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その1 ものの数え方

1、2、3、4、5、6、7

ものの数え方である。

これが算数の基本になるだろう。

では早速数えてみよう

第1問:黒い碁石はいくつあるでしょうか?

多分、答えらるのではないだろうか。
1、2、3、4、5と数えていって、答えは「5」ということになりましょう。

第2問:黒い碁石はいくつあるでしょうか?

こちらの問題は難しいですね。

1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12

答えは「12」と答えたのでしょうか。

そのように答えた人は、このような頭になっているはずです。↓

10の束が一つ と 2 で12です。

この12ひょっとすると、分からない子がいるかも知れません。
その子の頭の中は、こうなっているかも知れません。↓

1、2、3、4、10、
11、12、13、14、20

21、22

の22個です。

さて、22という答えは、あっているのでしょうか。間違っているのでしょうか?

私は、22は間違っていないと思います。5進法を取れば、22になるからです。

先に言っておくと、答えが12でも22でも石の数は一緒です。碁盤の上にある石の数が石の数です。こっちが数の本質です。

その碁石の数をいくつと表現するのかが、数え方です。

正しく数学的に説明すると、写真の黒石の数は、10進法では12ですし、5進法では22です。

だから、この碁石の数を「22」と答える小学生がいれば、それは間違いではないのです。その子は、5進法で表現しただけだから。

それを12が正解で、22と答えられない子を算数のできない子というのは、私は間違っていると思います。

十進法を使うのはたまたまである

このように、この石は12個であると表現するのは、10進法だからです。

じゃあ、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、と10種類の数字の記号があって、それが、5種類でも8種類でもないのはなぜなんでしょうか?

8の後が10ではないか?8の後に10が来ても良いではないか?
9の後にもう一つ数字があれば良いのではないか?
なぜ、9の次は、文字が二つになって、10になるのか。違う字があっても良いではないか?

実際、16進法を使って数えると、こうなります。

こう考える子供がいてもちっとも不思議ではありません。
なにしろ、我々が10進法を使っているのに、根拠はありませんから。

1、2、3、4、5、6、7、8、9、A、B
あ、B個だね。

そうです、9の次の数字は、Aで、その次がBなんです。数字の種類は10種類から、増えても、数学的にはいいんです。

それを10種類にしているのは、たまたま人間の指が10であるからでしかない訳です。両手の指が8本だったら8進法でしたでしょうし、片手に指が6本あったら、12進法が使われていたはずで、9の次に、A、B にあたる数字があるはずなのです。

だから、9の次に10と桁が増えるようになる、9の次が10である、もしくは、「じゅう」の次が「じゅういち」であることが分からない子供はバカなのではなく、賢い可能性ある訳です。

どうして9の後は10なの?分からない

もし、そういう疑問を抱く子がいるとすれば、

「そうだね、9の後が10と2桁になることに根拠はないのだけれど、あえて言えば、人の指が10本なので、10を一つの束にして表現するのが、一般的になっているんだよ」

と説明するしかないと思います。

間違って、「9の後は、10だろう。なんで、あんたは分からないの!」などと怒ってはいけないのであって、「9の次に桁が上がるのはたまたまみんながそうしているのであって、そうではない数え方もあるよ。でも、人間の指は両手で10本であることが多いから、9の次は10にする人が多いんだ」と教えてあげるべきであると私は思っておるのです。

そもそも、10進法って効率が悪いんですよね。12(=2x2x3)とか8(=2x2x2)であれば、効率も良いのでしょうが、2 x 5の10では、あんまり使い勝手の良い数字じゃなんですよね。だから、10進法に納得しない子供がいれば、いや、10種類じゃない方が便利だという子供がいれば、それは、数学的には正しい子供なんだと私は思います。

だから、あくまで


これを12というのは、一般的には10進法を使うからであって、22と言ってもAと言っても間違いじゃないというべきだと思います。 


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