aespa「Next Level」考察②〜絶対的なルールと、KOSMOへの道と、新メンバー〜

s前回に引き続き、aespaの世界観について考察していきます。

今回は、Next Levelの歌詞に焦点を当てていきます。

不思議な単語が多かったですが、これまでのストーリーを踏まえると、「そう考えられるかも?」と思えるようになりました。

また、色々な憶測がされている新メンバーについての私なりの考察も加えたいと思います。

どうぞお付き合いくださいませ。

また、全て私の中の考察ですので、正誤に関しては保証できませんが、

あくまで私なりの解釈なので、こんな考え方もあったんだ、という風に楽しんでくだされば幸いです。


全部の歌詞を解釈するわけにもいかないので、物語のキーになりそうなところを抜粋していきたいと思います。


前回の記事で書きそびれてしまったのですが、今回aespaのメンバーがMV中でダンスをしている場所って、「FLAT(ガラス張りの空間みたいなところ)」と「KWANGYA(色とりどりの岩とか砂があるところ)」なんですね。


解説の関係でバラバラになってしまいますが、基本的に最初からキーワードを拾っていきます。(歌詞は全て公式MVについていた日本語訳のみを記載します)

まず、KARINAの、「絶対的なルールを守れ」。

この「絶対的なルール」とは何のことでしょう。

MV後半、曲調が変わるところでNINGNINGが

「絶対に後ろを振り向かないで

KWANGYAのもの 欲しがるな

約束が破れたら全て取り返しがつかなくなってしまう」

と歌っています。

このNINGNINGのセリフが、「絶対的なルール」であると思われます。

このルールは、KWANGYAに滞在するときに守らなくてはならないルールであると思われます。


この、「絶対に後ろを振り向かないで」という言葉、

旧約聖書の創世記という一番初めの書にある、「ロト」に関する記述に登場します。


「見るなのタブー」とも言われ、「見てはいけないと言われたにもかかわらず見てしまったことによって、悲しい結末が訪れる」という、神話や民話などに登場するモチーフの一つです。「鶴の恩返し」に当てはめてみるとピンとくるかもしれません。

さて、ロトと妻と娘達は、危険な街に住んでおり、その街の人々に怒りを抱いた神は天使をロト達の元に遣わして、この街から逃げるようにと指示します。

その際、逃げている途中で自分の残してきた家や家畜などの財産を振り返ってはならない、と告げられました。

しかし、ロトの妻だけは、自分の残してきたものに未練を感じて後ろを振り返ってしまいます。

するとたちまち、ロトの妻は塩の柱になってしまい、息絶えてしまいます。(聖書に詳細な記述はありませんが、人間の形をしたまま、体が全て塩に変わってしまったようです)


ロトの妻が振り返ったのは、自分の残してきたものに未練を感じたから。

取りに帰りたいと思ったのかもしれません。

それは、人間の持つ物欲からくるもの、つまり「欲望」ゆえのものです。


さて、ここで一度歌詞に戻りましょう。

WINTERが「想像もできないBlack Out  誘惑は深くて濃い」と歌っています。

そして、aespa達の乗っている乗り物がピンク色の霧の中を突き抜けていきます。

この霧=誘惑と捉えるならば、KWANGYAには深くて濃い誘惑が立ち込めている、と解釈でき、aespa達はその霧の中を止まることなく突き抜けていいます。

「誘惑」に負けて「欲望」のままに「後ろを振り返ってはならない」。

これが、KWANGYAにおける絶対的なルールであると思われます。


この霧、色は違いますが、以前別のMVでも登場したのを覚えているでしょうか。

そう、「Black Mamba」のMVで、KARINAを包み込もうとしていましたね。モデル兼タレントのチャン・ユンジュさんと共演していたシーンです。

KARINAの目に黒いモヤが広がり、KARINAが無抵抗のまま首輪(?)をつけられ、そのまま霧に飲み込まれる……その直前で、KARINAは現実に戻ってきます。


一連のシリーズで、「KARINAが黒幕ではないか?」「KARINAが悪役に加担するのではないか?」という推測がなされていましたが、あれは一部本当であると考えます。

