釣られてみた。~アプリで出会った君に~


はじめまして、アフロきむです。

今回は、前回も書いた、ぼったくりバー誘導女編を話したいと思います。

暇つぶしに始めた、某水色のマッチングアプリで初めてマッチした女性と意気投合し、互いの趣味であった飲みで話しましょうとなる。
日程調整は意外とすんなりいく。
相手の居住地は東京であったため、相手に合わせるよ〜と言うと、帰り道だからと新宿を指定される。

実は、私は新宿に良い思い出があまりない。

見栄を張ってスマートな男性を装おうと、元バイト先の焼鳥屋を予約する。
当日色々話そうと、当日までは連絡は控え、前日に連絡が来る。予約したことを伝えると、

「はじめましてだから会ってから決めましょう!」


約束の時間まで30分、こちらから「何となくだけど、東口のが都合いい?」と送ってみる。案の定、「うん!」と来る。
待ち合わせ場所は駅前だと思い待っていたら、歌舞伎町を指定される。

間違いない。

これはあれだ。"ぼ"から始まるやつだ。

そうだろうとずっと思っていたが、一縷の望みを持ち現場へ向かう。
既に約束の時間から30分遅れているが、待ち合わせ場所に待ち、様子を見る。
多分横にいる人だろう。相手から電話が来る。横にいた女性がその人であった。
そこにいたのは写真とは違う系統の人ではあったが、現代は加工で何もかも変わることは知っている。

センター街が近くにあるが、歩み出したのはそこから離れる方向であった。
釣られてみようと着いていく。
「本当にアフロなんだね!それってパーマ?」
そうです。4時間かけてアフロにしました。
新宿慣れてないんですよね〜なんて他愛もない会話をし歩いていると、如何にもな雑居ビル街へ向かっているではないか。
入ってしまったら出られないと知っていたので、こちらから重めの話をする。

「実は、友達ここら辺のぼったくりバーではめられて、生活苦で自殺しちゃったんだよね…だからバーって苦手なんですよね。」


もちろん嘘だ。

女性は焦り始め、店の場所どこだっけ〜とスマホをいじり始める。
そのタイミングで職場の人から電話がかかってくる。もちろんこれも計画通りだ。
内容はこうだ。職員で陽性者が出て濃厚接触にあたるから、自宅にいるように。
もちろんこれも嘘だ。
当日に抗原検査をして陰性であったのでピンピンのピンである。

私にかけられた二重の嘘に慌てふためく姿はとても良かった。私は性格が悪いのかもしれない。だがそれでも構わない。楽しいのだ。

その後、駅方面に向かい歩き始めるが、行きとは違う道でするすると戻っていく。
そういえば、会話の中で、新宿は慣れてないと言っていたが、入り組んだ道でスムーズに案内できるなんて、見栄を張った私よりスマートではないか。

途中、遠慮がちに自殺の件を聞かれる。向こうももしかしたらと思っているのだろう。
私はノリノリである。

「3年前、初任給で3人で飲みに来て、ぼったくりバーに引っかかって払わされて、自責と後悔で追い込まれたんだろう。なんで自分に相談してくれなかったのか。それだけは今でも引っかかってる。もしかしたら一緒に来た2人もグルだったんじゃないかって疑ってるんだよね。まぁ死んでるから本人には聞けないけど。」

我ながら、淡々とではあるが間を置いてリアルさを持たせて話せたと思う。
女性は何も言えず、その後は黙りこんでいた。
続けて、
「死んじまったもんはしょうがない。ただ、自分はぼったくりをする店も、そこに案内して小遣いをもらう人間も、心底憎いと思ってる。
これで解散なのに重すぎる話をしちゃって申し訳ない。また後で埋め合わせはするから、連絡するね。」

と言い残し、女性とは解散する。

私は足早に歌舞伎町を後にし、この文を打ち込む。
ネタ収集とはいえ、良い経験を出来た。ついでに欲しかった本も買い、某バラエティのインタビューの声もかけられ(断ったが)、濃厚過ぎる3時間を過ごした。

今回の分かったこととして、

・先輩におすすめされた店がある人or先輩が経営する店があると言う人はだいたいぼったくり。
・新宿東口指定は歌舞伎町の奥の雑居ビル街に連れていかれる。
・自分が不利になる事を恐れてるので、その状況を作り出すことで上手く立ち回ることで逃げられる。
・相手のペースに飲まれずに、その状況を楽しむことで相手に焦りを埋め込むことができる。

以上。


きっと私は二度と新宿に行くことはないであろう。
私が話したことは全て嘘であるが、実際にそうなってしまった人もいたかもしれないと考えると、とてもやるせない気持ちになる。
警察が摘発できないという穴を抜けて名前を変えて営業を続けているだろう店が軒を連ねる雑居街。致し方ないことではあろうが、被害者が増えないようになってほしいと願うばかりである。

と、私らしくないブログになってしまったが、それもまた一興ということで、今回はこれにておしまい。
次回は未定。

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