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「音楽」という大きな海に抱かれて

いろんなところで「昭和歌謡」の魅力を吹聴しているから(?)か、嬉しいことに同好のオカリナ仲間が増えてきました。

先月、リーナ★リーナ元町教室水曜クラスの有志と開催した「第2回オカリナ&美味しい時間を楽しむ会」で、あえて「昭和歌謡」を公言して曲を披露された生徒さんがいたのです。

オカリナの澄んだ音色を生かして「夜明けのうた」を吹いていました。

私は一瞬、誰の曲だったか思い出せず、帰宅してからネットで検索したら、岸洋子(故人)のシングル(1964年)でした。

日本のシャンソン界において越路吹雪と人気を分け、「魅せる越路、聴かせる岸」と評価されていた。「夜明けのうた」「恋心」「希望」など、ヒットを連発する中、1970年9月下旬に膠原病を発症する。後遺症と闘いながらも歌手活動を続けていたが、1992年12月11日、57歳で死去した。
(ウィキペディア)

大ヒットした「希望」はよく覚えていますが、それ以外はまったく記憶にありません。膠原病に苦しんでいたことも知りませんでした。

たぶん、シャンソン・カンツォーネ歌手という肩書のせいでしょう。“洋モノ”が苦手でしたから、そもそも興味がなかったのだと思います。


女性作詞家の草分け・岩谷時子

「夜明けのうた」を検索してわかったのは「作詞・岩谷時子」ということ。

女性作詞家の草分けです。ポップスから歌謡曲、ミュージカルまで幅広い分野で活躍、数えきれないほどのヒット曲を残しています(2013年死去)。

人生をささげた越路吹雪(故人)との深い絆は有名ですが、私にとっては加山雄三さんとの出会いで生まれた数々の曲のほうが印象深いですね。

なにしろ、人生で初めて買ったレコードが「君といつまでも」ですから。

高度経済成長が始まった昭和40年代、加山雄三主演の「若大将シリーズ」が大人気で、当時、中学生だった私も父親と映画館へ足を運びました。

ついには父親にせがんで「君といつまでも」のレコードを買ってもらったのです。作詞・岩谷時子&作曲・弾厚作(加山さんのペンネーム)のコンビは数々の楽曲を世に送り出しており、その数、実に152 作。

加山さんはいまもカッコいいですが、青年のころは“海の男”らしい精悍さに溢れ、おまけにスポーツ万能、音楽活動(歌手、作曲)もやり、元慶応ボーイという、まさに絵に描いたような銀幕のスターでした。

プロ野球の長嶋茂雄さんと並ぶ、少年時代の憧れのヒーローです。

しかし、社会人になってからは興味の対象から外れ、いま、私の楽譜ファイルに入っている加山さんの楽曲は「旅人よ」のみ。

ただし、死ぬまでにマスターしたい、吹きこなしたい曲はあります。

「海 その愛」

昭和51年(1976)発売の同名アルバムに収録された、スケールの大きな歌です。シングル盤がないにもかかわらず大ヒット、紅白歌合戦でも何度も歌われました。

同郷の人気レゲエグループ「湘南乃風」が一部を用いて「湘南乃『海 その愛』」をリリースしているほか、プロ・アマ問わずいろんなところで歌われている名曲です。


名曲中の名曲「海 その愛」

世のオジサンたちの心の琴線に触れるという点では「昴」(谷村新司)と双璧かも。加山さんの楽曲で後世も歌い継がれるのは「海 その愛」をおいてほかにないのではないでしょうか。

加山さん自身、インタビューではつねに「一番好きな歌だし、とても大事にしているので、ライブでも必ず最初か最後に歌います」と答えています。

海に抱かれて男ならば
たとえ破れてももえる夢を持とう♪

ゆったりとした出だしで始まり、徐々に盛り上がり、

海に抱かれて男ならば
たとえ独りでも星をよみながら
波の上を行こう♪

サビのところでは力強く、壮大な感じで歌い上げるわけですが、私がとくに好きなのは2番の最後の歌詞ですね。

海よ俺の母よ大きなその愛よ
男のむなしさふところに抱き寄せて
忘れさせるのさ
やすらぎをくれるのだ♪

けれども、です。入手した楽譜(メロディー譜)は低音の「ソ」があり、現状、私のオカリナでは吹けません。音楽出版社さん、ぜひオカリナ向けの楽譜を待っています!

加山さんは先月(4月)、85歳の誕生日を迎えられました。「文藝春秋」4月号にはインタビュー記事が掲載されています。

多額の借金を10年で返済、愛船「光進丸」の炎上、小脳出血で命の危機など必ずしも順風満帆ではありませんでした。が、人生の荒波をくぐり抜けてきた「永遠の若大将」の幸福論は気持ちいいくらいポジティブです。

さて、風光る5月。初夏です。南国・沖縄ではまもなく海開きかなと思ったら、すでに3月からスタートしているとのこと。

コロナ禍で自粛していた旅行、久しぶりに沖縄へ行ってみようかな。


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