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くたばれグローバル人材

 「グローバル人材」という言葉を聞くと寒気がする。悪寒が走る。ふつふつと怒りさえ覚える。

なんと軽薄な言葉だろう!グローバル人材などに私は決してなりたくない。


「どうもこんにちは!私がグローバル人材です」


 こんな輩に出会ったら、いくら普段温厚な私でも、2発のビンタに加えて,右側頭部へのハイキックくらいはおみまいしてしまうだろう。


 ただ岡山県は ―いや日本の教育界全体なのだが― グローバル人材とやらをどんどん育成したいらしい。

「新晴れの国おかやま生き活きプラン」の中で,「グローバル人材育成プログラム」というのが教育行政における重要な柱のうちの一つを担っている。
 実に嘆かわしい。おそらくこれを計画した人の頭の中には「グローバリズム」という世界観がこびりついているのだろう。無理もない。なんせ日本の政治家、官僚、マスコミをはじめ多くの日本人がこの思想に毒されてしまっているのだから。

そういうわけで岡山の役人さんが「これからはグローバル化の時代であり、グローバル人材が必要である」という発想になるのは当たり前だ。


 しかし断言しよう。グローバル化は終わり、新しい時代がはじまる。いやすでにはじまっている。
「EU」はヒトやモノ、サービスや資本の自由化を目的とした政治経済同盟であり、グローバル化を具現化したような組織である。        しかし2016年、イギリスが国民投票の結果、EU離脱を決定した。国内の二大政党が残留を表明していたにもかかわらず、国民の過半数は離脱を選んだのだ。移民の増加による様々な問題や、自己決定権が制限される状況に国民の不満が爆発した。イギリスだけではなく、他のEU加盟国でも離脱派は大きな勢力となっている。


 同じ年、アメリカでは「反グローバリズム」「自国ファ―スト」を掲げるドナルド・トランプが、大方の予想を覆して大統領となった。アメリカではここ30年の自由貿易の流れの中で、貧富の差が拡大しており、その反発がトランプへの支持につながった。


このように、世界では確実に反グローバリズムが台頭している。そして今回の新しいウイルスはこの流れをさらに加速させるだろう。2019年末に中国武漢で発生した新型コロナウイルスは、世界的な流行を引き起こし、いまなお収束のめどはたっていない。コロナウイルスの出現がグローバル化の終焉をはやめるのは間違いない。


 岡山県は「時代の変化に対応した魅力ある学校づくり」もグローバル人材育成プログラムの推進施策として打ち出している。さて彼ら自身が「時代の変化に対応」するのはいつになるのだろう。

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