5月15日(金) ゴリオ爺さん

「美しい魂を持っていると、この世間に長くとどまっていることができないんだ。実際、どうして偉大な感情が、みみっちくて、しみったれていて、浅薄な社会などと折りあってゆけるだろうか?」
バルザック「ゴリオ爺さん」新潮文庫p.464

この学生の言葉が「ゴリオ爺さん」をよく表していた。
通勤電車で途切れ途切れに読み継いで来たパリの物語をとうとう読み終えた。
長いページに渡り積み上げた伏線を一気に回収するような調子で、登場人物達の卑しさを最後にこれでもかというほどまとめて浴びせられた。しんどかった。人間って・・・。

伯爵の屋敷(会社の隠語)の最寄駅に着きいつものドラッグストアを覗くと約4ヶ月ぶりにマスクと遭遇。変な気持ちになりながら頭痛薬と共に購入。
銀行とコンビニにも寄った。Amazonギフトカードと鉄分の入ったジュースを買う。久々の外出だからゲームのクエストのようで楽しい。

今日は屋敷のメイドを一人で勤める。
精神状態が比較的良いから、普段は物凄く嫌な貴族たちの検温作業なんかもスムーズに進んだ。

しかしこのパリに悲劇はつきもので、ハンドソープを詰め替えようとしたら大容量詰め替えボトルのキャップが取れて盛大にこぼしてしまった。それはカーペット地の床に染み込んでいったため近くにいた清掃のお兄様に助けを求める。
彼は清掃のお姉様も呼んで来てくださり、なんとか誤魔化せる範囲まで泡を拭き取ってくれた。人情。助かり。

メイド服のパーカーがヌルヌルになってしまったため防寒用のパーカー2に着替える。ズボンもヌルヌルだがそれは放っておく。
在宅では出来なかった様々な屋敷管理を行なっていき、合間にサボり場(トイレ)で日記を書き進める。

PassCodeを聴きながら昼食。
防寒用のパーカー2を着ていても冷房が寒い。ヌルヌルになったパーカー1も下に着たいがヌルヌルがパーカー2の裏起毛に付着するためそれは出来ない。寒い。お腹が痛い。

午後もトラブル続きの毎日だった。何事もない一日なんてこの場所じゃありえないぜ。
こういう場合、自分を責める方に思考が偏る症例は大変だろうなと思った。私が自分を責めるのはアイドルの特典会で伝えたいことを伝えられなかった時だけだ。

サボり場から友達にLINEを送信。屋敷が圏外でなくて本当に良かった。
モテクリエイター・ゆうこすが起こした不祥事の謝罪noteを読む。不誠実な行動と誠実な謝罪のギャップが激しいが、色々と難儀な彼女の真の人間的魅力はその"ギャップ"という所に宿っていると思う。それこそが"モテ"の本質でもある。

そして屋敷の一日が終わる。返り血で汚れた帰り道。
電車で久々にヒプマイ(声優が演じるラッパー達の物語)の曲を聴く。金曜夜の疲れに効く。良い曲は増えたけれどやっぱり「DEATH RESPECT」の完成度は異常だと思った。

夜はカレー。まさにNavy。
この一週間はほぼ家だったからそんなに疲れなかった。良いことだった。
寝て起きればそこは土曜日。沢山アニメを観る予定だ。
ゴリオ爺さんにR.I.P.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?