【書評】噛み合わない会話と、ある過去について

こんにちは、大人の課題図書です。

今回は辻村深月さんの短編小説集から噛み合わない会話と、ある過去についてをネタバレ無しで書評しきます。

【概要】語り手の記憶にあることと、聞き手に違和感がある時その過去は語り手の都合の良いように改竄されている。そのギャップに震える内容となっている。

【書評】現実でもよくあることだと思った。子供頃だと、学生時代にされた嫌なこと。誇れること。と恐らく記憶に残りやすくインパクトがある出来事ほど他人とのギャップは生まれやすい。大人になった今でも思うし直近似たようなことがあった。

学生時代のことって、長期的に考えると記憶は断片的にしかない。ただ断片的記憶が鮮明に残っている。物事は時間が解決してくれるなんて言葉があるが、この小説を読んで"物事を自分の都合の良い解釈に時間と共に徐々に改ざんを行なっている行為"なのではないかと考えた。

もちろん悪いことではない。記憶のすり合わせを行うなんてことは滅多に無い出来事だろうから、なんてことは無いのだが主人公たちみたいに何かの巡り合わせで擦り合わせる瞬間が来た時大問題に発生する可能性も秘めている。

それくらい大きな出来事や、物事は慎重に扱わないといけないし気軽に人に喋って良いものではないなと感じた。

別角度だが、会社をしているとトラブルがよく発生する。冒頭に触れたが12月は厄月なのではないかと言うくらい怒涛の日々だった。簡単にまとめると、契約書を正確に発行させなかったことで、後々ゴタゴタが発生したといったよくある類の話だ。先方当方共に主張が自分の都合の良い観点だけになってしまっていて、微妙な関係になってしまった。

これは半年くらいの間に起きた出来事なので、記憶が長期保存されると改ざんも激しくなるんだろうなとボンやり感じたし、誰かと過去について話をしたくなった。

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