4月14日(火) 眠い日

鉄分の入ったグミを起きるごと二粒食べて健康になる

という短歌を詠んだ日からそれは標語のように、起床即グミを噛む私を愉快に起こしてくれる。
あからさまな寝不足を実感するが、硬めのグミを噛めば魔法のようにみるみる覚醒していく。

発熱する夢を見た。悪夢だ。
昨夜見た人を殺す夢よりはマシだった。

最近は鬱気味だったせいか、目覚めと共にわくわくランド(会社の隠語)のことを想起してしまう日が多かった。
今朝は日記のことを考えた。昨夜この日記を始めた効果が早くも現れている。本業があれば副業のことは二の次になる。今日から日記が本業だ。

味噌汁に味噌を入れすぎた。納豆ご飯に七味をかけ、ウインナーにケチャップをかけて食らう。
早めの電車に乗って向こうで散歩をしようかと外へ出たが、散歩する気が起きないほど風が強かった。

電車でバルザック「ゴリオ爺さん」を読む。
ここしばらく電車で読む本はこれだ。パリの庶民や貴族の話。
退屈で一時中断していたが、なんとなくまた読みたくなり再び手に取ったら意外とノッてきた。終盤に入りかなり面白い。ゴリオ爺さんが哀れだけれどちょっとウザくなってきた。

電車を降りたら風が弱まっていた。
朝日を浴びながら、可能な限りの遠回りで歩く。
毎日のようにそんなことをしているのにまた新しい道が見つかった。自分の一番の才能は散歩にある。

わくわくランドに到着。狂った勢いで手洗いうがい、着席して仮眠。
眠気の中で働いていった。

昼休みの鐘が鳴るなり「ゆゆ式」第1話を視聴。
ゼロ年代・10年代に築かれた「終わりなき日常」の遺産が今こそ我々を癒す。
何も知らないまま観始めたがこれは本当にギャグが面白いタイプの日常アニメだ。天然×シュールなテンポに早くもどハマりする。
場所を弁えることなく笑う。

午後。巨大な眠気の中を生きる。
大半の時間は特にやることもなく、仕事をしているフリでやり過ごしていく。
在宅勤務や時短勤務の話はうやむやになりそうだ。眠すぎてどうでもよくなってくる。

と思ったら様々な展開があり、ひとまずは週一で有休という措置に決定された。
手始めに明日、休むことになった。
明日、休むことになった!!!

◯◯駅の皆さん!!!私明日休みなんですけど!!!突然堂々と休めるんですけど!!!
心の中で叫びながら電車に乗る。
平日にいきなり会社都合で有休を取る、それは有職期間にあり得る幸福としては最高ランクのものだろう。

たった一日、たった一日だけれどやっと掴んだ一日だ。
誰よりもステイホームに長けた私だけがステイホームを拒まれたまま、ステイホームに飽きた人類を観測し続けた、そのノイローゼの日々の果て。

実際私は「掴んだ」わけじゃない。雰囲気に屈して黙っていただけだ。バックれられなかっただけだ。
この程度の体裁上の一時措置で喜ぶなどおかしいと分かっている。私の人命は引き続き軽視されている。
でもそんなことより明日が休みだ。軽率に湧いた。

今日は日記もほどほどにして、早くこの寝不足の世界から去りたい。
予測で今後の行動を記すと、夕飯、風呂、アナログ日記、ベッドイン、読書だ。今夜も斉藤壮馬に預ける。
そして明日はダルゴナコーヒーを必ず作って飲むだろう。あとは完全にアドリブだ!

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