【学会誌】色の官能評価の定量化
こんにちは。
『表面技術』2023年11月号を読んでいます。もう1月ですが…
読んだ記事について、気になった部分やポイントをメモしておきたいと思います。
今回読んだ記事のタイトルは「色の官能評価」で著者は産技研の坂田さんです。
内容
着色したステンレス鋼の色の定量評価技術に関する解説です。
ステンレスの表面に不動体皮膜を厚く成長させると、光の干渉効果によって発色することが知られています。
また、不動体皮膜の膜厚を制御することによって干渉色を制御することで、ステンレス鋼のカラー化が実現されています。
カラーステンレス鋼の量産工程の課題として、色ムラの検査の難しさがあるそうです。色ムラの検査は人が判断する感応評価なので、作業者によって判断が違ってきたり、同じ作業者でも体調や気分で変化してしまうことがあります。
本記事で、CMOS素子を搭載したカラーカメラの画像を解析することで、定量的な評価が可能かどうかについて検討しています。
メモ
カラー画像の各ピクセルにてRGB値を抽出し、CIEE1976色空間のL*値、a*値、b*値に変換。その値から、色差ノルムDを算出して、画像上にマッピングして色差分布を作製。
解析結果
色ムラのないサンプルでは色調が均一だった
目視検査によって色ムラの判別が困難なサンプルと、色ムラがハッキリ存在するサンプルでは色調が異なる部分が確認された
画像ごとにa*値、b*値のヒストグラムを作成すると、色ムラのないサンプルではシャープなパターンとなったが、色ムラのあるサンプルでは裾が広いパターンが見られた。
色差ノルムDは色ムラがある程、a*b*色空間上の広がりが大きかった
色ムラのあるサンプルでは、彩度のバラツキも確認された
色ムラの有無を比較し、色差の閾値を設定することで、良品/不良品の客観的な判断基準になりうる
得られた判断基準は若手育成にも活用できると考える
今日は以上です。
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