達成、からの解放。
9ヶ月ぶりにオーディションというものを受けに行った。
12月に東京に行って以来、3時間以上の高速バスに乗るのはとても久しぶりで、ああこんな感じだったなあと思い出す。思ったより楽に乗っていられて意外だった。人が少ない席を選んだおかげだろうか。
去年出演したサファリ・P×トリコ・Aの『PLEASE PLEASE EVERYONE』中、自分に大きく失望するところがあって、世の中の演者と呼ばれる人達と肩を並べるのが恐れ多くなってしまい、そもそもWSやオーディションに行くことをさけていた。私なんかが同じ場所に立っていいような人達ではないという思いだけがあって、演劇やりたいなと思う気持ちさえ薄れていった。
今年の夏になって、そういえばそろそろ演劇したいかもと思い出す。別に稽古がなくても私は今平凡に幸せだ。刺激なんてほとんどなくて、とても平凡に幸せ。私の悪い所、良い所、私の人生がこういう感じになった所以は、刺激を求めてしまうこと。
私は平凡が好きじゃない。
自分自身が平凡で何に対しても中くらいで、特徴のない人間だと思って生きてきたからか。普通だねと言われるのを極度に嫌うところがあった。逆に、「変わってるね」は私にとって割と上位の褒め言葉だ。人と違っていたい。特徴的でありたい。そう願えば願うほど、私は『普通』に埋もれていく。
『普通』という言葉を使わなくなったくらいから私は自由に息を出来るようになった気がする。今でも『普通』という言葉は私の敵対エリアにいるけれど、もう別に嫌いじゃないよ。
そんな感じで平凡に幸せだけど、やっぱり刺激が欲しいなと思ってしまう。だから苦労するんだぞ。
そんな時今回のWSオーディションを見つけた。
なぜ北海道旅行の一週間後にわざわざまたいわき(福島県)まで行ったかというと、「柴幸男がいたから」。
私は柴さんのWSもしくはオーディションの時が唯一、オーディション中に眠くなる(いい意味で)。去年の新潟公演の無念さゆえか、今まではほんとに結果よりもとりあえず柴さんと演劇できる時間があることが幸福だったのに、欲が出てしまって、受かりたいと思ってしまう。罰当たりが!
欲が出ると力んでしまって、力んだ時はだいたい上手くいかないし楽しくない。柴さんのWSで楽しめないとかそんなの嫌じゃん。
まあ今回もちゃんと楽しかったけど。
志望動機を話している時、私は『わが星』になってこそ初めて『わが星』から解放されるのかもしれないとふと思う。なんの脈絡もなくふとそう思ったのでどういう意味なのか自分でも分からないけど、なんかそんな気がする。
そんなこんなで今いわきから中継地の東京に向かうバスの中でこれを打ってるんだけど、いわき、全然いわき感あること出来なかった。ピビンバ食べてカラオケ行ってスタバ行ってアーノルド・ローベル展観ただけ。そんなのどこでも出来るじゃん。フラダンス部の発表会かなんかあるのかなーみたいな学生たちには遭遇したけど、フラガール達に会いたかったし鳴き砂みたかったし、思ったより海遠いし。私いわきグルメみたいなのも食べてない。
また戻って来れるだろうという願いを込めて、何もせず帰ってきた。
アイルビーバックいわき。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?