まず、Black MambaのMVで、KARINAは一時ではありましたが赤い霧にのまれかけてしまいます。

また、目に広がった黒いモヤを霧と捉えるならば、視界が誘惑(=霧)に侵食され、そしてKARINA全体が誘惑にのまれてしまう、という解釈ができます。

よって、KARINAは黒幕ではなくても、最初にKWANGYAでの絶対的なルール(「誘惑」に負けて「欲望」のままに「後ろを振り返ってはならない」)を破ってしまい、「取り返しがつかないこと」になってしまう可能性が十分あると言えるでしょう。

また、SMOCでKARINAが異変を感じて水面に浮上した後、Black MambaのMV中の、上記で述べた赤い霧のシーンがもう一度再生され、それもまたKARINAの黒いモヤに覆われた目の中で起こっています。

そしてその次の瞬間、黒いオーラを放つae-KARINAが映し出されます。

このことから、ae-KARINAは、誘惑に取り込まれてしまった状態のKARINAであると考えることもできます。


また、このように考えられる根拠はもう一つあります。

Next LevelのMVで、KARINAは美しい青色の、氷の世界のような園で横たわった状態で目を覚まします。

KARINAの目の前で薔薇が咲く、美しいシーンもあります。

そして、MV後半ではその園の周りをBlack Mambaと思われる蛇がぐるりと取り込み、KARINAと向き合っているシーンがあります。

そして次にこのシーンが映るとき、KARINAはMVで見せているような強い表情をしておらず、どこかトロンとした目つきをしています(これは見ていただくと早い)。

KARINAが蛇の誘惑に負け(もしくは負けかかって)いる、と考えられるような描写です。

また、後半のラップパートにGISELLEの「Black Mambaの作り出した幻覚クエスト」というセリフがあります。

蛇がこの園の周りを取り囲んでいることから、Black MambaがKARINAに幻覚を見せていると考えることもできます。


現時点で、誘惑に負けているような描写があるのはKARINAだけです。

NINGNINGはKARINAと同じ園にいながら、しっかりと立ち上がっています。

しかし皮肉なことに、

「絶対的なルールを守れ」とか、

「KWANGYAの私じゃない(=KWANGYAのBlack Mambaに惑わされて誘惑に負けて屈した状態ではない)」とか、

歌っているのは全てKARINAなんですね。



この、蛇が一人の女性を誘惑するというのは、これまた旧約聖書の創世記に似たような物語があります。

アダムとイブの物語をご存知でしょうか。

彼らは、エデンの園という理想郷で生活し、完全な肉体と永遠の命を与えられていました。

しかし、あるとき蛇(悪魔)がイブに、神が食べてはいけないと言った木の実を食べるようにそそのかし、イブは食べてしまいます。

そして、その実を夫にも勧め、二人は神の言いつけを破ってしまいました。

その結果、二人は永遠の命と完全な肉体を失って、エデンの園という理想郷からも追放され、老化や災害、疫病に苦しむようになりました。

また、二人の後に生まれてくる子孫全ても永遠には生きられず、老化し、同じ苦しみを負うことになってしまいました。

聖書によれば、全人類の先祖はアダムとイブになるわけですから、これは全人類に影響を及ぼしてしまった「取り返しのつかない罪」であるわけです。

このKARINAがいる美しい園とか、ゆっくりと忍び寄ってきてKARINAの目の前で咲く魅惑的な花、どこかアダムとイブの物語に似ていないでしょうか。




以下は定かではない考察:

