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WakeletとPadlet

冒険家の皆さん、今日もラクダに揺られて灼熱の砂漠を横断していますか?

さて、最近よく名前を聞くようになってきた Wakelet を触ってみました。直接のきっかけはハワイ在住の日本語教師、Elena Yooさんがコースの最後の日に来年の受講者に向けてアドバイスを現在の受講者からWakeletを使って集めていたことです。名前はよく聞いていたのですが実は実際にWakeletの成果物を見たのはこれが初めてでした。

それで一度しかまだ使っていないので浅いところもあるかもしれませんが、今日は自分のための備忘録として書いておきたいと思います。

【両者の違い】

まず僕にとって一番大きな違いは、Wakeletでは無料で何枚もウォールを作ることができるということです。ウォールというのは参加者がそれぞれの成果物や作品などを共有する場です。一つのウォールにはそれぞれ固有の URL ができます。

このウォールを Padlet は無料版では3枚しか作ることができません。といっても、PadletはPDFなどで保存する事もできるので、終わったら保存するという形で使い回しをしながら、3枚でも何とか使い続けることはできます。というか、僕もそうしています。ただPadletで保存できるのは文字と静止画像のデータのみで、音声や動画などは保存することができません。つまり、長く閲覧することを前提に音声や動画などの形式の成果物を共有する場合は、Padletの 有料版かこのWakeletを使うことになると思います。

次に、 上記の音声や動画の共有の簡単さについてですが、これは Padlet でやるほうが敷居が低いです。というのも、Padlet の場合はサイト自体に録音や録画の機能が付いているのです。一方で Wakelet の場合は、自分で別個に録音や録画などをしてそれを Google ドライブなどにアップロードし、そのリンクを共有する形になります。ですので ICT に慣れていない参加者が多い場合は、WakeletよりもPadletの方がいいでしょう。

学習者同士のコラボレーションに関しても、現状では Wakelet よりもパドレットの方が高機能のようです。どちらも URL を共有すれば全員がアカウントを作らずに投稿をすることができますが、 Padlet の方はさらにそれぞれの投稿についてコメントすることができます。 Wakelet の方は自分で投稿することはできますが、他の人の投稿に対してコメントをする機能は見当たりません。

Wakelet の方が優れている点としては、リンクを張った時のサムネイルが美しいということが挙げられるでしょう。 Instagram や YouTube などはコンテンツがそのまま Wakelet のページで表示されます。僕が試しに作って公開してみた以下のリンクをご覧ください。
https://wakelet.com/wake/hcfpEG935sk9b4-egmUm5

【使い分けの例】

ここでは、使い分けの例として実際にありそうなケースを想定してみました。

ケース1
「あくまでも一つの課の達成度の評価として、作文や自分で話す動画や音声をクラスで共有する。教員からの評価の他に、他の学習者からの相互評価も受け付ける。」

この場合は、長く残す必要もなく、かつ他のツールやアカウントなどもわざわざ作らせる手間を省く為にもPadletの方がいいでしょう。学習者の投稿に他の学習者がコメントする機能もあるので、相互評価にはPadletの方が効果的でしょう。評価が終わったら、PDFに保存することもできます。その場合は音声や動画などは保存されません。

こうしたケースで Wakelet を使おうとすると、 それぞれ録音したりアップロードするための他のツールやアカウントなどが必要になるので、そのフォローが教師としては非常に煩雑になることが予想されます。 また他の学習者の投稿にコメントする機能はないので、相互評価には向いていません。「いいね」ボタンはありますが。

ケース2
「毎週トピックの違う作文を学習者に書いてもらい、それを世界に対して発信する。」

こうした場合は Wakelet の方がいいでしょう。なぜかと言うと、無料でも上限なくたくさんのウォールを作ることができるからです。毎週使っても心配ありません。 前にも書いたように Wakelet では音声や動画の共有はちょっと面倒ですが、作文なら非常に簡単です。

ケース3
「Instagram や YouTube などから教材を集めてリンク集を作る。」

これも間違いなく、 Wakelet の方がいいと思います。なぜならリンクを開かなくてもサムネイルなどで 、 Wakelet のウォールの上で内容を確認することができるからです。

今日は僕が1時間だけ使ってみた Wakelet の使い勝手を Padlet と比較してみました。まだまだ他の使い方もあるかもしれませんが、何か間違いに気が付いたら内容を更新していこうと思います。

【来週のハナキンPDでPadlet 体験会】

ところで、今日ご紹介したのは Wakelet ですが、比較の対象にした Padlet は来週の「ハナキンPD」でワークショップをしてみたいと思います。昨日の第1回 PD は僕が事前に作っておいたビデオを見ながら作業してもらったために、ハナキンとしてはかなり珍しい静かなブレイクアウトルームでしたが、来週は僕のウォールに皆さんで書き込んでもらったり、可能な人には音声や動画もアップロードしてもらおうと思っています。楽しい体験になると思いますのでぜひこちらからお申し込みくださいませ。http://bit.ly/hanakin_register

そして冒険は続く。

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【参考資料】
Wakelet
https://wakelet.com/

「How to be successful in Japanese 1」
https://wakelet.com/wake/E7Qlb4KFMZaTLI-eIdfXW
(Elena Yooさんのクラスの成果物です)

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