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2010年代を振り返る

冒険家の皆さん、今日も砂漠のオアシスで焚き火に当たりながら、乗り越えてきた数々の砂丘を回想していますか?

日本では紅白歌合戦が放送されているころですね。この大晦日は2019年の終わりというだけでなく、2010年代の終わりという日でもあります。それでこのブログの10年前、つまり2009年の記事にざっと目を通して、気がついたことを書いてみたいと思います。世間では前年のリーマンショックの影響がまだ強く残ってはいたものの、テレビアニメ『けいおん!』とか村上春樹の小説『1Q84』が人気だった頃ですね。

著しい生産性の向上

読み返して一番最初に気がつくことは、非常に生産性が低かったということです。 記事の数も少ないし、それぞれの記事も非常に短いのです。これはもちろん僕の文章力が向上したということではなく、単に音声入力を使うことによって文章を作る生産性が高くなったということだと思います。

(と書いてから投稿直前に思い直したのですが、もしかしたら文章を書く能力を伸ばすことにも「量」が関係していて、音声入力を使って自由自在に大量の文章を書くことが可能になったことによって、その「量」が文章力を向上させるという面はあるかもしれませんね。 )

スマホの普及

次に、今となっては信じられないような気もするのですが、2009年の当時、僕はスマホを持っていませんでした。2010年代に入ってすぐに初めてのスマホを買ったのですが、その時もなんだか「こんなものを買っていいんだろうか」とドキドキしながら迷っていたのを覚えています。今では当たり前のようにお風呂の中でスマホでブログを書いたり本を読んだりしていますが、これも生産性が大きく伸びた一つの理由ではないかと思います。

クラウド型のパソコンの登場

三つ目に、まだインストール型のコンピューターを使っていたというのも大きな違いです。当時はマイクロソフトの Windows 7という OS が入っていたパソコンを使っていました。その前のバージョンのWindows Vista というバージョンが非常に使いにくくて、Windows 7のパソコンを買った時に、「Microsoft の OS が入っている Windows を使うのはこれで最後にしよう」と決めました。そしてその Windows 7のパソコンには基本的にChrome以外のソフトは何も入れず、全てクロームだけでできる環境を整えていきました。動画などのデータもディスクに入っているものを除いて、全てオンラインに保存することにしました。こうして Chrome 以外のソフトを使わない環境が整ったところで起きたのが、エジプトの革命とクーデターです。2013年のクーデターによる緊急退避の後、僕はエジプトに戻ることなく任期を終えてしまったのですが、脱出の際に Windows のパソコンはセキュリティのため破壊していきました。それ以降、職場で Windows のパソコンをあてがわれることはありますが、個人としてはずっとクロームブックを使っています。

日本語教育の多様化

四つ目に、仕事としては文型シラバスを一斉授業で行うのが「これじゃない」というのはもう明らかに感じていましたが、まだヨーロッパで仕事をする前だったので行動中心アプローチに関しては表面的な知識しかなく、実際に教えた経験はありませんでした。その後、行動中心アプローチが使われている現場で授業をする機会にも恵まれましたし、自律学習のコースを自分で企画して、担当することもできました。この10年間で学んだことの一つとして、このように日本語教育の多様なあり方について自分で体験することができたのは大変ありがたく思っています。

オンライン授業の普及

五つ目も仕事に関するものですが、僕のブログで初めて日本語のオンラインスクールについて触れたのが2007年の記事です。小池慶さんのJ-OSについてご紹介させていただきました。しかしまだ自分自身ではオンラインの授業をしたことがなく、たまたま今朝の Facebook もフィードで見たのですが、僕が初めてオンラインのクラスを募集しはじめたのが2012年の12月30日で、「本当にオンラインで日本語を勉強したいという人が応募してくれるのだろうか」と、これも非常にドキドキしていたのを覚えています。つまり10年前には、非常に先進的な機関だけがオンラインの授業していて、今のようにどこでも普通にオンラインで授業ができるという状況ではなかったわけですね。

このように書いていて思い出してきたのですが、 僕は2010年にエジプトに派遣されるまで、守りに入っていた時期が長く続いていて、 確かその頃スティーブジョブズのスタンフォード大学での有名なスピーチを聞いた影響などもあり、エジプトでの仕事が僕の人生の最後の仕事になってもいいように、やりたいことを全てやってしまおうと思ったのです。そしてもちろん周りの皆さんのご協力があってこそなのですが、実際に「本当にこんなことをしても大丈夫なんだろうか」などと思いながらも、向こう見ずに挑戦してきました。

もし、これからも基金で仕事をするとしても、フルに10年間働けるのは次の2020年代が最後です。次の10年間も新しい時代を切り開くべく、リスクを取りながら挑戦していきたいと思っています。

そして冒険は続く。

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【参考資料】
むらログ: ハードウェアからの解放、それがクラウド
http://mongolia.seesaa.net/article/372306114.html

むらログ: 日本語のオンライン授業
http://mongolia.seesaa.net/article/33707956.html

むらログ: スティーブ・ジョブズのスピーチをインタラクティブな英語教材にしてみた。
http://mongolia.seesaa.net/article/92744005.html

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