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オンラインで作文の添削をしましょう【学級閉鎖対策】

冒険家の皆さん、今日もラクダに揺られて灼熱の砂漠を横断していますか?

さて、昨日のこのブログの記事では、伝染病が流行して学級閉鎖になってしまった場合、教室活動の代わりにどのようにビデオ会議システムを使えばいいかということを書きました。このように同じ時間に集まって作業をするものを同期型のコミュニケーションと言ったりすることもあります。それではわざわざ同じ時間に集まらなくてもいい種類の活動はどうすればいいでしょうか。
典型的なのが作文の授業です。もちろんピアライティングなどのように複数の学習者が共同して行う作文のタイプもありますが、この場合も個人が書いた後で他の学習者が読んだりするパターンが多いですから、特に時間を合わせたりする必要はありません。

教師が添削する場合でも、あるいは他の学習者がコメントしたりする場合でも、 Google ドキュメントの共有を使うととても簡単です。学校で利用するには主に二つの方法があります。一つは最初にファイルを作った学習者が、他の人も同じように編集できるモードで共有するタイプです。もう一つは、編集する権限はオリジナルのファイルを作った学習者で、共有してもらった相手はコメントをするだけというタイプです。

この二つのタイプの共有方法について、それぞれ操作画面を録画したビデオを撮影しましたので、ぜひご覧ください。

【編集モードで共有してもらい、提案モードで添削】

最初にご共有するのは、 他の人も同じように編集できるモードです。
学習者にお願いするのは次の7点です。
1. Chrome でアドレスバーに「doc.new」と入力して新しい Google ドキュメントを作成します。
2.そこに作文を書きます。
3.完成したら右上の青い「Share」というボタンを押します。
4.「Get shareable link」をクリックします。
5.共有相手の権限を「can edit」にします。
6.「Copy link」をクリックします。
7.そのリンクをチャットなどで教師が他の学習者に送ります。

このリンクを教師がチャットなどを通して送ってもらったら、添削するために教師がやることは以下の通りです。
1.インターネットブラウザーの Chrome で新しいタブを開きます。
2.アドレスバーにリンクをペーストして enter キーを押します。
3.左上の編集モード(鉛筆のアイコン)をクリックして 「Suggestion」(提案)モードを選びます。
4.この状態で学習者の書いた作文の中の間違っている部分を削除し、修正するべき内容を入力します。

この方法はどのように修正すべきかを教師が理解していて、主導的に添削する場合にはいいのですが、一方で学習者の代わりに手を入れてしまっているので、学習者の主体性が損なわれてしまっているという問題があります。

【コメントモードで添削】

学習者の主体性をもう少し尊重したい場合はコメントモードで共有してもらい、教師はあくまでもコメントするのみに留まるという方法があります。

教師がコメントだけするような形で共有してもらうには、学習者に以下のようにお願いします。
1. Chrome でアドレスバーに「doc.new」と入力して新しい Google ドキュメントを作成します。
2.そこに作文を書きます。
3.完成したら右上の青い「Share」というボタンを押します。
4.「Get shareable link」をクリックします。
5.共有相手の権限を「can comment」にします。
6.「Copy link」クリックします。
7.そのリンクをチャットなどで教師や他の学習者に送ります。

要するに、学習者にお願いすることの中で、先ほどの例と違うのは5番だけです。
一方で教員の側は少し違います。

1.インターネットブラウザーの Chrome で新しいタブを開きます。
2.アドレスバーにリンクをペーストして enter キーを押します。
3.学生の書いた作文が表示されますが、編集はできません。不自然な日本語の部分など、コメントしたい部分をマウスで選択します。
4.その行の一番右端に、吹き出しの中に「+」の字が書いてあるアイコンが表示されますからそれをクリックします。
5. そこに質問や、あるいは修正すべき候補などを コメントします。

コメントモードの場合は、コメントされた後で学習者は対応しなければなりません。もしコメントを理解して、コメント通りに修正する時は「resolve」もしくは「解決」というボタンを押します。このボタンが押されると、コメントした教師の所にもメールで通知が届きます。もちろん学習者は教師の提案通りに修正する必要はありませんし、教師のコメントが理解できなかったら、それに対して質問を返信することもできます。

【人類は進歩した】

さて、繰り返しますが、僕は感染症、というか医療の関係者ではありませんので、今回のコロナウイルスの流行がパンデミックに発展するかどうかはわかりません。ただ、こうしたオンラインで授業ができるという選択肢を持っておくことは、他のありとあらゆる災害や政変などの緊急事態において、学習者を危険にさらすリスクを減らすことができます。

そして、 2009年の新型インフルエンザのパンデミック宣言の時に比べて、人類はこうしたオンラインの授業ができる、はるかに進化した環境を手に入れているということも忘れてはいけません。昨年末のブログにも書きましたが、2009年の当時、僕はまだスマートフォンすら持っていませんでした。しかし今では学習者の多くがこうした優れた学習環境を肌身離さず持ち歩いています。持っていない学習者も中にはいるかもしれませんが、そうした学習者は学校に来てアクセスすれば、クラスメイト達がいないので感染するリスクははるかに減らすことができます。

免疫力は特に上がっていないだろうとは思いますが、僕たちは今やこうしたテクノロジーで感染の爆発を遅らせることができるようになっているのです。 もし実際の使い方がわからないという方は、日本時間で今週土曜日の朝9時から行われる「#ブレイクアウトの大冒険」にぜひご参加ください。元々は学級閉鎖に備えるための企画ではなく、100人のクラスでも効率的に会話のアクティビティができるのではないかと言う効率性を検証するためにも、日本語以外の科目を教えている先生方も大歓迎です。というより、効率性を検証するには人数がもっと必要なので、教育関係者でない人も大歓迎です。Zoomを体験してみたいという方もぜひご参加ください。

そして冒険は続く。

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【参考資料】
むらログ: 感染爆発による学級閉鎖にそなえよう
http://mongolia.seesaa.net/article/473309748.html

むらログ: 学級閉鎖対策としての初心者のためのZoom入門
http://mongolia.seesaa.net/article/473333238.html

むらログ: #ブレイクアウトの大冒険
http://mongolia.seesaa.net/article/473275599.html

むらログ: 2010年代を振り返る
http://mongolia.seesaa.net/article/472898650.html


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