炭酸刺繍⑥ 藤家秋さんの企画
夜明け前 夜の刺繍をひも解いて 朝のしるしを染めあげる
きみの朝は声のない鳥
日の入りに 昼の喧騒ひも解いて 夜の刺繍を一針ひとはり
きみのゆふぐれはいとかなし
ぼくは夏の小舟にのり きみの所作を生け捕る漁師
いわしの群れの街並みを たやすく朱く染めるきみ
あたらしい靴をはく日には きまって腕をからませる
きみを支えるぼくの手は 熱きこころで煮えたぎる
きみの唇のうるおいを ぼくのくちびるに焼きつけて
感じていたい 次会う日まで
粘膜のその出会いとは 星をみつけた夜でした
バスが出て行くその刹那
あきしゃん
よろしゅうおねがいいたします
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