さるかに合戦　　ボケ学会定時総会

さるかに合戦　　　ボケ学会　論文発表 その１　　【860字】

「さていよいよ今年もさるかに合戦の季節がやってまいりました。実況の山野根津実やまのねずみです。おーっといきなりの臼の奇襲攻撃は惜しくも薄かった！」
「臼はドブにハマったようですね」
「ああ、今日は解説に羽田野納屋美はだのなやみさんをお迎えしています。これからどんな攻撃が考えられますか」
「臼の薄っぺらい攻撃はもうこれでお終いです」
「あ、ちょちょっと待ってください。猿が鶏を追いかけ回していますよ」
「これは栗のチャンスかもしれません。どこかにスタンバっているはずで・・・」
「ああ、いきなり小屋の窓から飛び出したのは焼き鳥君。串先が見事に・・・鶏の頭に命中しました」
「凄いことになりましたね！共食いをやってのけました。猿は大きな口を開けてますが」
「ああ、惜しい。納屋美さん、今日は蜂が巣作りの真っ最中でお休みです。あ！栗が飛び出した！焼き栗です」
「あーーー、残念ながら、焼き栗君は窓を飛び出しただけで失速ですね」
「これから焼き栗はどうなりますか？納屋美さん」
「そうですね。雨が降ればぐちゃぐちゃに。降らなければ猿の餌食でしょう」
「あれは、おにぎり君の捨て身の攻撃です。猿の前に堂々と現れました。あれ？猿はどーしたんでしょう」
「躊躇っていますね。あまりにもあからさまで、何か仕掛けがあると疑ってるようですね」
「どうやら猿は馬と鹿を手懐けたようです。おにぎりを２頭の前に置きました」
「馬が食べ始めましたよ！鹿はシカトと決めたようです。馬が何か言ってますね」
「あー、うまかった。だそうです。もうクダラナイ攻撃はこれでお終い・・・かと思いきや、ひっそりと競技場に入っていたカニが猿の尻尾をツメで思いっきり挟みました」
「勝負ありましたね」
「猿は悶絶しています。悶絶モンキーです」
 
やがて静まったフィールドで馬の背に乗ったカニがうれしそうに両手でピースサインしている。
「アナウンサーはどこや？実況しろ！何？家に帰ったって？」
「日が暮れたら子沢山の根津子さんは帰宅する、そういう契約だったそうですが」
「誰や、そんなヤツを採用したのは」
「あなたです。オカダ監督」
「ほーん」
　　　　　　　　了

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