6月21日(日) 本物の日曜日

ニチアサ通常回復活の朝。
まずは「所さんの目がテン!」で雪山登山の様子を眺めながら昨夜の鍋を頂く。「氷の滝つぼ」という貴重な自然現象を見に行く回でそれは綺麗だったが登山が辛そうすぎた。

それからアニメ『球詠』の最終回を観た。試合の最後、今まで積み上げてきたものを怒涛の勢いで回収していく展開がとても熱かった。
崇拝する麻枝 准さんが主題歌を作詞作曲されたというだけの理由で唯一追い続けた春アニメで、最初は面白くなるのか不安を感じていたけれど結果的に良い作品だった。新越谷高校女子野球部の皆を好きになった。
作画の粗さや原作の大幅カットなど色々言われてはいるけれど野球をこういう風に描くアニメは革新的で魅力溢れていたからプラスマイナスゼロの法則だ。評判の良い原作もいずれ読んでみたい。

9時になり『仮面ライダーゼロワン』35.5話を視聴。五週に渡る総集編が終わり新作映像にはなったが恐らく何かの特典映像として作っていたサイドエピソードを放送に回したのではないかと察した。
内容としてはテロリスト組織「滅亡迅雷.net」の総集編のようなもので、滅亡迅雷.netのファンだから終始笑顔で見入った。新キャラ「アズ」ちゃんも鬼可愛くて悶える。こんなにも画面に映る顔面全てが美しい30分間、生まれて初めて経験したぜ。 

次回予告に新ライダー「仮面ライダーアークゼロ」がふんだんに映った。声優・速水奨さんのお声で喋る悪のラスボスライダーとかいう夢のようなアークゼロさん、初めて動く姿を見たがちょっと意味が分からないくらい格好良い。誇張抜きで仮面ライダー史上最高のデザインかもしれない。
彼(?)を迎えて来週から最終章が始動する。ゼロワンは面白いようで微妙に盛り上がらない惜しい番組だと感じてきたが最後の輝きには期待したい。

続く『魔進戦隊キラメイジャー』11話が・・・本当に本当に本当に面白かった!!!!!スーパー戦隊の伝説に残る回じゃないか。
最強eスポーツプレイヤーでキラメイジャーの影の参謀でありつつ不憫系ツッコミキャラの為朝くん(キラメイイエロー)が「リセットボタン邪面」の起こすループにたった一人巻き込まれる話。

二十数分の尺でこれだけ濃厚なループ回をお届けされるとは思っていなかった。不憫で頭脳派なタメくんのキャラがループにもがく状況とマッチしすぎており、そこにeスポーツの熱いストーリーラインがしっかりと絡み、事情を知らずしてタメくんの道を開く充瑠(レッド)の熱いリーダームーブもあり、全てが渾然一体となって恐ろしく見応えのある大作に仕上がっていた。

タメくんとリセットボタン邪面の戦いはどんどん熱くなっていき終盤は映画『コードギアス 復活のルルーシュ』を観ているようで物凄く面白かった。脚本もそうだけれど監督が本当に上手い。解決の仕方も予想外でちゃんと「タメくんの」ループ回になっていたのが良かった。文句なし。素晴らしい。ありがとう!
総集編明け第一回がこんな名作で来週は追加戦士登場だという。強すぎるだろう。
日曜朝にグワーっと熱くなるこの感じ、これが本物の日曜日だ。やっとループから帰ってきたんだ。本当にありがとう。

昼はスクール革命を観ながらうどん。
午前中で燃え尽きたのか解像度の低い午後となった。読書でも散歩でもパステルでも映画でも色々やりたいことは選べたけれど残り時間の限られた休日をどう過ごすかと妙に焦った末どれも選べずスマホ氏とベタベタしていた。良くない。良くないと思うのもまた不健全だ。

去年の今頃はニートになりたてで大阪旅行の真っ最中だったとGoogleフォトのハイライト機能が教えてくれた。
去年の今日は麻枝 准さんが昔紹介していた「梅田コーヒー院」で最高のモーニングを過ごし、阪急梅田で有安杏果さんの写真展をじっくり味わった。
その後アドリブで京都駅へ移動し酷暑の中アドリブ散歩を敢行した。鴨川を辿り続けて倒れそうになったところで離脱したものの駅が見当たらず、そこから謎の意志で清水寺を目指し登り切った。夜は京都タワーの地下でローストビーフ丼を食べた。あのローストビーフ丼を食べている時の心細さを今でも覚えている。
帰りは大雨の中梅田に帰り、昨夜全く眠れなかったカプセルホテルでまた眠れぬ夜を過ごした。前日は昼行バスで8時間かけて新宿から来ていた。翌日は梅田の美容院で髪を切ってから有安杏果さんとハービー山口さんのトークショーを見て夜行バスで帰った。泊まりがけの一人旅もバス移動も案外初めてで全部心に残っている。

そういえば始めようとして保留していたピアノをどうしようかと思いピアノの練習動画を色々見てみるも、常に人がいてテレビが点いているリビングのピアノで練習をしていくのは現実的でない気がしてやはり暫くは始めないことにした。一人暮らしならとっくに始めていただろうか。それともこうやって一生楽器をやらないつもりだろうか。

夕飯は手巻き寿司。ずらっと並ぶネタを前に心躍りつつ思考が止まりそうになる。手巻き寿司は大抵すぐ満腹になるから全てのネタを食べられるわけではなく、空腹の状態で食べられるネタは更に限られる。最適な手巻き寿司体験を目指すなら自分で的確に選んでいかねばならない。
選択が苦手だ。こんなことですら苦手だ。選べることが自由ではなく苦痛だと気付いたのはいつだったろうか。麻雀のどの牌を切れば良いか迷い続けるような心地だ。

まあこの場合初手で食べたいものを食べてしまえばほぼ満足だからまだ難易度は低い。マグロを選べば良い。それでも次の手は迷う。刺身を一枚だけ載せるのか、取り合わせるのか、グチャッとしたやつを混ぜるのか・・・。
結局美味しく頂いたけれど終始考え込んでしまった。これは自分の人間生活そのものの直喩だからだ。今日の午後の過ごし方すら選べなかった。私は何も選べたことはない。
だから・・・だから縁に身を委ねられるのか。出会った推しが大事なのか。直感だけで歩けるのか。そうか。そうだよな。それで良いのだ。自分の意思で選んでいると錯覚するのは傲慢だ。人間は牌を選べない。そうだろう?

この日記を書き上げたら何かをしてお風呂に入り何かをして寝る。何をするかは選ばない。それが本物の日曜日だ。

Maison book girlのベストアルバム『Fiction』発売まであと3日。

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