見出し画像

凄い女

「あどけなさの中に何か諦めたようなものも存在して」

これは2021年12月、あるラジオ番組で、ヒコロヒーさん(女性ピン芸人)が齊藤京子ちゃん(アイドルグループ日向坂46のメンバー)の魅力を他人に伝えるために発したひと言だ。
それなりの期間齊藤京子のオタクをしている人ならば、このコンパクトに収められたひと言が、いかに京子ちゃんの魅力を最大限に的確に表現しているか分かるだろう。(因みに私は齊藤京子のオタク5年目)

2021年3月31日、テレ朝にて毎週水曜26:36〜の20分枠ド深夜番組として始まった「キョコロヒー」
その出演者が齊藤京子ちゃんとヒコロヒーさんで、番組名もキョウコ+ヒコロヒーでキョコロヒー。
京子ちゃんのオタクだった私はもちろん毎週観るようになり(ド深夜過ぎて録画でね)、この番組で初めてヒコロヒーを知り、次第に彼女が表現する言葉の持つ底知れぬ凄さに気づき、今も絶賛探究中だ。
2021年3月末のキョコロヒー放送開始から丸2年、私はヒコロヒーがもつ凄さに何度も圧倒された。
そしてやっぱり誰かを凄いと思う時、同時にその人の持つ凄さに感動した。そして感動は幸せな気持ちをくれた。
つまり私はこの2年間、ヒコロヒーに幸せにしてもらったのだ。
「どんな幸せを貰ったかなぁ」それらを思い起こしてみようと思う。


ヒコロヒー、とは誰ぞや

彼女に貰った幸せを思い起こす前に、まず「ヒコロヒー」ってどんな人か、そのプロフィールを簡単に。

名前:ヒコロヒー(芸名、本名非公開)
誕生日:1989年10月15日 血液型:AB型 
身長:165cm 出身地:愛媛県
1人称:わし
好きなもの: お酒、タバコ、麻雀、読書
経歴: 2010年、近畿大学文芸学部在学中に、スカウトで松竹芸能大阪養成所へ、のちに松竹芸能所属。
女芸人No.1決定戦 The W 2017-2020まで4年連続準決勝進出、2021決勝進出。
2023年現在、芸歴13年目。

ヒコさんのプロフィールに関しては、結構未知の部分が多い。
(ここからは普段私が使用してる彼女の呼称、ヒコさんを使わせて貰う)
私の中で芸人さんというと家族含めてテレビで丸裸にされてるイメージがあるが、ヒコさんはちょろっとお父ちゃんお母ちゃんに関する話をしてたなぁ、くらい。
彼女の口からとにかく頻繁に聞くワードは「酒とタバコと麻雀」なので、これらが彼女のイメージかも、笑。

それでもヒコさんは、触れたものをどんどん自分の中に吸収し、それを綺麗に言葉で表現できる人、だと思う。だから私はこの2年幸せを貰ったのだ。


伝え方の選択肢が無限大、だから伝わる大事なところ

ヒコさんのとっても素敵なインスタを見て欲しい。(@hiccorohee)
お洒落な写真もナイスだが、そこに添えられた文章を見て欲しい。日本語で英語で、時にその他諸言語で書かれた文章から、ヒコさんの語学の堪能さに驚く。

2019年5月31日の投稿は、特に何度読み返したか分からない。(https://www.instagram.com/p/ByGiXdHHYm2/?igsh=OGo3YzJ1ZWpydnpq)
リアルタイムではなく、ここ2年の間に読んだので、当時どんな背景で投稿されたのかは分からないが、おそらくシェアハウスの同居人でもある親交の深い女芸人さんとトークライブをした後の振り返り、という感じである。

写真と日本語文の後に続く英文のところを読んで、私は凄くハッとさせられた。
ヒコさんが英語で書いたことは、そのまま英語で伝わるニュアンスに意味があると思うが、あくまで私の解釈で短くまとめさせて貰うと「世界中の子供たちには色んな経験をするチャンスが与えられ、それぞれが無限の可能性を秘めた人生を歩んで欲しい。
けれど今自分が食べ物に困っていたら、そう思うこともないかもしれない。人生って発展途上国では全然意味が違う、それなら食べ物に困っている子供に食べ物を分けよう、彼らの人生になるかも。」

人生という言葉のもつ意味の多様性、そして誰かが出来る範囲の力添えが、他の誰かの大きな助けになり得ること、に気づいた。

こんな大切な事に気づかせてくれたヒコさんの文章、彼女はこの英文を書く前に、日本語でひと言添えている、「日本語で書くの恥ずかしいから英語にしますよ」と。
普段「お酒、タバコ、1人称はわし」のヒコさんだから、真面目な事を伝えるのに英語の方が恥ずかしさが紛れるの、何となくわかる気もする。
でもその文章は英語で綴られた事によって、日本よりも人の助けが必要な異国にいる世界の人たちに、日本以上に支援力のある富んだ異国の人たちに伝わるようになっている。

