6月16日(火) ありがとうトレーニング

目が覚めた。つまりは生きて夜を越した。止まらなかった呼吸よ、心臓よ、ありがとう。

二度寝した。かと思いきや6時前。フリータイムを長く過ごせるよ、ありがとう。

宿題に追われる夢を見たけれど、起きたらもう学生じゃなかった。成長してくれてありがとう。
昨日買ったTシャツめっちゃ着心地良い。作ってくれた人達ありがとう。

数ヶ月ぶりにかなり早く家を出ると新鮮な朝を味わえた。色々なタイムスケジュールで動いた方が楽しいと思い出せたよ、ありがとう。
一昨日の雨で濡らしたままだった折り畳み傘を少し日光に当てただけで乾いた。太陽よ、地球のそばにいてくれてありがとう。

電車で良いポジションに座れた。早く来て先頭に並んだ自分よありがとう。
ヴェルヌ『地底旅行』の続きを読んでいると、6月16日に山へ向けて出発するという描写が出てきた。こういうシンクロがあると嬉しくなるよ、ありがとう。

事故にも遭わず無事目的駅へ到着。運転士さん安全運転ありがとう。線路に飛び込まなかった人ありがとう。
乗車中は快適な読書時間を過ごせた。居合わせた乗客の皆さんありがとう。車両や線路を作ってくれた人、女性専用車を導入してくれた人も皆ありがとう。

数ヶ月ぶりに好きなカフェに入りはちみつラテを頼む。美味しい。苦しい状況だろうけど変わらず営業してくれてありがとう。
冷房が寒かったためパーカーのフードをかぶる。こうして毎年助けてくれるパーカー達よありがとう。

スーザン・ソンタグ『写真論』を読む。ダイアン・アーバスについての章だった。様々な場所で様々な人が様々な信念で写真に向き合ってきたから今の写真がある。古今東西全ての写真家にありがとう。

ありがとうセンター(会社の隠語)に到着。この時勢で稼ぎ口があるのは奇跡だ。クビにしないでくれてありがとう。
手を洗いながら鏡を見ると髪の状態がいつもより良い。この間の美容師さんと適切に乾かした昨夜の自分へありがとう。

社員の検温をして回るも、誰にも断られず罵倒されることもなかった。協力ありがとう。
午前中はまあまあやることがあり退屈しなかったよ、ありがとう。

昼休みが来た。昼休みがちゃんとあるなんてホワイト企業だ、ありがとう。
三週間ぶりに今期野球部アニメ『球詠』を観ていく。私が観ていない間も試合を続けてくれてありがとう。

午後も追い出されることなくありがとうセンターで働き続ける。ありがとう。
秋から稼働させ続けてきた加湿器を洗い始める。いっぱい加湿してくれてありがとう。

ついに定時を迎えて帰る。残業しなくても怒らないホワイト企業にありがとう。
外はまだ少し明るい。夏の夕方を感じる。変わらぬ地軸の傾きと公転周期にありがとう。

帰りの電車も座れた。猛暑でテレワークしている皆ありがとう。
アルバム『初音ミクの消失』が朝からずっと聴きたかったため聴く。cosMo@暴走P、色褪せない歌を作ってくれてありがとう。

列車は脱線も爆発もせずジャックされることもなく無事最寄駅へ。運転士さんありがとう。
交通事故に遭うことなく家に帰れた。皆信号を守ってくれてありがとう。

夕飯は焼き鮭など。泳ぎ続ける世界線もあったろうに命をくれてありがとう。お母さん料理を作ってくれてありがとう。
皿を洗いながら初音ミクの歌を聴く。私を育ててくれた初音ミクさんありがとう。

さあ、風呂って本読んで寝よう。お湯が出る家にありがとう。僅かでも本を読んでから眠れる生活にありがとう。屋内の寝床で眠れることが確定している奇跡にありがとう。
沢山の信じられないほどのありがとうに溢れた今日にありがとう。

Maison book girlのベストアルバム『Fiction』発売まであと8日。とはいえフラゲ日に届く予定だから来週の今頃開封しているはずだ。Amazonさんいつもありがとう。

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