星野源の新曲イイネ!70年代ぽさ!

※内容は簡単な楽曲解説です

昨年の紅白歌合戦で星野源は、間奏中にアースウィンドアンドファイヤーのセプテンバーと言う78年のメロディを歌いました。楽器もそれにならっていた事から一部の人達を歓喜させました。彼は、踊ろうぜ!のメッセージを残す事が多いので、ダンスナンバーのド定番セプテンバーをコロナの大晦日でやるとは踊るしか無い!!と私はノリノリでした。

最新(とは言え結構前)アルバムでは、ヒップホップとバンドサウンドが混ざり合い彼の音楽の進化が聴ける名盤となり色褪せる事は無いでしょう。

アルバム発表以降コロナの影響もあってかバンドサウンドよりヒップホップ色が濃い曲をいくつかリリースしこのままディープなサウンドに傾向していくと私は感じていました。しかし今回の新曲で、うわ!全然違った!!そっちに行くのね!!!となったのです。

○今回の新曲で何をしたか その1

恋やアイデアのMVでドラムの髭が生え長髪の方が居るのですが彼は星野源サウンドにとても重要です。特にスネア(、バシ、バシと小太鼓の音)からシンバルを叩く場面は強烈です。グルーブの要ですね。

今回は彼からジャズドラマーに変更しました。米津玄師の感電やアニメ版坂道のアポロンが有名で今日本で1番聴かれるべきドラマーです。複雑なリズムのバリエーションが豊かで、例えば感電のCメロでは彼の手数の多彩さを聴くことが出来ます。

つまりジャズ的アプローチが欲しい時に呼ばれる人なのです。そんな彼を新曲ではジャズさせずにサウンドの為に起用しました。

○その2 

ここで言うサウンドとはドラム総合と言うより、シンバルだけ、太鼓だけの意味です。特にハット(チッチッチッチ鳴るシンバル)のサウンドはこのドラマーが最適解!と感じましたし、そこに気付く星野源すごい!って多くのドラム好きが驚いたのではないでしょうか。マニアじゃ無いと、ドラムをグルーブ単位ではなくサウンド単位で聴かないと思います。既に皆さん私が何言ってるのか分からんですよね、、、なので下記のおまけの方に少し詳しくあります。

○その3

その録音した物を細かく切って、他のテイクと差し替えたり場所を入れ替えたり加工したりして、新しいビートが作られたのが今作です。この技法を使うことで完璧に欲しい音が作られることはもちろんですが、基本的にクールなサウンドになります。ぜひドラムだけを恋と聴き比べてみてください。

○その4 タイトル回収

今作の複雑な和音進行や転調、ビートの切り貼りは70年代のスティーリー・ダンや解散後のドナルドフェイゲン(82年〜)に顕著に表れています。

と言うか紅白でセプテンバーやった様に今作はスティーリー・ダン、ドナルドフェイゲンをオマージュして作られたと予想しています。

何故なら、

和音進行がそれっぽい事もありますし、

当時は技術面の問題で、ビートを切り貼りすると音楽に詳しい人には分かる(手が3本無いと叩けないフレーズが入っているなど)事もしばしばありました。

今作ではその時代を表現する為に、ハットの繋ぎをわざと分かりやすくフェードインアウトさせています。わざと不自然にしてるんですね。

結論!星野源の新曲はハットがヤバい!!と言う話でしたー!

○おまけ 勝手な妄想

今作はコロナの影響がかなり強くあったと思っています。

星野源がキリンジのエイリアンズなどに音楽の影響を受けていることはファンには周知の事実ですが、キリンジ初期のプロデューサーは宅録の名手です。先程出てきたスティーリー・ダンやドナルドフェイゲンもスタジオに篭るタイプ、つまり録音芸術に特化した方々です。

コロナで自粛が叫ばれている中、そっちに衝動が向くのは星野源にとって自然なことではないでしょうか?どうでしょファンの方!

○おまけのおまけ

楽器は不思議なもので全く同じ物を使用しても人が変わるとサウンドが変わります。先程1音1音録音して的な事を言いましたが、じゃあ自分でやれるじゃん!!とはならないんですね、欲しい音じゃないならですが。

トッププロのサウンドよりドシロウトの友達の方が良い音がした!が起こり得るのがサウンドの面白い所です。

逆に言うとサウンドさえ良ければ音楽はオッケーな所があります。歌が分かりやすいですが音程は上手く取れて無くても声がとにかく良いからずっと聴ける!!って知人は周りにいませんか?ぜひその方を引っ張ってワンフレーズ毎上手く行くまで録音して悦に浸りましょう笑

今作ではキーボードが星野源と別の方のダブルクレジットになっています。間奏のメロディは多分星野源っぽいフレーズだなサウンドだな本人弾いてるなーとのんびり聴いています。

あれ?歌は?、、、歌も歌詞も全然聴いてなかった!!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?