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確証バイアスと生徒指導

ここで話す確証バイアスとは、自分または周りの予想通りに物事が進むことの方を優先して考えてしまうこととしています。

教師は経験を重ねていけばいくほど、経験による判断が素早く行えるようになります。これは、とっさの判断に役立ちますし、経験の裏付けが信憑性を増します。

しかし、本当にその経験は正しいものなのでしょうか?

過去の経験はとても大切ですし、過去の起こった事象を参考にして、いま起きていることを対処することに効果はあると思います。しかし、過去に起こったことと全く同じ状況ということはありません。時代の変化、家庭環境など、過去の経験と同じで対応してしまうことには危うさがあります。

この件はこういう風に対応すればいいよ。ベテランの教員からそう言われたとします。そうすると、若手の教員はその対応をすることになりますが、もしそこでうまくいかなかったときにベテランの教員は「あれ、おかしいな」と思うのではないでしょうか。これが確証バイアスです。勝手に自分の中でこうであるはずだと決めつけて行動してしまった結果、予想に反して事態が悪化してしまうことがあります。

過去の経験が無意味であるというわけではありません。過去の経験によって選択肢がある程度絞られたり、冷静な判断ができることはたくさんあります。
しかし、その通りにいかないことも選択肢の中に入れておかないと、「こうすれば大丈夫」という根拠のない経験だけの判断が最適であることになってしまいます。

子供たちは人間で、数式でも科学的事象でもありません。AならばBのようなことはまず起きないので、うまくいかなかったときのことを考えながら常に行動していないと思考を停止してしまうことになります。「あれ、おかしいな」は完全に思考停止状態です。

そうならないためにも誰しもが「確証バイアス」をもっていることを想定して児童生徒対応をしていることを認識しておきましょう。

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