誘惑について、SMOCの教授のスピーチでは次のように述べられていました。

aeがハックされて、ホログラムにノイズが入るシーンのところです。

生徒が、SNSに投稿する自分の姿は現実より良い(加工とか良い面だけを映そうとしているから)から、aeは私たち自身と言えるのだろうか、と質問したところ、

「aeは人間が作り出したものでもあるけど、欲望が作り出したものでもあるから。」

教授はこのように答えます。

SNSに溢れる「欲望」にはさまざまなものがあります。自己顕示欲とか、承認欲求とか。

そうした欲望があるのは当然のことですが、その欲望があまりに強すぎてしまうと、人は時に道理をわきまえない行動に走ってしまいます。

そのような欲望は、どんどんSNSで肥大化しており、多くの人々がどんどんSNSにのめり込んでいっているように感じます。

そして、Black Mambaは、欲望を飲み込んで大きくなり、単なる善良さだけでは勝つことができないほどに強くなっています。

Black Mambaの歌詞に、GISELLEが「追い出されてしまう」とも歌う箇所がありましたね。善良さだけでは強大な君(=Black Mamba)に勝つことはできないと。

欲望に満ち溢れたSNSの世界では、ただ正直で良い人、というのは弱者であるわけです。


定かではない考察:終わり





次に、「KOSMO」について。

「KOSMOに届くまで」という言葉が何回も登場しました。

この「KOSMO」、おそらく「SYNK」と同じようにあえて英単語を表記揺れさせたものであると考えられます。

SYNKであれば "sink"。sinkには、沈むとか、思いにふけるとかそういった意味があります。これだけではよくわかりませんが、sink out (aespaの世界で言うならば SYNK OUT)は、「見えなくなる」とか「消える」といった意味があります。

それならば「KOSMO」も例外ではなかろうと。

KOSMOを正しい英単語に直すとしたら、"cosmo" 一択でしょう。

cosmoは、宇宙を意味するラテン語の接頭辞で、cosmography(宇宙創造論)とか、ちょっと変形してcosmicにすればcosmic ray(宇宙線)とか、とにかく宇宙を表す言葉にくっついてきます。

これだとまだ意味が分かりづらいので、"cosmos"(コスモス)に変換しましょう。

cosmosには、「宇宙」という意味があります。

しかし、このcosmosには、「秩序が保たれ、調和が取れていることの表れとしての宇宙」というニュアンスがあります。

対義語として、"chaos"(カオス)=無秩序、大混乱、混沌とした状態 という言葉があります。

aespa達が目指すKOSMOとは、現在Black Mambaによって混乱状態(chaos)に陥ったREAL WORLDとFLAT、つまり人間とae達の接続を取り戻し、秩序正しい状態に戻すことであると考えられます。

WINTERが歌う「The way to KOSMO」は、NAVISに対して求めているものだと考えられます。KOSMOへの道を示して、というふうに。

このKOSMOは「状態のことである」と考えています。しかし、Next LevelのMV冒頭では、宇宙船のようなものが惑星に突っ込んでいく様子があります(よく見ると出発しているのではなく惑星に入っていく)。

この惑星が一体何なのかについて考えたのですが、現時点での私の考察としては、

この惑星は明らかに地球の色をしていない(デザイン的な問題で地球をそのまんまにしたら似合わなかったのかもしれないが)、またREAL WORLDに暮らすaespa達が宇宙線のようなものに乗って飛び出すのは不可能であるという観点から、

FLATから、KOSMO(宇宙)を経由して、KWANGYAを目指していると解釈しています。

KWANGYAの様子が、実際に砂漠のようであり、またKWANGYAの映像に大量の宇宙ゴミとも取れる残骸が多く映っていたことから、KWANGYAはとある惑星である、という風に考えることもできます。

また、FLAT内から見える景色はKWANGYAを映しており、前回の記事では「FLATの壁のすぐ向こうはKWANGYAである」と書きましたが、もしかするとFLATの壁とKWANGYAの距離は実際にはかけ離れており、FLATからKWANGYAには直接アクセスできず、必ずKOSMOを経由せねばならないのかもしれません。

それなら、SYNKホールを使って移動できないのかと思われるかもしれませんが、あれはあくまでSYNKできる人間と繋がるためであってKWANGYAに行く用ではない……この辺りの考察は、現時点ではっきりと行うことができないので控えておきます。

