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漫画・アニメ感想

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#ストップモーションアニメ

映画『オオカミの家』感想 狂ったアートで表現する狂った支配構造

 鑑賞後の恐ろしさも強烈ですが、後日調べたバックグラウンドのおぞましさも強烈。映画『オオカミの家』感想です。  チリの、クリストバル・レオンとホアキン・コシーニャの2人組監督によるストップモーションアニメ映画。日本ではアリ・アスター監督が絶賛したという触れ込みで、公開前から話題となっていましたが、本国では既に2018年公開の作品であり、日本に届くまでは結構時間を要したみたいですね。  ストップモーションアニメというと、堀貴秀監督の『JUNK HEAD』が連想されますが、あの

映画『JUNK HEAD』感想 ひとりの脳内にある、とてつもなく大きな妄想世界

 噂には聞いておりましたが、マジでブッ飛ばされました。映画『JUNK HEAD』感想です。  環境破壊で汚染された地上から、人類は地下へ移ろうと開発を進める。その労働力として人工生命体「マリガン」を創造するが、自我に目覚めたマリガンは反乱を起こし、地下を乗っ取ってしまう。  それから1600年後、遺伝子操作によりほぼ永遠の命を手にした人類は、代わりに生殖機能を失っていた。そんな人類社会も新種のウィルスの発生により、人口の30%が失われる。政府は地下で独自の進化を遂げた生命体