彼女の文章は伝わるべき所にきちんと届くように綴られているのかもしれない、そう思い、感動した。


他人の持つ「らしさ」を理解し、それをアピールポイントとして発揮させてあげちゃう

冒頭で記したとおり「キョコロヒー」は2年前にテレ朝のド深夜番組として始まった。その数ヶ月後にはテレ朝バラバラ選挙(テレ朝のド深夜枠のバラエティ14番組における視聴者人気投票)で1位をとり、2021年10月から水曜24:15〜の深夜番組へと昇格を遂げた。そして更に昇格し、なんと2022年10月から月曜23:45〜の全国放送バラエティ番組になった。今年6月に放送されたゴールデンSPのゲストには黒柳徹子様、天海祐希女王を呼ぶまでの番組になっている。

そんな見事なホップステップジャンプ!を遂げた要因となるキョコロヒーの見どころは、何と言っても「京子とヒコの掛け合い」である。

キョコロヒーは、様々な企画モノ(放送開始から半年間はダンス関係に限定されていた)とトークテーマに対する2人のトークが1:1という構成、そして企画モノの中でもトーク要素は入ってくるので、毎回7割は2人の掛け合いが占めている。
番組ディレクターの舟橋さんがトークの糸口になる質問を投げ、まず京子ちゃんが好きな様に話しを広げると、そこにヒコさんがツッコんでいく。これが2人の掛け合いのプロトタイプなのだが、ここでのヒコさんの、京子ちゃんが持つ魅力の引き出し方が抜群に上手い。  

齊藤京子オタクならば共通理解項目であろう、京子ちゃんの「テンションではなく表情に喜怒哀楽が綺麗に出る素直さや、テレビの中のスタッフも外の視聴者も笑わせるひと言(突拍子もなさそうで実はどこか的を得ているから面白いのだ)」といった個性を、ヒコさんが見事に引き出し、掛け合いの見どころに繋げてくれている。

京子ちゃんの魅力を見事に引き出し、ましてそれを番組の見どころ(つまり支持されるポイント)にするなんて、ヒコさんは京子ちゃんのことをよほど理解しているのではないかと思っていたが、そうはっきりと確信したのが、冒頭で記したラジオ番組でのヒコさんの発言を聞いた時だ。

私が5年近く京子ちゃんのオタクをしていて思うのは、京子ちゃんは他人との出会いを良い方向に築いていくのがとても上手い。後輩相手にもそうだが、年上相手となるとより一層その力は発揮されている。これは彼女の相手への素直な尊敬の気持ちが、相手に届いている結果だと思う。
かと言ってただ純粋で可愛いという訳ではない。京子ちゃんはよく内省している人だと思う。それにより自分の個性や強みをきちんと把握しているから、彼女に合うお仕事が来たり、幼少からの夢を実現させている。

「あどけなさの中に何か諦めたようなものも存在する」という言葉には、上記にある私が思う京子ちゃんの要素が表現されているし、何十万といる京子ちゃんオタクの1人1人が思う彼女も表現されているに違いない。
そして何より、キョコロヒーをド深夜から現在の形へと導いた2人の関係の中にいて、相手のことをよく理解し言葉で上手に表現できるヒコさんだからこそ伝えられる京子ちゃんが、その言葉に描かれていた。


今、ヒコさんの言葉に触れようと思えば、その手段は色とりどりに用意されている。
彼女は、インスタ、雑誌のエッセイ連載、noteを使ったブログ、そしてそこから出来上がった「きれはし」という単行本など、色んなところに文章を置いてくれているので、私はその日読みたいものを自由に選び、幸せを貰っている。
また、キョコロヒーを見れば、京子ちゃんの面白さを引き出して、サラッとツッコんで締めるという掛け合いを見せてくれている。

私は昨年ヒコさんに直接「文章がとても好き」と伝えることが出来たが(CONVERSE TOKYOコラボ商品お渡し会で)その時彼女から貰った「読んでくれてんの、ありがとう」というお返事はずっと脳裏にとってあるし、これからもずっと好きだと、この幸せが続きますように、と思っている。

I love Hiccorohee's words which reflect her nice cognitions.
ヒコロヒーさん、いつも幸せをありがとう!


#創作大賞2023
#エッセイ部門
#エッセイ
#推しの芸人 #ヒコロヒー #キョコロヒー

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?