140.不倫遺伝子

少し前に読んだ本がある。タイトルはズバリ、

「不倫」

どうして不倫する人としない人がいるのか・・・
かなりざっくりいうと、それはある遺伝子を持ってるか持ってないかの違いだとのこと。
それを"不倫遺伝子"と文中では表現されていた。
「貞淑型」と「不倫型」に分かれ、ただ、その割合は50%ずつなので、人間の半分は不倫しやすい遺伝子を持っているらしい。
当然、知らぬ顔で不貞をする私には不倫遺伝子があるんだろう。

でも、私の両親は女絡みで揉めていた記憶はない。父は同じ町内の町工場で働いていて毎日仕事が終わると寄り道せずに家に帰り、女の影は一切なかった。口や態度には出さないけど、きっと母のことが大切なのだろうと思っていた。

ふと、子どもの頃のことを思い出した。

私の母が36歳で私が小学5年生の頃、母の出身高校の同窓会があって、そこで母が高校時代に好きだった男の子(仮名シマダ君)と再会した。
シマダ君は高校時代はヤンチャ系で、結構女の子にモテていたらしいが再会当時は独身だった。バセドウ病を患っていて甲状腺の手術を受けるという話を同窓会でしていたらしい。
その後も連絡を取り合っていて、私はシマダ君が入院している病院に連れていかれた。また、手術が成功するようにと、母が千羽鶴を一人で折っていた。独身で一人でかわいそうだからと母は言ったが、普通、ただの元同級生にそこまでしないと思う。
幼心に母はシマダ君と再会して少し浮かれているように見えた。昔好きだった人だし、父より10歳近く若い。
それにシマダ君は、娘である私の前で「俺も○○さん(母の旧姓)のことが高校時代好きだった」などと話していた。じゃあ二人は両思いだったの?

専業主婦の母は自由に家を空けることはできなかったから、シマダ君と不倫関係になるようなことはなかったとは思うけど、"焼け木杭に火がついた"状態であったことは間違いないだろう。短い間だったけど、かなりときめいていたに違いない。

思い出すと母は父以外にいつも好きな人がいた気がする。芸能人にもよくハマっていた。歌手とかハリウッドスターとか。テレビの世界の人だから、何も起こるはずもないが、娘の目からみて恋をしていたように見えた。

きっと私の不倫遺伝子は母から受け継いだのだろう。

彼は最初の頃に比べて、私とセックスしたい気持ちが強くなったという話をしていた。彼は私と肉体関係になることを躊躇していた。それは奥さんへの罪悪感があったのと、一番の理由は私を信用してなかったから、というのは前にもnoteの記事に書いたことがあったと思う。

「奥さんへの罪悪感はもうないんですか?」と聞くと、
「ないですね」ときっぱりと言った。
そりゃそうか。そもそも罪悪感があったらこんなことになってないか。

きっと彼にも不倫遺伝子がある。

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