6月26日(金) ゲーム

労働現場で電話の取り次ぎに失敗し、そのまま荷物も持たず街へ飛び出して行く夢を見た。考え得る限りで最悪の悪夢だ。急いで美少女のYoutubeを観て打ち消す。
電話への恐怖とバックレへの欲望がリアルに形となった夢でとても嫌な気持ちが残る。今日まさにその労働現場へ向かうのが嫌で嫌で仕方なくなった。

嫌で嫌で仕方なくなるうちに突然悟った。あそこにいる何か達はニンゲンではなくNPC(Non Player Character)なのではないか。あるいは仮面ライダーゼロワンに出てくるようなAI搭載ヒト型ロボ。哲学的に言えば「哲学的ゾンビ」。
クオリア(意識)を持つ人間はたった一人、私だけだ。ならば全て恐るるに足る存在ではない。

電車に乗り込むとNPCがわんさかいた。恐るるに足る存在ではない。
昨晩読み始めた『量子とはなんだろう』を読む。

極論でもなんでもなく、私たちは最初から「世界そのもの」など見ていません。見ていると思っているものはすべて、五感を通じて行われた「測定」と矛盾しないように構成された世界の想像図です。
松浦壮『量子とはなんだろう 宇宙を支配する究極のしくみ』p.4

この前書きが刺さり、今観ている『電脳コイル』とも重なったため衝動買いした本だ。

人間が自然法則について直感的に理解できるのは古典物理学に沿った理解の仕方が適用できる範囲だけ(重力で上から下に物が落ちる、など)で、古典物理学では説明不能な「量子」に関するトンデモ現象を直感するのはそもそも無理がある。
しかし古典物理学を根拠とした直感もあくまで知識や経験を重ねることで後天的に培われるものだから、量子力学についても正しい経験を重ねていけば直感的に解るようになっていくはずだ!
だからどうにか読者に量子を直感させよう、というのがこの本の主旨のようだ。

量子、直感してえ。
と思い読んでいくが数式が割と出て来る。数式が出て来るとどうしても読み飛ばしてしまう病気だからスカッスカッと読み飛ばしながら読んでいく。
すると電車の揺れと数式たち、加えてBGMとして聴いていたクラシック音楽が化学反応を起こし読者は眠ってしまった。

量子で出来たゲーム空間(会社の隠語)に到着しNPC達が今日も正常に動くか確かめるべく温度を計って回り、ようやく自分の何らかのGAME START。何らかのクエストをこなしていった。

昼休み、『電脳コイル』10、11話。新キャラが出てくるたび声優さんのネームバリューにウケてしまう。00年代アニメあるあるかもしれない。
11話はなんというか街の上空に巨大な電脳魚と電脳水空間が出現するという話で、魚と水を影で表現するなど綺麗で凝った描写が目立ち素晴らしかった。電脳コイルの美術には毎話ワクワクさせられる。

午後もNPC達の中でただ一人自我を持つサボリ人(さぼりびと)として不真面目にプレイしていく。不真面目なプレイを真面目に貫き通せるのが人間の誇りでありコンピューターとの決定的な差異だ。
日記を書く気が失せていたがあの悪夢のことを正直に書き始めるとそれは書けていった。

指定日に定時をずらせる制度をテストするらしく、それは朝早く来て早く帰れるということだった。一刻も早く帰りたい私にとって願ってもない制度だ。
と思っていたらNPC先輩も我が思考傾向を把握済みらしく、やりたいでしょ、と言われる。はい。
ひとまず来週一度やることになった。常識外の早起きは割と得意だから問題ないだろう。

なんだかんだで時は過ぎ金曜定時という大いなる地点に到達。GAME CLEAR。セーブなどせず帰る。
なんだかんだで一部のNPC達には興味を抱きつつあるなと思いながら歩いていた。主にイケメン型NPCだが。

量子でできた電脳車両に乗り込み日記を書きながらオーケストラを聴く。あるいはオーケストラを聴きながら日記を書く。
図書館に寄り分厚いベール越しに本を貰う。図書館が復活した途端また図書館返済地獄に陥ってしまった。

家に帰ると大阪府大阪市北区本庄西2-12-16 VA第一ビル 株式会社ビジュアルアーツ様より本物のゲームが届いていた。
しかしゲームという大きさの箱ではない。開けてみると

オ タ ク !
ゲームの他に沢山の素敵なポスターや複製色紙に加え、絶対に飾れないタペストリーも入っていた。(決してエロゲではないのだが)
『Summer Pockets REFLECTION BLUE』。二年前の今頃覇権ノベルゲームとなった『Summer Pockets』に四ルートの新シナリオを足したバージョンだ。ゲームブランドKeyのオタクだから普通に両方発売日に買った。

二度目の夏がこの手に。
さあ、GAME STARTだ。

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