6月18日(木) 地表で生きる僕ら

睡眠不足。だが問題ない。
問題なく朝食を食べ問題なく電車に乗る。
眠ることもなく『地底旅行』の続きを読んでいく。実に面白い旅行だ。
この地面の遥か下にはあのような世界が広がっているのだと想像しながら歩いてみると、今まで味わったことのない妙な高揚感に包まれた。

持参した水出しトロピカルティーが大変マズかったが問題ない。自販機でいちごミルクを買う。
某タイドラマの某先輩の好物として登場した「ピンクミルク」は日本にない飲み物だから代わりにいちごミルクを飲もうと先週から思っていた。願望成就。

地表での出来事など取るに足らない。太陽があり食料があり自販機まである、こんな所では苦しみようがなかった。
淡々と地表で働いていく。地表の何かしらを良くするために。

昼休み、先週人に薦められた『電脳コイル』を観始める。最初から結構ワクワクさせられるアニメだ。
VRが発達した世界観を2007年の時点で描いていたのは興味深く、それを2020年になって初めて観るのはなお興味深い。
主人公ヤサコを演じるのはあからさまに折笠富美子で、折笠富美子の声で喋るキャラを見ている時特有の気持ちになる。直近で言えば『灰羽連盟』のヒカリにもその気持ちを抱いた。これはなんなのだろう。

2話まで観終わり、眼鏡を外して机に伏し、昼休みの終わりと共に起きて眼鏡を手に取るとそれがまるで『電脳コイル』に出てくるVR眼鏡のように感じられ、人生で最もワクワクした気持ちで眼鏡を掛けた。

午後も地表で働いていく。昨日は疲れたが今日はまったりしている。
期限に追い立てられることもなく暇潰しムーブに奔走する必要もないこの感じが毎日続けば良いのだが何故かそうはいかない。だが問題ない。ここには常に食料も水もあるのだ。

まったりと終わりを迎え最速で帰宅。電車内で日記を書いたりした。
屋根の付いた家に帰る。美味しい夜ご飯を平らげる。ここには夜が来てまた朝が来る。冷蔵庫を開ければ麦茶がある。地表で生きる贅沢を甘受し続けてきた生命体の柔らかな怠惰に満たされた家だ。

テレビの中の人達が遊んでいた顔の加工アプリに興味を示した母のため、iPadにアプリを導入して遊ぶ。
性転換を施すと母の顔も私の顔も似たような男性の顔になった。その顔を見ていると、自分が男性として生まれていたらこんな顔の人間が生きていたのだとリアルな想像が催されおぞましい気持ちになる。

そんな朗らかな夜。今日はしっかりと寝て明日のその先にある本当の人生(週末の隠語)に備えたい。

Maison book girlのベストアルバム『Fiction』発売まであと6日。

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