「Aメインでひたすら死ぬデュエリスト」への指摘の仕方は「武器軟膏」から学べる…かもしれない

チームプレイにおける指摘の難しさ

「Aメインで死に続けるジェットがいるけど指摘出来ない…」
みなさんも『VALORANT』をプレイしていてこんな経験があるだろう。
『VALORANT』のみならず、チームプレイのゲームにおいて指摘したいが指摘しづらい事項というものは多かれ少なかれ存在するものである。
今回は「武器軟膏」という17世紀に起きた医療的誤謬を参考にチームメイトへの指摘の仕方を学んでいこうと思う。

「武器軟膏」という誤謬について

「武器軟膏」というものがある。
17世紀の英訳された魔術の手引書に記載されていた内容によると「軟膏を傷口には塗らず、刃物で負傷した際にその傷を負わせた刃物に軟膏を塗ることで傷口を治療出来る」という優れものである。
そんなことが起こるはずない…というのは科学の信奉者である現代の我々から見れば当然のことである。
しかしながら、当時の対称実験の中で以下のような効果が認められている。

負傷した兵士を無作為に2つのグループに分け、一方には当時一般的に使われていた傷薬を、もう一方には武器軟膏での治療を行いました。その結果、「武器軟膏」で治療を行った兵士のほうが、明らかに傷の治りが早かったのです。

奇書の世界史 三崎 律日 より孫引き…

つまりは「武器軟膏」での治療が”科学的エビデンス”に基づいた行いであり”理性的な判断”であることが皆様にもお判りいただけたと思う。
というわけで、明日から刃物で傷を負った際には傷口ではなく、傷を負わせた刃物に軟膏を塗っていこう!本日はありがとうございました!
……とは当然のごとく行かない。何故上記のような実験結果が起きたかを説明しよう。

当時一般的に使われていた傷薬は「ワニの糞」や「マムシの油」など、極めて不衛生なものを主原料としており、人間の自己治癒力=傷口に何も塗らない武器軟膏のほうが圧倒的にマシだった、というのがオチである。
つまりは先ほどの実験の中で「何も薬を使わない」という対象群を用意していれば、原因を特定できたのかもしれない。

「デュエリスト」への指摘方法を「武器軟膏」から学ぶ

ぼくはこの話を見ると「なんだかあったけぇ話だな」と思ってしまう。
正直そんなことはないと思うんだけど、当時「不衛生な傷薬(一般的な傷薬)」を使用することを嫌だな~と思う医者がいたとして、でも患者の要望や世間の目としては傷薬を塗らないなんてヤブ医者だと思われるからしぶしぶ塗っていたとする。
でも「武器軟膏」という新しい概念があれば、傷薬を塗らずに済むし、それが患者のためにもなるのなれば「武器軟膏」というものの効能が嘘でも別にいいんじゃないかなという気がする。
こういった例は現実にもある気がして、
例えば「ひたすらにマイナスを生み出している誰かの行動」を止めたいとき「その行動をやめろ」というよりも「別にしてほしいことがある」と頼んだりすることは、もしかしたら有効…かもしれない。「別にしてほしいこと」に何も意味がなかったとしても、そこには「誰も傷つかずにひたすらにマイナスを生み出している誰かの行動」を止める効能がある。
それこそが「武器軟膏」の真の目的…というのは過言だろうが、頭の隅に置いておくのもいいかもしれない。

というわけでぼくもこれからは『VALORANT』においてAメインをピークしてはひたすらに殺されるジェットに対して「Aメイン顔出さないで貰っていいですか?」ではなく「ミッド守ってもらえると嬉しいです!」と言うことでポンコツデュエリストの機嫌を損ねないようにしようと思う。

なお、本記事に使用している「武器軟膏」の話に関しては以下の書籍を参考にした。
動画もあるみたいなので、みんなちゃんと見るように!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?