6月4日(木) ライヒ、澄人、粗品

今日も早く目が覚める。しかし眠い。
鉄分のグミを噛んで一時間ほどスマホで作業。
日記を読んでくだすった友達が感想LINEをくだすったためお返事。ありがたや。
4000年前の労働現場を目指し今日も早めに家を出る。

BRUTUSのクラシック音楽特集を参考にクラシックを聴いてみようと思っていたがあまりに糸口がないためまずは現代音楽から掘ってじわじわ遡ろうと決めた。というのも現代音楽で唯一好きなスティーブ・ライヒが音楽家相関図ページに載っていたからだ。

相関図でライヒの近くにいたライヒ以外のミニマルミュージックを初めて聴いてみる。ライヒのような組み立てだけれどライヒではない電子の音色が聴こえる。これもまた愉し。
時間遡行のつもりで電車に揺られながら目を閉じて聴くのに相応しすぎる音楽だった。

けれどやっぱりライヒが聴きたくて堪らなくなってくる。だからそうやって同じ人ばかり聴くから広がらないんだって分かっちゃいるけれどもう耳がライヒだった、もうライヒを聴いた、マリンバが聴こえた、これだった。

この坂を何の気力も伴わず下降していくことが通勤。
4000年前の労働現場で暇つぶしをして昼休み。
街に繰り出しガラガラの服屋などを眺めた。
入口出口が感染対策で制限されており、入口から出そうになって踏みとどまったところで大丈夫ですよと店員さんに声を掛けられた。確かにガラガラだから関係なかった。

それから本屋を回る。BRUTUS最新号は漫画特集で買おうか迷う。
文芸コーナーを見ると山下澄人『月の客』が目に入った。どこから読んでもいい、通読を拒む小説というような売り文句で売られていたためそのように立ち読みしてみる。こういうのを編集部が決めているのなら日本の小説購買層の読書観は相当矮小に見積もられている、もしくは本当に矮小か。

山下澄人は全部読めているわけじゃないけれど見かけるたびどんどん研ぎ澄まされていく、もしくは遠くへ行く、誰もいない遠く、もしくは捩れていく、蛇行していく、なんと言えばいいだろう、とにかくどんどん行く、誰も彼の行き方を予測できない、視認できない。
どのページも凄い。ちょっと今日はお金ないけど今度買おうか。

午後も盛大に暇つぶしをしていく。暇な時は歩き回って労働現場の治安を保つのが俺流だ。毎日一万歩以上歩くのは健康の基本にもなる。
もちろん歩いてばかりでなくサボり場で日記を書くことも忘れない。

めでたく4000年前の定時になり満身創痍でシャバへ飛び出すと夕焼け雲に迎えられた。祝福だ。
結局帰りの電車でもライヒを聴きながら日記を書き足す。

地元の洋服屋で延々と悩んで延々と試着室が空くのを待って水色のトップスや黄緑のズボンを試着した、それは結構良かったけれど使い勝手を考えると結局着れなさそうだからと両方黒に変えて買った、虚しかった。

夜はビビンバを食べながら泣きたい気持ちだった。一日かけて少しずつ積もった苛立ちが抑えきれなくなっていた。汚え人間は滅びろ!まあ4000年前の人間に関してはもう全員死んでるからどうでもいいのだけど。

何を聴いても観ても晴れなかった。が、先日テレビで粗品さんが東方projectの曲『ハルトマンの妖怪少女』に乗せて「オーケストラ」というネタを披露したと今更知り観てみるともう感動で一気に晴れた。
東方とニコニコ動画に学んできた全てを、誰もが知るお笑い芸人として地上波で昇華する粗品、全てを持つ男、同じ東方ファンとして誇らしくて羨ましくて涙が出かけた。

しかも粗品さんがそのネタを東方の作者ZUN様と共に観ている配信すらあった。トップオタクじゃねーか。
というか5月30日、そのテレビ放送や配信の間私は思いっきり粗品さんと東方のことを日記に書いていた。一目でもTwitterを見ればトレンドで気付けたものを・・・。

眩しい。

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