6月29日(月) 氷の世界

眠い朝。昨夜はワンダーな夜を過ごすと言って現在配信中の日本のBLドラマ『Life 線上の僕ら』1・2話を観てみた。

これが予想外に素晴らしい映像で大感動だった。白洲迅さんと楽駆さんの芝居が本当に度肝を抜かれるほど良い。
一巻完結のBL漫画をそのままのテンポでギュッと映像化し、その代わり一つ一つのシーンの芝居や撮り方を丁寧に丁寧にこだわり抜く。そして世界同時配信で届ける。このやり方は日本のBLドラマを大きく羽ばたかせる革命の嚆矢だと思われた。

主観だけれど男同士の恋愛ドラマに対して日本の作り手がどんどん真面目になっているのを感じる。世界の変化は勿論のこと映像界の世代交代も効いているだろうし、俳優に関しては田中圭と林遣都が示した真面目さが絶対的な指針になっているように思う。
あとはテレビ局が真面目になるか、テレビ局を見捨てて世界に直結する道を真面目に探ることで道は開けるだろう。そして女性同士の恋愛作品も同じ真面目さで続いて欲しい。

興奮冷めやらぬまま大好きなymz先生の漫画『ヒゲと鈴とシャボン玉』も読み、BLという存在に改めて大感謝した。
そして大幸福感の中眠ろうとしたが、昼間買ったペットボトルの緑茶をうっかり飲んでしまいカフェインで眠れなくなった。

なんとか朝食を食べぼんやり旅立つ。
電車を降り際に聴き始めたZABADAKが非常に良くそのまま聴きながら往く。
本領を発揮しきらないものの十分片鱗の見える朝の熱射を身体に受けつつ、この坂を何の気力も伴わず下降していくことが通勤を行う。
辿り着いたのは氷の世界(会社の隠語)。

『Life 線上の僕ら』で主役の男子高校生が"白線から落ちると氷の剣に突き刺さる"という設定で歩くシーンがあったため感化された。
なんとなく冷え冷えとしたトイレで手を洗いながら鏡の中の自分に語りかける。この世界で起こる出来事は全て虚構だ。本物の私は今も私の部屋にいる。

まずはPCを起動し「南極」で画像検索をかけ、大量の南極画像をフォルダにぶちこむ。そうすると目の前にある二つのディスプレイの壁紙が一時間ごとにランダムな二枚の南極画像に変わるよう設定してある。
今までは主にスティーブン・ショアが撮ったアメリカの写真を使用して来たが今日からここは南極になる。

すっかり南極になり満足しあとは適当に忙しくやっていく。
昼は『電脳コイル』12、13話。11話で小学校の夏休みに入ってから単発の日常回が続き急にNHK感が出ているが、"電脳メガネを掛けた子供にだけ見えるVR空間が街中に広がっている"という世界設定をあらゆる角度から生かした日常回はかなり面白い。

午後も氷の世界。
南極壁紙を何パターンか見て気付いたが氷だけの風景よりペンギンが映っている写真の方がずっと目を惹く。そういえばペンギンが好きだ。ペンギンを増やそう。

やがて夜が氷を昏く染める。滑るように退社。
氷のない世界へ列車で帰宅。オーケストラを聴きながら氷の世界での出来事を記す。
夕飯はコロッケなど。コジマジックが建てた収納御殿をテレビで観る。毎日の使い方や掃除の仕方を全て逃さず計算し尽くした彼の家は一つの芸術作品だった。

呂布カルマを聴きながら皿洗い。
昨夜髪を乾かしながら漫画を読むのがとても良かったため今日もやって寝たい。そして温かな眠りに溶けてゆく。

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