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Advanced Squad Leader (ASL) 勝利への道:コラム ― 【前回のコラムの実践編】事前にメモってプレイの時短をはかって、より充実したプレイを実現し、ついでに技量も上げる

前回のコラムから引き続いて、より具体的にどうするかという、いわば実践編について今回は話を進めましょう。

昨年11月に刊行された『ボードゲームで社会が変わる』のなかで、著者の小野卓也さんは、

ボードゲームファンの間では「勝ちにこだわり過ぎるプレイヤーは、実際の人生で負けている」といったジョークがあるんです。

と書いています。

「勝ちにこだわり過ぎる」というのは、ゲームにエネルギーと時間を注ぎすぎているとも言い換えられそうです。

人生を勝ち負けで論ずることの是非はさておき、ゲームを頑張って消耗したせいで、人生の諸々が疎かになってしまうのは、ちょっと考えものなのは同意です。

ASLだけでなく、「重ゲー」といわれるゲームは、ルール習得といったプレイ以外のことに、やばいくらいエネルギーと時間を要します。

ここを、いかに節約・効率化できるかが、成功した人生を送るカギとなります。

……と同時にプレイをより充実させ、技量を向上させるカギともなります。

先日の対面戦では、ノートパソコンに表示されているIIFT表などチャート類を見ながらプレイしました。3分間キー操作がなければモニターがブラックアウトする設定になっていて、(設定の変更方法をど忘れした自分は)頻繁にEnterキーを押してから、チャートを確認するという、煉獄のようなタスクを繰り返して、ちょっぴり疲弊しました。

ここで言いたいのは、プレイの当日はノートパソコンでなく紙にプリントしたものを見よとか、事前にディスプレイの設定を変えておけ、という話ではありません。

そもそも論として、プレイ中にチャート類を見る回数が多すぎるし、チャート内のあちこちに目を這わせる時間も長いということです。

それはもちろん前々から分かっていた自明のことですが、今回の体験から、チャートの参照時間がいかにプレイ時間を蝕んでいるか、そしてプレイの充実さを損なっているかを、よくよく実感させるものでした

それで前回のコラムを、半ば衝動的に書いたわけです。

ただ、あの内容ではちょっと不明確で雑なので、もう少し深堀りしていきましょう。

さて、IIFTは、横40列、縦15行、600もの欄があります。

ですが、実際の対戦では、確認する列は限られるはずです。例えば、BLOCK BUSTING IN BOKRUISKのソ連軍の初期配置歩兵は、固有FPが4か6。MGはLMG(2FP)、HMG(6FP)。4-4-7分隊にMGを持たせると決めたなら、FPは4、6、10だけとなります。スタックやFGで撃つ、釘付け状態で撃つなどあるので、FPのバリエーションは増えますが、基本3つのFPがメインです。まずこれを押さえておきます。

次に、FPは主にどれだけ修整を受けるかを考えます。マップを見れば、石造建物が目立ち、ドイツ軍歩兵は大概ここにいるでしょうから、+3DRMがメインとなります。

そこで、4、6、10のFPそれぞれについて、+3DRMでCTC(好みでNMC)以上の結果を敵に与えるのに最低限必要な出目を確認します。つまり、DRは4、5、7となります(10FPのHMG分隊の場合、9-2指揮官をスタックさせるでしょうから、それを加味すると9となります)。

これを確認した時点で、4FPで石造建物にいる敵に有効打を与えるのは、かなり難しいと判断できます。なので、プレイする前に「敵SANが0に低下しない限り、4FP以下では石造建物にいる敵を撃たない」と最初から決めてしまうのもアリです。おかげで対戦時にIIFTを見ながら、「え……と、4FPで撃つとDRはいくつ以下ならいいのかな」などと思案する必要がなくなり、時短をはかれます。

逆にもし「数うちゃ当たる」の方針で、4FPでも撃つのであれば、「4以下で有効打」とだけ覚えておきます。実際にDRが2、3、4となった時にIIFTを参照します。DRが5以上ではIIFTを見る必要はないので、そのぶん時短をはかれます

※4FPは、どのシナリオでも頻出するので、この列自体を暗記してしまった方がいいかもしれませんね。

同様のことがAFVの砲撃にも言えます。BLOCK BUSTING IN BOKRUISKのソ連軍の初期配置AFVは、85mmと152mm口径の自走砲です。移動してから前進射撃で石造建物にいる歩兵に撃っても、まず当たりません。それでも撃つとしたら、捕捉マーカーをつけるのが目的となりますが、目標が捕捉マーカーの追尾していけないヘクスに移動すると予見できれば、撃つ意味がなくなります。

なので、「前進射撃はしない」とあらかじめ決めておくのもアリです。

では、準備射撃や防御射撃として撃つ場合を考えてみましょう。まず、歩兵目標の射撃とするか、地域目標の射撃とするかを、あらかじめ方針として決めておきます。

歩兵目標の場合、基本THは8。BU(+1)、石造建物(+3)のDRMで、4以下で命中となります。接近すれば、5~6以下になりますが、パンツァーファウストを持っているかもしれない敵に、そこまで接近したくはないはずです。よって「4以下で命中、命中したら12以外で何らかの効果あり」とメモしておけばいいわけです。

地域目標の場合、基本THは7。BU(+1)のDRMで、6以下で命中となります。しかし、IIFTで+3 DRMが発生します。このシナリオに登場する自走砲の口径は85mmと152mm。IIFTでは、8と15の列となります。+3 DRMを加味すると、それぞれDRが6、8でCTC以上の結果を与えられます。よって「6以下で命中、6(または8)以下で何らかの効果あり」とメモしておけばいいわけです。IIFT DRで7(または9)以上が出たら無視です。

