その3 引き算

次は引き算です。

実際は黒石だけで良いのかも知れませんが、白石も使って説明することにします。

問題1: 5ー2 はいくつ?

黒石だけで表現すれば、5個の黒石を並べて、右から二つを取り除けば良いのですが、ビジュアルにちょっと5と2という数字が出ることを強調するために、白石さんにも出番を与えてみましょう。

上記のように並べて、こういうルールにしましょう。
黒石さんと白石さんが交わると、消えてしまう。
もしくは、白石さんは黒石さんを食べてしまう。食べると死んで消えてしまう

こう考えてみましょうと言ってみましょう。

5 ー 2 
を碁石で表現すると、
5個の黒石と2個の白石を並べたらどうなるという話です。

で、こうなります。

白石さん二つが、黒石さん2つとペアになります。
で、白石さんが黒石さんを食べてしまいます。
で、白石さんも死んでしまうので、右の4つは取り除いて、


結果、こうなります。

数えてみると、黒石3つが残りました。

なので、

5 ー 2 = 3

となりました。

問題2:12ー3

次に桁を超えた引き算をやってみましょう。

12から3を引くので、碁石で表現すると、こうなります。

碁石を使うと簡単ですね。右の黒石3つを分離して、白石とセットにする。
白石さんが、黒石さんを食べてしまうので、左の黒石さんだけを数える。
1、2、3、4、5、6、7、8、9
答えは9となります。

数式にすると、
12 ー 3 = 9

そのものなんですが、どうも数字からは、直感的にはわかりませんね。

そこで、そろばん方式にしてみようとすると、困ったことが起きます。
もう一度、12−3 に戻ります。
12を10と2に分けた上で、 10を5と5に分けます。

で、右の2つの黒石に白石をぶつけると、白石が余ってしまいました。
さて、困った。

数式にすると、
= 12 ー 3
=(5 + 5 + 2 ) ー 3
= 5 + 5 +(2   ー 3)
ここで、2−3がマイナスの数になるので、小学生では解けません。
これが困った正体ですね。

なので、

ここまで戻りまして、白石さんをぶつける相手を変えましょう。
右の2の黒石に白石さんをぶつけるのではなくて、

このように、5の黒石さんにぶつけてみましょう。

すると、下の白石さん3つが黒石さん3つを食べて、死んでしまうので、こうなります。下に黒石が2つ残ります。


下の黒石を右に持ってきます。数えると4つ

左の5と足すので、

5 + 4 = 9

で計算ができました。

大人向けに数式にしますと、長いですが、
= 12 ー 3
=(5 + 5 + 2 ) ー 3
=(5 + 2)+(5   ー 3)
=(5 + 2)+ 2
= 5 + (2+ 2)
= 5 + 4
= 9

というわけで、またしも、簡単な数式のみで計算できるようになりました。

計算に慣れてくると、12ー3=9 というのはパッと出てくるのかも知れませんが、慣れるまでは、パッとは出てこないでしょう。なので、ゆっくり考えて、順々にだどって答えに辿り着けば良いと思います。

では、難問に聞きます。

問題:12ー8=?

まあ、これも碁石があると簡単なのですが、

なんか大体わかってしまいますが、上記のようになります。
左の10個に白石をぶつけます。

ぶつかって、なくなるので、右に黒が4つ残りそうですね。

数式で言うと、

  12 ー 8
=(10 + 2)ー 8
=(10 ー 8)+ 2
= 2      + 2
= 4

問題が悪いかな。まあ、解けちゃいますね。
でも、10−8を回避するようにすると、違う考え方もありますね。

まず、12を 5と5と2に分ける。
8の方も、5 と 3に分ける。
すると上のようになります。

まず、白の5個の一団を、黒の5個の一団にぶつけます。すると、5の双方が消えます。

残った図がこちら。白い3つは、上に当てると残ってしまいそうなので、違う方に当てましょう。左の黒石5個に当てます。

するとこうなります。
白石3つ黒石3つがなくなって、

黒石2つと元からの黒石2つが残りました。

で、黒石は4つ。答えは4

数式にすると、

  12 ー 8
=( 5 + 5 + 2)ー (5 + 3)
=( 5 ー 5)+( 5 ー 3)+ 2
=             2   + 2
= 4

こちらだと、一桁同士の引き算で全部解けます。

ちょっと高度な23ー19=?

そろそろ、大軍を扱ってみましよう。

23ー19=?

写真にすると迫力が出てきます。黒軍と白軍、どっちが勝つのでしょうか?

両軍、並べてみるとこうなります。パッと見、よくわかりませんね。

白石としては、上の10を黒石の上の10にぶつけることにしましょう。

ぶつけました。上は白石、黒石共にいなくなります。

黒軍の下の3は白石にかないそうもないので、黒石10の上を応援に呼んで、戦ってもらうことにします。黒軍の10に白石をぶつけます。

すると、黒軍の10が一つ余りそうです。白軍、全滅です。

10のうち、残った黒石が右にあります。これらを寄せ集めると、

4つになって、答えは4。

数式にすると(マイナスの処理が出てくるので、子供に数式の説明は不要です)

  23 ー 19
=(10 + 10 + 3) ー (10 + 9)
=(10 ー 10 )+(10 + 3  ー 9)
=           (10 ー 9) + 3
=               1    + 3  
= 4

黒石は足りない時に、10の援軍を借りてくると考えると、繰り上がり関係も理解できるのでないかと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?