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マジック・ザ・ギャザリングを超えてしまったTCG?!Flesh and Bloodの魅力

最高のゲーム、マジック・ザ・ギャザリング

クリスマスイブ、ガストのスープバーの具を必死に集めているときに思った。

僕はすべてのマジックザギャザリングプレイヤーを尊敬してる。
つまり、この記事を読んでいるあなたを尊敬している。
なぜならマジックのプレイヤーは「面白いことがわかる」人だから。

よくぞマジックザギャザリングという最高に面白いゲームにたどり着いたね。

え?最高のゲームは「パズドラ」だって?
ああ、お前はもうだめだ。来世でやり直すしかない。

人生で最高のゲーム

最高のゲームを求めてインドの奥地に行っても、瞑想している老師はデッキを取り出してフェッチからのショックインしながら
ラガバンを叩きつけ、

チルチルとミチルも幸せの青い鳥を探しに行ったけど見つからず。家に戻ったら極楽鳥が落ちていて「やっぱり幸せって、マジック・ザ・ギャザリングだったんだ!」っていう童話だった。

「あ、ターンエンドにそのバッパラに稲妻ね」

すべての物事には到達点がある。

究極のスニーカーならニューバランスに到達するし
落語なら古今亭志ん朝に到達する。
音楽ならモーツァルトとporter robinsonだし
海外ドラマならチェルノブイリ。
カードゲームならマジックザギャザリングだ。

あなたは数多あるゲームの中から、マジックを見つけてややこしいルールやよくわからないカードテキストを乗り越えて、たくさんの時間と金を使ってマジック・ザ・ギャザリングを好きになった。

究極のゲーム。TCGの祖。伝説の顕現。
マジック・ザ・ギャザリング。

僕も20年以上1000以上のゲームをプレイしてきた上で「最高のゲームはマジックザギャザリング」。そう思ってきた。

だから、菓子パン一個(スナックゴールド)で晩飯を済ませて「意志の力」を4枚いっき買い。
彼女にタクシー代を渡して帰ってもらい友達と徹夜でプレイした
僕は人生でマジックを過去2回はやめて売りはらって、3回買い直した。

ポケモン、遊戯王、デュエマ。
他のゲームをプレイしたこともあるけど「どれも似てるし、これならMTGのほうがいい」という結論を出して、20年以上マジック一本で続けてきた。いわゆるマジック原理主義者。

コミュ力もなく、狂った金銭感覚の欠落者が、少ない友達を更に少なくしながらたどり着いた究極のゲーム。
それがマジック・ザ・ギャザリング。
最高のゲームで最終到達点。
一生、俺はこのゲームと生きていく。

はずだった。

そう。今日はもっとその先のゲームの話をしよう。

あなたがマジックこそが最高のゲームで信じて疑わないなら、読むのをやめてアリーナでも起動してくれ。

「Flesh AND Blood」

フレッシュアンドブラッド

ニュージーランドという南半球の小さな島国でマジック・ザ・ギャザリング好きの一人の素人が8年かけて作り出した無名のトレーディングカードゲーム。Flesh and Blood (以下FaB)。

そんな同人ゲームに毛の生えたようなゲームがキャラクターやメディアの力を一切借りずに世界を席巻しだしている。
日本でも大阪を中心にマジックザギャザリングの有名店が次々に公認店に登録。
いわゆる日本でもじわじわと生粋のマジックプレイヤーを虜にし始めている。僕も含めて。

FABのカードのイラスト。美しいですね

Flesh and Bloodはどこかでみたようなありがちなテーマのカードゲームだ。
ヒーローを一人選んで1VS1で戦う。
対戦相手のライフを0にすれば勝ち。
マジックで例えると統率者同士が戦うゲームみたいなものだ。

そう。このゲームには何もない。
ポケットなモンスターも、エロいアニメキャラも、なんか青い目のドラゴンとかもいない。

ただ、ひとつだけ言わせてくれ。
このゲーム、めちゃくちゃ面白い。
1回目のプレイからもう面白い。
結局、面白いってことがこのゲームの最大の武器だ。
こんな何もないゲーム、そもそも面白くなかったら太平洋を超えられない。

ボードゲームレビューの権威BGGのスコア

マジックの面白さを例えると「ドラゴンボール」。
王道の面白さ。圧倒的名作。歴史も長くて、みな知っている。

ドラゴンボールの後にたくさんコピー漫画があった。でも一つとしてオリジナルを超えられなかったようにマジックのコピーゲームも、オリジナルを超えられなかった。

対してFaBは「ハンターハンター」
ドラゴンボールを楽しめた人が、さらに楽しめる別体験の面白さ。
ドラゴンボールを読んだ人も、ハンターハンターは楽しめるように。

FaBのヒーローの1人「Drinthea」
ほとんどのプレ〇ンズウォーカーよりもかわいい
※個人の感想です

じゃあ、いったいFaBのなにが優れているかっていうと……
つまらない時間がない

マジックはエキサイティングで最高なゲームだ。
でも「つまらない時間」がある。

たとえば、速攻のアグロデッキを使っていて、対戦相手の青白コントロールに至高の評決で4ターン目にリセットされてしまった。
僕の場にクリーチャーは0。手札は1枚。
あ、カウンターしますか。
5テフェですかそうですか。宝船で3枚ドローですか。
アグロの僕は引いたカードを使うだけのマシーンとなり、考える必要は4ターン目以降ほとんどない。
ほぼ「負けた」とわかっているのにとどめを刺されるのを待つ時間はつまらない。(対戦相手は楽しいはずだけど)

このつまらない時間はマジックにつきものだ。
延々と土地を引けないまま負けるつまらない時間もあるし
相手のコンボデッキのコンボを5分以上見る時間もつまらない。
ビデオゲームだったらリスタートしている、つまらない時間。
あの名作、ドラゴンボールにだって魔神ブウ編がある。

負けること=つまらないと言っているわけじゃない。
マジックで星の数ほど負けてきた僕だ。負けるのが嫌ならマジックやめている。
ただ、僕はつまらない時間が嫌いなだけだ。
本当に最初から最後まで考え抜いて戦う勝負、手に汗握る勝負ってマジックで10試合やって何試合あるんだろう?

