朗読者から「こんなときだから」への答え④

しばらく間が空きましたが、4本目のnoteも、ここ3週間取り組んでいる、寺田寅彦作品の朗読についてです。この後、23時30分ごろに公開いたします。

ここ数日、隣の岐阜県と長野県の境目で地震が続いています。昨日は長野県中部も含めれば14回、今日も4回、最大でも震度3なので、そこまで気にする必要はないのかも知れませんが、ちょっとねえ……。

今回アップする「天災と国防」は、寅彦がこの世を去る1年前、昭和9年に書かれた随筆です。その年も室戸台風や文中にある函館大火があり、それ以上に国内的には5・15事件が、対外的には満州事変、上海事変を経て国際連盟の脱退に至る等、徐々に日本が世界から孤立し、世相に暗い影が忍び寄りつつあった時期の作品です。どうも私、この経過がここ最近の世相に重なって見えて仕方がない瞬間があるのです。

もちろん、他国と武力衝突は起こっていませんし、経済状態も今後非常に厳しくなる観測はあるものの、当時のように「大学は出たけれど」が流行語になり小津安二郎により映画が作られるほど、就職難の時代に落ち込んでいる訳でもない。コロナウイルスに苦しむ日本と世界が、さらにショックを受けるようなきっかけが地震をきっかけに起こるのでは、と。

ほんと、起こってほしくないのですし、悪い意味での暗示にならないようにと願いつつ、心だけは備えておこうと読みながら考えていました。

と、いうわけで、私の朗読です。27分ほどです。また感想などお聞かせ願えればと思います。よろしくお願いいたします。


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