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モバイル時代の広報チラシのあり方

冒険家の皆さん、今日もギガクロスブレイクで敵を一気に倒していますか?

先ほどツイッターで日本語教師チャットが終わったところです。今月もご参加くださった皆様ありがとうございました!

今回は「まっちゃん」さんがご提案くださった「日本語教師の未来像」というトピックのもとに、年末にもかかわらず多くの方が投稿して下さいました。

さて、この日本語教師チャットも含め、 Twitter では画像を使った広報活動などがよく行われております。ところが、画像を使った広報は相手の環境を尊重しないとあまりよくないんじゃないかと思い始めました。というのも、日本語教師チャットのポスターも含め、パソコンの大きな画面で見てもらうことを前提にしているようなケースがよくあるからです。僕自身も今回の Twitter の広報画像を作った時はパソコンを操作していたのですが、 普段 Twitter などを見る時はほとんどパソコンではなくモバイルのスマートフォンやタブレットを使っています。

それでちょっと心配になって、皆さんがどのぐらいの割合でモバイル部屋パソコンからアクセスしているのかをアンケートしてみました。その結果がこちらです。


これには驚きました。
モバイルの方が多いだろうということはもちろん想定していたのですが、まさかパソコンが5%を切っているとまでは思っていなかったのです。
ちなみに日本の全体的な統計については総務省が調査をしています。

総務省|平成30年版 情報通信白書|インターネット利用の広がり
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h30/html/nd142110.html

この調査では特に利用状況別の統計はないのですが、特に Twitter などのように仕事中はあまり使わない人が多い媒体では、この統計よりもさらにモバイルの割合が増え、今回のアンケートのような結果になるのかもしれませんね。

ここまでパソコンが少ないことを考えると、ポスターを画像をファイルで共有する時に、パソコンを前提にしていると、大きな問題が出てきそうです。例えばこれは、今回の日本語教師チャットの質問の一覧をまとめたものです。

日本語教師チャットの質問の一覧
https://twitter.com/Midogonpapa/status/1210693786491215872

これもスマホでは字が小さすぎて、読めない人が多いですよね。そのためには左側の画像などは削除してしまって、文字をもっと大きくする必要があったのではないかと思います。

その他にも、ここから考えなければいけないことはいくつかあります。

一つは画像の中にリンクや QR コードを入れてもあまり意味がないということ。というのも、モバイルにはあまり使いやすいキーボードがついていないし、複数のアプリをいったりきたりするのも面倒なので、その画像に書いてある URL をブラウザのアドレスバーに打ち込むというのがとても大変なのです。

また、パソコンでそのポスターなどを見ている場合はその画面をモバイルでスキャンして QR コードのリンクを開くことができますが、もともとモバイルでその広報ポスターを見ている場合は特別なアプリなどを入れない限りそこに表示されている QR コードを開くことはできません。つまり画像のポスターにリンクや QR コードが印刷されてあっても、それが画像ファイルである限り、モバイル環境ではそのリンクを開くことはできないのです。

この点は、画像ではなくて PDF で保存してシェアすればURLがリンクとして機能するので、解決できます。ただし今度は別の問題が出てきます。 PDF の場合は、一行あたりの文字数などが固定されているので、パソコンで読むことを前提に作られた PDF の場合は、モバイルの画面で読むと文字が小さすぎて、特に僕のような世代の人間にはとても読みにくいのです。もちろんいちいちピンチアウトすれば読めないこともないのですが、かなり面倒くさいですよね。

PDF のように一行あたりの文字数が固定されているレイアウトのものを、電子書籍などでは「固定レイアウト」などと呼ぶことがあります。反対に、画面の大きさに合わせて一行あたりの文字数が変化したりするものは、「リフロー型」と呼ばれています。

今のように、パソコンとモバイルが混在している状況では、広報資料などはリフロー型のウェブページにしたほうがいいかもしれませんね。 Google サイトや Google ドキュメントで広報資料を作れば、このような問題は解決できます。 両方ともリフロー型なので、 パソコンで開けば普通の書類のように一行あたり40文字ぐらいで改行されますが、モバイルで読むと1行あたり15文字で改行されるように柔軟に表示方法を合わせてくれます。

今回は Twitter 上での広報チラシについて考えてみましたが、日本語教師と日本語の学習者の間にも、こうした認識のズレはあるのではないかと思います。 教師の方が学習者に対して「パソコンぐらい使えるだろう」という認識のもとに、広い画面で見ることを前提にした宿題などを出してしまうと、実際にはモバイルデバイスしか使える状況になく、学習者がそれに合わせようとして苦労してしまうというようなことも考えられるのではないかと思います。

そして冒険は続く。

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【参考資料】
総務省|平成30年版 情報通信白書|インターネット利用の広がり
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h30/html/nd142110.html

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