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パステルカラーの“アイドル花”

花ごよみ by Ocarina ⑤ 「赤いスイートピー」

日本人が好きな花は一般的に“軽白淡小”といわれます。

濃艶な花より、小さくてかわいい、淡い色調の花が好まれるようです。1月に出荷の最盛期を迎えるスイートピーはその代表といえるでしょう。

春らしい多彩なパステルカラーとフリルのような花びら、そしてかぐわしい香り──10代の女性アイドルみたいなかわいらしさです。

こうしたイメージはデビューしたころの松田聖子さんとかぶっています。

「裸足の季節」で1980年に歌手デビュー、2作目の「青い珊瑚礁」が大ヒットして一躍、女性アイドルのトップへと駆け上がりました。

“キャンディ・ボイス”といわれた伸びやかな歌声、華奢な身体にフリフリの女の子らしいワンピース、さらにフワフワの“聖子ちゃんカット”! 時折り当時の映像をみると若い女の子は揃って聖子ちゃんカットです。

とはいえ、圧倒的に男性ファンが多かった松田聖子さんに、女性ファンも増えるきっかけとなったのが「赤いスイートピー」です。

1982年1月21日の発売。作詞・松本隆、作曲・呉田軽穂。「呉田軽穂」は、ユーミンこと松任谷由美さんのペンネーム。彼女の起用を発案した松本さんが直々作曲を依頼したのですが、当初は渋っていたとのこと。

作曲家としてではなく名前(知名度)で選ばれることを嫌ったようで、当然でしょう。最終的にペンネームの使用を条件に引き受けたのでした。

ユーミンは、「誰が作ったか知らなくても、曲調だけで聴き手の心をつかめたなら、これほど作家冥利に尽きる事はない。そして本当にその通りになったのでとても充実感のある仕事でした」と、後に語っている。

(ウィキペディア)

気弱な彼に思いの丈をぶつける少女の気持ち──歌の世界はまるで少女マンガです。

(ocarinaゴロゴロさんのオカリナ演奏。SG管を使用しています)

ここから“ぶりっ子”批判も生まれたわけですが、松田聖子さんはそんなバッシングをものともせず1980年代を駆け抜け、気がつけば還暦を過ぎ、愛娘の死という悲劇を乗り越えて歌い続ける……すごいとしかいえません。

「夏の扉」「風立ちぬ」「瞳はダイアモンド」など数々のヒット曲のなかで「赤いスイートピー」はみんなの“記憶に残る”1曲であることは間違いないでしょう。

スイートピーはイタリア・シチリア島が原産。マメ科の植物で世界に約 100種。「春咲き」「夏咲き」「冬咲き」の3種類に分けられ、一般に切り花で親しまれているのは温室で育てられる冬咲き種です。

生花の通信配達大手「花キューピット」によると、スイートピーは1月の誕生花で、26日は「スイートピーの日」。花言葉は「門出」「優しい思い出」「永遠の喜び」で、花束、アレンジメント、ウエディングブーケなど「贈る花」として人気があります。

(「花ごよみ by Ocarina 」は月1回掲載)

「心の岸辺に咲いた赤いスイートピー」

「赤いスイートピー」 作詞・松本隆、作曲・呉田軽穂 昭和57年(1982)
   
春色の汽車に乗って海に連れて行ってよ
煙草の匂いのシャツにそっと寄りそうから

何故 知りあった日から半年過ぎても
あなたって手も握らない

I will follow you あなたに
ついてゆきたい
I will follow you ちょっぴり
気が弱いけど 素敵な人だから

心の岸辺に咲いた 赤いスイートピー

四月の雨に降られて駅のベンチで二人
他に人影もなくて不意に気まずくなる

何故 あなたが時計をチラッと見るたび
泣きそうな気分になるの?

I will follow you 翼の
生えたブーツで
I will follow you あなたと
同じ青春 走ってゆきたいの

線路の脇のつぼみは 赤いスイートピー

好きよ 今日までは
逢った誰より
I will follow you あなたの
生き方が好き
このまま帰れない 帰れない

心に春が来た日は 赤いスイートピー

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