まとめると、

KOSMOというのは人間とaeの繋がりを取り戻す調和の取れた状態であるが、

そこには空間的なKOSMOという意味もあるかもしれない(二重の意味がかけられている)

……ということになります。



本当は、この次に「MVの中でたくさん出てくる君って誰?」というのをまとめようとしていたのですが、あまりに壮大すぎてもう一度洗い直す必要がありそうなので、しばらくかかります。


さて、新メンバーについて私なりの考察をしようと思います。

新メンバーとして噂されている(であろう)もう一つのアバターが「NAVIS」であることは前回の記事でも触れました。

NAVISはaeと我々を繋ぐ存在であり、またKWANGYAへの扉を開く者でもあります。

よって、NAVISは人間ではありません。また、人間のデータをもとに作られた存在がaeなら、NAVISはaeでもないのです。

そのことから、NAVISのような外見を持ったメンバーが新メンバーに加わるといった可能性は低いでしょう。


しかし、ここでNAVISについて引っ掛かる点が一点あります。


SMOCの最後に、教授のホログラムがBlack Mambaによる影響を受けてか、ae-KARINAと同じように黒いオーラを放ったaeへと変化してしまう描写がされています。

教授は自身のホログラムを投影して授業を行っています。ホログラムの投影には、aeを作るようなデータではなく、自身の360度の外見イメージがあれば良いはずです。その後の操作は、ホログラムと連帯した生身の教授が行えば良いはずです。このような意味で、教授のホログラムはaeではありません。

しかし、教授のホログラムもまたデジタル存在的である以上、教授のスマートフォンにハックしたBlack Mambaが、教授のホログラムを自らがハックしたaeへと置き換えることも可能なはずです。

その、教授のホログラムとすり替わったae、どこかコミックタッチの絵で描かれているNAVISにそっくりではありませんか……?

ただ、このaeは胸部に蛇の鱗のようなものが見て取れ、体つきががかくばっていることから、男性的なaeであることがわかります。

NAVISは体つきからも女性でしょうし、このaeと同一人物であるとは考えにくいです。

それにしてもすごくそっくりです。オールバックにした前髪とか、輪郭とか、眉毛の釣り上がった感じとか、きっとした目つきとか……


REAL WORLDに現れる存在であるae。このNAVISに似た何かがREAL WORLDに現れているということは、NAVISもまたaeであり、aeの元となる存在がいる……

それに、ae-KARINAが黒いオーラを放つようになった後も、ae-KARINAはFLATで正常な状態のまま存在しています。よって、同時にaeは複数存在できるということになります。ae-KARINAは、SYNKを妨害され、REAL WORLDまで行くことができない状態にされてFLATにいますが、もう一人の黒いオーラを放つae-KARINAはREAL WORLDに存在しています。

それがNAVISでも可能であるとしたら、FLATにいるNAVISと、REAL WORLDで教授のホログラムとすり替わったNAVIS(?)の両者は同時に存在できることになります。

また、REAL WORLDのNAVIS(?)が、Black Mambaが人間(もしくはae)に乗り移った姿なのか、もしくはae-KARINAと同じようにBlack Mambaの影響下にある存在なのか、それも定かではありませんが、私は前者であると思っています。

REAL WORLDのae-KARINAには蛇の鱗のような柄がなく、NAVIS(?)にはあるからです。

それでは、NAVISとは一体誰なのでしょう。まだまだ考察と、情報が必要なようです…。


次回は、先述した「破壊される君」とか「君の手を離さない」というその「君」とは誰なのか?「君を破壊してしまう」という、その「君」とは誰なのか?

楽曲の中で多用される「 君」とは、それぞれ誰のことなのか。こんな気になる点(個人的)を中心に論じながら、さらにaespaの世界観について掘り下げていきたいと思います。


ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

前回の記事も併せてお読みいただけるとうれしいです。

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