5月6日(水) うさぎに関する研究

昨夜読んでとても良かった岩倉文也さんの詩を反芻する。というか朝起きたらこれをもう一度読みたいと思い昨夜のうちに貼り付けておいたのだった。

よく眠れた。昨日やった体幹トレーニングが効いたのか太もも辺りが筋肉痛になっていた。
朝食を終えて外に出てみるとひんやり涼しくて夏が終わったような錯覚に陥る。三日前に暑い屋外で朝食を食べたことを「軽井沢のようだ」と思ったけれど今日の方がよっぽど軽井沢だった。
薄暗い天気は岩倉文也じみていて良い。

昨日の続きで保坂和志「もうひとつの季節」を少し読んでから昨日の続きでアニメ「ご注文はうさぎですか?」を観てゆき、それは最終話である第12羽まで観届けられた。

登場人物それぞれの人間味が生きていて、いつものメンツ以外にもゆるく開いた人間関係があり、売りになるような大きな展開はないけれどつい見続けてしまう求心力を持つ日常を描いている、という点で「ごちうさ」は保坂和志の初期作「プレーンソング」や「季節の記憶」と同じだなと思った。質の高い日常アニメということだった。

「ごちうさ」は二期も既に放送されており三期も決まっているため一期を観終えるのに抵抗がなくどんどん観ていったがそれにしても早かった。
確かにヨーロッパっぽい街の喫茶店で働く女の子達の日常を観るのは楽しいものではあったが、何がこんなに魅力的なのか観ていても上手く納得できない不思議なアニメだった。分からないくらい巧妙な組み立て方なのかもしれない。

それでも考えてみると、例えばキャラ達の性格のバランス、場面に映るキャラや集まる場所を固定させないバランス、可愛い女の子達の声に店長役のベテラン速水奨さんの低音が混じるバランス、平穏パートと心の揺れパートのバランス、リアル感とファンタジー感のバランス、などバランスが良いというのは観やすいポイントだった。

というか論理以前の問題で「萌え」、これこそが王道の「萌えアニメ」なのではないかとも思われる。それも自分があの子達に萌えていると気付かないままに萌えさせられているような。
なんだろう、すごく萌え!とは思わなかったのだけれど本当はすごく萌えていた気がする。特に内面は乙女な姉御系お嬢様のリゼちゃんと物静かでクールだけれどちっちゃくていじらしい系孫娘のチノちゃんに。(無論他三人も好きだ)

そんなことを考えつつ昼飯のピラフを食べ、謎を解明すべく「ごちうさ」二期に取り掛かった。
すると開始一分半、オープニングの冒頭歌詞に大きな衝撃を受けることになる。

ポイッて今日を投げださない約束しましょう?
♪ Petit Rabbit's「ノーポイッ!」

ポイッて今日を投げださない約束、それがつまり日常アニメなのだ・・・。
一期OPの冒頭「こころぴょんぴょん待ち?」に劣らない強さを帯びたリリックが来て嬉しい。

二期に帰ってきて分かったが、私は心の深い部分を彼女達に癒されているらしかった。可愛くて良い子達で楽しそうに働いて、皆で愉快に一日一日を送る彼女達に。
そんなのは特別珍しいアニメでもないけれど、彼女達のエピソードを次の話も次の話も見守り続けたことによりもう代替不能の愛着が湧いているのだった。

カフェインレスコーヒーを飲みながら第四羽を観ているうちにとても眠くなり、欲望に任せて一眠りしようと判断したのを最後に結構寝ていた。
気付くと外は雨になっていた。朝の岩倉文也さんの詩を思い出す。彼の詩そのもののような雨だった。

本業(ニート)連勤最終日にこういう過ごし方や眠り方が出来たのはなかなかよくやったと思う。
最後の夕飯はビビンバ。まだ食べていない。
夜は鬱になる予報が出ているため日記はここで切り上げる。
もうブルーライトは浴びず、岩倉文也の詩集にこの夜を頼ろうと思う。

それで明日はどんなに悲しくても、ポイッて今日を投げださない約束しましょう?

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