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バーチャルマーケットのブースを作る (1):モデリング編

はい、美坂です。
この記事ではBlenderで「バーチャルマーケット向けの」
ブースをモデリングした際の知見を解説します。

主に読者層は

・バーチャルマーケットに出展したことがあって
 クオリティを更に上げたい人

・バーチャルマーケット出展に興味があって
 何をやっていくのかふんわり眺めてみたい人

あたりを想定して説明していきます。
ターゲット層がとても狭い気がしますね……

なお、Blenderの基本操作ぐらいはできる前提で進みます。
Blenderの基本については、あちこちに良い解説が溢れているので
スルーします。はい。

あと同じ内容の動画も同時公開しています。
テキストと動画、好きな方見てくださいね。

■はじめに

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バーチャルマーケット3,4と出展し、ブース作成を通して色々と知見が溜まったのでまとめて解説してみようかと思います。

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本当はモーション作成の解説から行きたかったんですけど、ちょっと準備とか色々ありそうなのと内容が難しめになりそうな気がするので、モデリングの易しめなお話からいきます。

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今回は具体的な手順とかじゃなくて「こうしといたほうがいい」みたいな注意点とか知見を並べた感じです。
特に珍しい話とか高度な話とかではなくて、基本的なポイントばかりです。

まあふんわりした易しめの解説から始めて、少しずつモーターのコイルを温めていきましょう。

■プロトタイプ

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ブースを作り込んでいく前に、まずおおまかな形で壁・展示物などを配置してサイズ感を見ましょう。平面と立方体並べるだけでOK。
作り込む前に配置イメージを固めましょう。

VR環境のある方は実際にVR空間でサイズ感を確認したほうが良いです。
「モニターで見てモデリングした配置」と「VR空間で見た配置」には結構な差があります。特に階段とか通路の幅・高さなどは要確認です。

モデリングもプログラムも作り込んでから調整するのはとても大変です。
基本の土台の部分はしっかり調整してから先に進みましょう。

■サイズ制限

バーチャルマーケットでコンセプトワールドに出展する場合、
ブースサイズは縦横4m・高さ5m以内に収める必要があります。

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水平方向4mはそれほど広くないですが、
高さ5mは結構余裕が感じられます。
色々詰め込みたい場合はブースを2階建てにしたくなるかもしれません。

そして2階建てのブースを作る場合は2階の床部分に
当たり判定を設定することになります。
が、ここでVRChatのアバターの当たり判定を考慮する必要があります。

VRChatでは水平方向0.401m以上高さ1.651m以上の隙間がないと移動できません。(※アバターの見た目身長には影響されず一定値です。)
更に高さ2m以下では移動の際に引っかかりを感じる場合があります。
これは結構なストレスになります。VRでは酔いの原因にも。

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そのため2階の床は 2m+若干の余裕+当たり判定 の高さにしましょう。

「美作メカ美の台所」ブースでは 二階の床は高さ2.1mです。そして厚み0.05mの当たり判定を設定しています。
(※この数値で移動に問題は起きませんでした。)

■モデリングの注意点

- モデルの作り込み

モデリングする物体の細かさは必要に応じて調整しましょう。
慣れないとありがちですが、一部の物体をやたら細かく作り込んでしまったり、逆に目立つ部分なのに雑だったりとか。
いくら作り込んでもあまり見えない物体とかならほぼ無駄な作業です。

 力の入れ具合をバランスよく考えましょう。
もし作り込むとしても目立つ部分だけでOKです。
見えない部分は手を抜いてOK。

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はい、洗濯物はそれなりに作り込まれています。
皆さんの視線が集まるので。

- テクスチャの配置

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これは「美作メカ美の台所」ブース用のテクスチャです。
サイズは大きいですが1枚にまとめています。
テクスチャのサイズはUnityに持っていった後のことを考えると、
マテリアルを分けて小さいテクスチャを複数使うよりは、
大きいテクスチャ少数にしたほうがいいです。

テクスチャ画像とUV割当の基本ですが、まず
目立つ部分を大きく、目立たない部分は小さくする。
これです。

あまり良く見えない部分とかすごく小さくてOKです。
右上のほう、小さい四角がいっぱいありますが、
これが単色の物体向けエリアです。
節約したいならこれは更に小さくてもいけます。数ピクセルとかでもOK。

視点の近くで見ることになりそうな木材とかは大きめです。
でもこれも最適化されているわけではないですね……
のれんの部分とかかなり無駄な大きさです。

ちなみにこれ、バーチャルマーケット向けなら下の方のポスター部分は別の画像に分けてOKです。画像だけをブースに配置するための部品が入稿用の素材に用意されています。

- UVの割当のコツ

人物などでは面が重ならないようにUV配置するのが一般的ですが、建物などの同じ見た目の面が大量に存在するモデルではテクスチャの同じ部分を使い回すことが多くなります。

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しかし使い回しによってCGにありがちな繰り返し感が出てしまいます。
面ごとに位置や角度を微妙にずらしていくと、より自然な見た目になります。まあだいぶ面倒な作業です。
いい感じのプラグインとかあるのかもしれませんが……

- テクスチャ素材

テクスチャ素材には、木材とか壁とか色々な素材が必要になります。
手書きでもいいですが、リアルな質感を目指すなら写真とかを使うのがおすすめです。

とはいえ素材写真には色々注意が必要です。
ググってみつけた画像使うとかはやめたほうが良いです。 
配布しているサイトがフリー素材だと主張していても、実は他所の有料素材でフリーじゃなかったって場合も稀によくあります

これは画像でなく3Dモデルの話ですが、
フリー配布されていたモデルが他所からの盗用だったとか……
素材として販売されていたモデルが他所からの盗用だったとか……

インターネット怖い!

素材は信頼できそうな所から買うか、自分で撮影したほうが良いです。
普段から使えそうな壁とか地面とか撮っておくと色々役立ちます。
あとこれはちょっと怒られが発生しそうですが、ホームセンターの資材売り場とかで写s

■次回予告

いかがでしたか?

……動画で散々馬鹿にしていたフレーズですけど
実際に記事書いてみるとちょっと付け足したくなる謎の引力がありますね。

今回易しめな話からスタートしましたが、解りづらかったりを感じてしまったりしていたらすみません。
次回は見た目に大きく影響する「ライティング」のお話です。たぶん。

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