておきましょう。

■2.メリット

【1.貧困対策】
毎月一定のお金が入ってくることになるので、
生活水準を底上げできるようになります。

「働けど働けど生活が苦しいまま」、
というワーキングプア状態の方なんかに恩恵がありますね。

【2.社会保障制度の手続きを簡単に】
現状も、社会保障制度として
「失業保険」、「生活保護」といった仕組みはあります。

ありますが、これらの制度を使ってお金を貰うには、
資力調査、ミーンズテストと言ったりもしますが、
困窮の程度調査や面談を受けるといった手続きが必要で、

結構、面等なんです。

その面倒さ故に、
貰えるものを貰わずに負担を背負ってしまっている方がいる。

また、

「生活保護なんて受けたくない!」

といったプライドが邪魔をして受けない方なんかもいたりして、
こちらも同じように負担を抱えてしまっているわけです。

ベーシックインカムは、
導入されれば強制的に個人にお金が毎月送られる仕組みなので、
面倒な手続きはなく、また皆が貰っているものなので、
余計なプライドに邪魔されることなく活用できることになります。

他にも、こうした制度があること自体を知らず、
犯罪に手を染めてしまったりするケースもあるので、
そういったことを防ぐ効果もあるわけです。

【3.少子化対策】
ベーシックインカムは、「世帯」ではなく、「個人単位」で貰えます。

そのため、

夫婦2人であれば毎月14万円、

3人家族であれば毎月21万円、

4人家族だったら毎月28万円

になるわけです。

結果、子供が増えることで世帯所得としては増加していきますので、
長期的にみると、少子化対策の一面もあると考えられています。

【4.地方活性化】
毎月一定の収入が保証されれば、
今の仕事を辞めて、低賃金でも、より自分の時間を作りやすい
地方の仕事環境を求める人が出てきたりします。

地方は、物価や土地の価格が安いため、そうした選択肢をとっても、
生活水準を保ったまま移住が可能になるからですね。

また、リモートワークが推奨される時代も後押ししているので、
より地方活性化への影響があると考えられています。

とはいえ、逆に地方暮らしの方が、
東京移住を実行しやすくなるともいえますね。

このように、お金が貰えるベーシックインカム。

良いこと尽くめでメリットしか無さそうですが、

もちろん、デメリットもあります。
どんなことがあるのか、見ていきましょう。

■3.デメリット

【1.財源】
当然ですが、お金を全国民に配るには、
元となる財源確保が必要なわけです。

例えば、国民全員に毎月7万円配るとしたら、一人年間84万円。

それが1億2000万人分ですから、
ざっと年間100兆円程、必要になる・・・。

そのお金、どっからもってくるの?ってことなんですよ。
この財源の確保について、しっかり確立できないことには、
制度が機能しなくなってしまう可能性があるわけです。

【2.既存の社会保障制度の廃止】
ベーシックインカムは、
既存の社会保障制度を残したまま、行うことはできません。

理由は、


そんなにお金がないから。


既存の社会保障制度である、
医療、年金、介護、失業保険、生活保護など、
年間莫大なお金が必要になっているわけです。

そこへ更に100兆円規模のお金を用意するなんてことは、、



無理っ。



じゃ、どうするか。

今考えられているのは、


毎月7万円配るなら、他の制度無くしちゃえばいいじゃん。


です。

要は、

病院で診てもらったら全額負担、

年金はもらえない、

老人ホームも全額負担、

失業したり、生活に困窮しているという理由では、
お金がもらえるようなことはない・・・、

つまり、


毎月7万円配るので、あとは自己責任で宜しく。


ってことなんですよ。

今の既存の制度に救われている、恩恵を得ている、
という方からすれば、
ベーシックインカムが導入されることで、
負担が大きくなってしまうわけです。

ここが一番のデメリットと言えますね。

■まとめ

・ベーシックインカムは、国が国民全員に、
 個人単位でお金を配ってくれる制度のこと
・でもそんなにお金はない
・だから、実行するには、既存の社会保障制度を廃止して、
 ベーシックインカムに一本化で検討されている
・ちょっとまて。ということは、病院で診てもらったら全額負担、
 年金はもらえない、老人ホームも全額負担、
 失業したり、生活に困窮しているという理由では
 お金がもらえるようなことはなくなるのかということか
・そういうこと。
 でも毎月7万円配るんだから、後は自己責任で宜しく
・ぐぬぬ・・・

といった話でした。
どちらがいいか、賛否両論ありますが、他の選択肢もある筈なので、
思考停止せずに考え続けていくことが求められいる、という状況。

まぁ、今の社会保障制度を維持したまま、
毎月ベーシックインカムもらえたら素晴らしいんだけど。


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