でも、大丈夫。つまらない時間はあなたのせいでじゃない。
ゲームシステムのせいだ。

貯金がたまらないのも
彼女ができないのも
トナメで友達に貸したカードが返ってこないのも
だいたい、あなたのせいだ。

でも、ゲームにつまらない時間があるのは、ゲームシステムのせいだ。
そんなはずはない!と思うならビデオゲームの「エルデンリング」と「コンボイの謎」の両方をプレイすればすぐわかる。

ちなみにクリアしても一切の謎は解けない

もっともあなたが、つまらない時間が好きならマジックを。もしくは「コンボイの謎」をプレイし続けるべきだ。

FaBには「つまらない」時間がない

話を戻そう。アグロデッキの僕は、至高の評決を4ターン目にくらった。
ほぼゲームオーバー。アドバンテージの差は埋められず、座して死を待つだけ。処刑を待つ囚人。会社に行ってただ生きているだけの僕のような存在だ。

でもニュージーランドの青年が8年かけて出した答えは「毎ターン手札を上限まで引ける」だった。
マジックだったら毎ターン7枚までドロー。
そう。毎ターン「Wheel of Fortune」

注:FABの手札の上限は基本4枚です

もしマジックのルールが明日から毎ターン「Wheel of Fortune」だったらどうだろう。

アグロは毎ターンフルパワーで展開し、対戦相手を焼き切ろうとするし、コントロールは対戦相手のすべてを打ち消し、すべての脅威を排除しようとするだろう。
だってカードを使っても、また7枚まで引けるんだから。
土地事故の確率も減るだろう。
お互いがフルパワーでダイナミックな展開が毎ターン起きる。
そう。それこそがFaBの戦いだ。

ダイナミックな戦いこそがFaBの華

1ターン目から訪れるクライマックス。
限界までのドロー。
ヒーロー同士が必殺の攻撃を繰り出し、お互いがそれをぎりぎりで避ける。
判断を1度でも誤れば形勢が大きく傾く。
一手も気の抜けないギリギリの戦い。
紙一重、首の皮一枚がつながったときの快感。
そこから繰り出される音速の反撃。

こんなことが毎ターン繰り返される。
残りライフが1vs1なんてザラだ。

こんなドラゴンがゲーム序盤で着地する
召喚酔いなんてないから存分に暴れさせられる

この戦いに反射神経は必要ない。
必要なのはベストなプレイを考えることだけだ。
状況は刻一刻と変わるから、ベストなプレイもそれにあわせて変わっていく。

考えろ。攻撃するのか?防御するのか?対戦相手は何を狙っているのか?
考えろ。このターン生き残る方法を。
考えろ。相手を倒す一撃を。
考えろ、考えろ、考えろ。

広がりゆく思考はやがて、無限を感じるようになる。時間は圧縮され、外界とは寸断され、世界はあなたと対戦相手だけになる。

静かだ。
素晴らしい世界だ。

そして、どちらかが倒れる。
ああ、そうだ死闘だ。FaBってのはつまるところ死闘なんだよ。

もう「土地を4ターン引かなくて負け」「先手取れずに負け。草」なんてしょうもないツイートをする必要はない。
死闘につまらない時間はないんだから。

最強のゲーム「マジックザギャザリングからつまらない時間を無くしたゲーム

これがFlesh and Blood だ。僕が言えるのはそれだけだ。

もちろん、この駄文を読んでの異論はあるだろう。
「マジックにつまらない時間なんてない!1ターン目の土地セットから駆け引きはある!」
「つまらないのはアンタのデッキ選択が悪いんや!」
僕はマジック自体がつまらないゲームとは言ってない。
つまらない時間がないと言っている。

でもさ、つまらない時間がないマジックザギャザリングを想像してみてよ。
それは素晴らしいゲームじゃないかい?
こんな面白いゲームをプレイせずに死んでいくのかい?
もし、あなたがマジックと出会ってなかった世界線を考えてみて。
今頃、なにをしているだろう?
今よりも楽しい人生を送ってると想像できないだろう?
目の前にそんなマジックを超えるゲームが転がっているんだ。

本当のゲーマーのあなたならわかっているはずだ。
結局はゲームを語るには「百聞は1プレイにしかず」なんだ。
それが、僕やあなたのような1枚のカードに2万円を払える狂ったゲーマーが到達できる唯一の真理なんだから。

そう。僕はあなたを信じている。
なぜならマジックのプレイヤーは「面白いことがわかる」人だから。
僕はあなたを信じている。
マジックを求めているあなたは、「人生に面白いことを求めている」人だから。

さあ、次は死闘の上で会おう。


追伸:もしFaBが気になったのなら@UnofficialJPNをフォローして聞いてみてください。きっと近くのコミュニティや、ティーチングイベントの情報が得ることができます。
あなたがこの文章を読んではじめるきっかけになれば、僕と対戦できて笑い合えれば、これ以上の喜びはありません。

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