その2 足し算

次に足し算に言ってみましょう。

問題1:上の碁石と下の碁石を足してみたら、いくつになるかな?

上が3つ、下が2つなので、
3 + 2 = ?
という問題になります。

別々だったのものを一つに並べて、

隙間を無くせば、
3 + 2 
の出来上がりです。

石を数えていけば、
1、2、3、4、5
なので、5個になりますね。

3+2=5

はこれですみます(10進法ならですが)。

数字が10種類以下なので、数が数えられる子供であれば、これはできるでしょう。

問題2:上の碁石と下の碁石を足してみたら、いくつになるかな?

上を数えると、7個(10進法です)、下を数えると5個になります。
そうなると、問題は、
7 + 5 = ?
という問題になります。

まあ、ビジュアルには、上のように、並べてしまい、

このように繋げるのが足し算の意味です。これを数えるのですが、

5+7=12 ということは、上のように考えているということです。
10のところで桁を変えないと10進法では表現できないので、10の束を一つ作って、あまりが2個。

ということで、
5 + 7 = 12(10の束1つと、2個)
となります。

問題1のケースとは異なり、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9の数字の種類では書ききれないので、10進法では、桁を上げる必要が出てきます。

まあ、16進法なら、桁は上がらず、

5 + 7 = C

という、未知の数字が出てきて終わるんですけどね。
左から、1、2、3、4、5、6、7、8、9、A、B、C
と数えて、答えは、Cです。

まあ、これは今回はどうでも良いとして。

何が言いたいのかというと、

数字の種類が溢れてしまうので、2桁に上げるということは、こういうことをやっているのであるということを理解してもらうことだと思います。

算盤的な工夫について

3+2=5

はわかりやすいかも知れませんが、7+5になると、桁が変わって直感的にはわかりにくくなる子がいるかも知れません。7+5が、直感的に12というのはわかりにくい。

つまり、

この画像を

この画像に頭の中で瞬時に変換しろと言われるとちょっと大変です。少なくとも、直感は働きません。

そこで、一つそろばん的な工夫があります。

10という数を二つに分けてみます。

つまり、これを

並び替えて、

このように並べ替えます。

10を2列に並べ替えると、5と5、5が二つになります。
5 + 5 = 10
これは、実際に碁石を並び替えさせるとわかるんじゃないかと思いますし、納得がいくのではないかと思うのです。

10は5と5に分けられる。

これをうまく使うと、さっきの7+5もやりやすくなるかも知れません。

つまりは、

これを足すのですが、先ほどのようにではなくて、


このように考えてみようということです。
数式で書くと、次のようになります。

  7 + 5
= (5 + 2) + 5
= 5 + 2 + 5

ここで、5と5を足すと10になることを覚えていれば、楽です。これが、そろばんの5の玉の工夫でして、簡単に計算ができるんですね。

つまりは、離れていた、5と5をくっつけてやります。
これが、10という概念になっていれば、
左側の塊が5が2つなので、10
右側を数えて、1、2なので、2
10と2で、12というのが答えになります。

数式的には、
 7 + 5
= (5 + 2) + 5
= 5 + 2 + 5
= 5 + 5 + 2
=(5 + 5)+ 2
= 10 + 2
=12

となります。

このやり方だと、桁が溢れないのですよね。つまり、一桁同士の数字の足し算で全てが終わるので、直感的にもやりやすくなる。

碁石を並べると、10を5を2束で表現するのがより見やすくなると思います。
見やすいというのは直感的になるということです。

ちなみに、碁石を並べてみると、数字の性質がよくわかって、面白いと思うのですよね。

最後に難問

問題、二つの碁石を足すといくつでしょう?

10新法でやるとして、
上は数えて、9、下も同じ数ですから9です。

問題は、
9 + 9 = ?
となります。

いきなり、9と9と言われても難題です。九九を暗記していれば、9x2=18で記憶で答えることができますが、上の写真を見て、直感で18と数えられる人はあまり多いとは思えないんですよね。

先ほどのそろばんの考え方でいきましょう。以下の形になります。


9はわかりにくいので、9を5と残りの数字に分けます。
5のところで区切ると、残りは4つになるので、

9 = 5 + 4

とわかると思います。
下の列も同じですので、
9 = 5 + 4

になります。

で、

先に左側をくっつけます。5が2つです。
5が2つで10なのを先に覚えていれば、左の塊は10であることがわかります。

あとは、残りの右側を数えれば良い。

数式だと、
  9 + 9
=(5 + 4)+(5 + 4)
= 5 + 4 + 5 + 4
=(5 + 5)+ 4 + 4
= 10    + 4 + 4

ここまできました。(まあ、この数式は子供には教えなくて良いです) 


で、右側の石を数えます。
数えれば良いでしょう。
1、2、3、4、
5、6、7、8
で8個ですね。

左が10個と右が8個で、18 というのが計算できます。

数式にすると、このようになります。

  9 + 9
=(5 + 4)+(5 + 4)
= 5 + 4 + 5 + 4
=(5 + 5)+ 4 + 4
= 10    + 4 + 4
= 10    +(4 + 4)
= 10    + 8
= 18

数式は教える側が分かれば良いですが、こういう思考経路になっている訳です。

そろばん方式を使うと、桁が溢れる足し算を回避できるので(正確にいうと、桁が溢れる足し算は、5+5=10 に集約される)、一桁の足し算ができれば、完結するところがわかりやすいところだと思います。

一桁の足し算は、碁石で並べるとどれもわかりやすいと思います。

そのうち、

2 = 1 + 1
3 = 2 + 1
4 = 2 + 2
5 = 3 + 2
6 = 3 + 3
7 = 4 + 3
8 = 4 + 4
9 = 3 + 3 + 3

などということがわかってくると思いますが、これはまた別の記事にすることにします。

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