同様に、士気チェックや回復など、さまざまな事象についても、こうしたやり方で、メモっておくといいでしょう。そして対戦日の前の晩や当日の移動時に目を通しておきます。

このメモ作成の作業自体が、それなりに労力が要るので、以下テンプレを作成しました。これらをコピペし、シナリオに応じて、また自分なりにアレンジして活用するといいでしょう。続けていくと、そっくり暗記してしまい、よりプレイがスムーズになり、脳内エネルギーも余裕が出て、技量も上がります♪

★    ★ ★

回復フェイズ
風の判定でピンゾロ:
・無風なら再度drで1~4は無視。5か6なら弱風になって風向判定dr。
・弱風ならB25.65参照
風の判定で6ゾロ:
・火災、炎上する残骸、『煙幕』がなければ無視。

林/建物にいるDM状態の歩兵の自己回復:
・士気値4~5→ピンゾロ(昇進)のみ
・士気値6→3以下
・士気値7→4以下
・士気値8→5以下
・士気値9→6以下

準備射撃/防御射撃フェイズ
FPが+ DRMでNMC(CTC)以上の結果を出すには→修整前DRが 以下
FPが+ DRMでNMC(CTC)以上の結果を出すには→修整前DRが 以下
FPが+ DRMでNMC(CTC)以上の結果を出すには→修整前DRが 以下
FPが+ DRMでNMC(CTC)以上の結果を出すには→修整前DRが 以下
FPが+ DRMでNMC(CTC)以上の結果を出すには→修整前DRが 以下
FPが+ DRMでNMC(CTC)以上の結果を出すには→修整前DRが 以下
FPが+ DRMでNMC(CTC)以上の結果を出すには→修整前DRが 以下
FPが+ DRMでNMC(CTC)以上の結果を出すには→修整前DRが 以下
FPが+ DRMでNMC(CTC)以上の結果を出すには→修整前DRが 以下
FPが+ DRMでNMC(CTC)以上の結果を出すには→修整前DRが 以下

(AFV名称)が、煙幕を命中させるには→修整前DRが 以下
(AFV名称)が、煙幕を命中させるには→修整前DRが 以下

(AFV名称)が、距離 ヘクスの歩兵(車両or地域)目標に+ DRMで命中させるには→修整前DRが 以下
(AFV名称)が、距離 ヘクスの歩兵(車両or地域)目標に+ DRMで命中させるには→修整前DRが 以下
(AFV名称)が、距離 ヘクスの歩兵(車両or地域)目標に+ DRMで命中させるには→修整前DRが 以下
(AFV名称)が、距離 ヘクスの歩兵(車両or地域)目標に+ DRMで命中させるには→修整前DRが 以下
(AFV名称)が、距離 ヘクスの歩兵(車両or地域)目標に+ DRMで命中させるには→修整前DRが 以下
(AFV名称)が、距離 ヘクスの歩兵(車両or地域)目標に+ DRMで命中させるには→修整前DRが 以下

移動フェイズ/前進射撃フェイズ
(AFV名称)が移動して、距離 ヘクスの歩兵・車両に命中させるには→修整前DRが 以下
(AFV名称)が移動して、距離 ヘクスの歩兵・車両に命中させるには→修整前DRが 以下
(AFV名称)が移動して、距離 ヘクスの歩兵・車両に命中させるには→修整前DRが 以下
(AFV名称)が移動して、距離 ヘクスの歩兵・車両に命中させるには→修整前DRが 以下

歩兵が4PPのSWを持って指揮官とスタックして移動した場合、MFは6。
歩兵が5PPのSWを持って指揮官とスタックして移動した場合、MFは5。
歩兵が5PPのSWを持ってCXになって移動した場合、MFは3。

(車両名)の乗降車/蹂躙の必要MPは、MP
(車両名)の乗降車/蹂躙の必要MPは、MP

自動火器ボーナスのFPは:
敵が確認状態で自身は釘付け状態でないなら、
・固有FPが5FPなら
隣接ヘクス→6FP
2ヘクス~→4FP

・固有FPが6FPなら
隣接ヘクス→7FP
2ヘクス~→4FP

・固有FPが8FPなら
隣接ヘクス→9FP
2ヘクス~→5FP

敵が隠蔽状態または自身が釘付け状態で、
固有FPが5FPなら
隣接ヘクス→4FP
2ヘクス~→3FP

固有FPが6FPなら
隣接ヘクス→4FP
2ヘクス~→3FP

固有FPが8FPなら
隣接ヘクス→5FP
2ヘクス~→3FP

敵が隠蔽状態かつ自身が釘付け状態で、
固有FP(5~8FP)にかかわらず
隣接ヘクス→3FP
2ヘクス~→2FP

ECを加味して、延焼するには
木造建物は 以上
石造建物は 以上
林は 以上
繁みは 以上
麦畑は 以上

白兵戦フェイズ
こちらが不意打ちに成功するには:
・こちらが-1 向こうが+0 あるいは こちらが+0 向こうが+1なら
→こちらのdrが1で向こうが3以上
→こちらのdrが2で向こうが4以上
→こちらのdrが3で向こうが5以上
→こちらのdrが4で向こうが6のみ

・こちらが+0 向こうが+0なら
→こちらのdrが1で向こうが4以上
→こちらのdrが2で向こうが5以上
→こちらのdrが3で向こうが6のみ

・こちらが+1 向こうが+0なら
→こちらのdrが1で向こうが5以上
→こちらのdrが2で向こうが6のみ

・こちらが+2 向こうが+0なら
→こちらのdrが1で向こうが6のみ

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