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2021年7月環境 CS入賞のHERO

 皆さんこんにちは。adonisと申します。
前回初めて記事を書いてから、変わらずHEROを使っています。ちなみにTOP画像は今欲しいプレイマットです。10万円近くするので画像を眺めて欲望を満たしています。

 おかげさまで日々HEROユーザーの知り合いが増えており、嬉しい限りです。環境的に制限改訂直後の現在が勝てるチャンスであると考え、この度個人戦CSに出ました。すると目論見通り結果を残すことができました。また、同月に出た公認大会でも2回連続で優勝できました。(偉そうでごめんなさい)

 そこで、自己満足のためにも今回記事を書くことにしました。私より幾分もHEROのプレイング知識がある方もいらっしゃる中で改めて記事を書くのは正直恐れ多いです。また相変わらず構築がテンプレと異なっておりますが、新規の登場で盛り上がっているHEROユーザー皆様のモチベーションアップにでも役立てると嬉しいです。(今回は前回記事の構築を基盤として、HEROに対してある程度理解がある前提で書いていますので、「最近話題になっているしHERO知らないけれど作ろうかな」という方には難しい内容かもしれないです(><))


1. 4~6月の環境と構築 

 ①環境

 分布は様々で群雄割拠している環境でしたが、関東のCSでは以下テーマの使用者が多い印象でした。HEROを使用する上での各テーマに対する個人的なイメージと併せて記載します。

エンディミオン
 メイン戦で先攻を取られた場合、こちらが禁じられた一滴を引いていなければ負けに等しい。2本目以降は先攻では最低限ダークロウ、可能なら加えてアブソルート+ワンダードライバー+サンライザーを狙う。(中途半端な盤面では創聖魔導王で逆転されてしまう)原始生命態ニビルが効かないことも厄介。

幻影騎士団

 相手の先攻で6素材ロンゴミアントを成立された場合、メイン戦では逆転困難。先攻ではダークロウを全力で狙う。後攻の場合は誘発で妨害してワンキルしか勝ち目がない。

サンダードラゴン
 
超雷龍よりも雷神龍の破壊効果が厄介。(インクリースの②効果やサンライザーの攻撃力上昇効果、ヴェルテアナコンダの起動効果をそもそも活用できない。)ダークロウは意味が無いのでトリニティでワンキルを狙う。

十二獣
 メイン戦で知らずにこちらが先攻を取ってしまうと圧倒的に不利。ダークロウは意味が無いので基本的に後攻でワンキルを狙う。

セフィラ
 個人的にHEROの圧倒的不利対面。妨害がカウンター罠のため、クイックエフェクトでのサクリファイスエスケープができない。またエンディミオンと違い手札誘発も複数入っているため、こちらの先攻ダークロウまでの動きも妨害されてしまう。ドロール&ロックバードで動きを止めた後ワンキルするしか目立つ対策が無い。

閃刀姫

 先攻の場合は基本ダークロウを狙うが、意外とウィドウアンカーや無限泡影で無力化されてしまうことが多いため、後攻で魔法罠を除去した後にワンキルを狙う方が戦いやすい。(相手が後攻想定で投入した魔鍾洞や各種除去カードを無力化できる点も良い)

鉄獣戦線

 純構築であれば有利。しかし十二獣が混ざっていることで本来こちらが有利な先攻を選択できないため、後攻ワンキルを狙う。ダークロウは無理に出さない。

電脳塊

 幻影騎士団同様、相手の先攻でVFD朱雀を成立された場合、メイン戦では逆転困難。先攻ではダークロウを全力で狙う。後攻の場合は誘発で妨害してワンキルしか勝ち目がない。

ドラゴンメイド
 先攻の場合はダークロウ成立を狙う。後攻の場合はシュトラールとお片付けの妨害を越えてワンキルを狙う。長引くほど不利になるため実は脅威。

 ②構築

6月

 ↑5月のネクストプレイ杯でベスト8になった時の構築です。HERO関連カードの枚数は前回記事の時と同じため割愛します。目立つ部分の採用理由だけ記載しますので、もし不明点がある方は、Twitterで質問頂ければお答えします!

 当時の環境は鉄獣戦線か十二獣、もしくは電脳塊や電影騎士団といった、墓地除外利用デッキの使用者が圧倒的に多いという印象がありました。そこでメインデッキからアーティファクトロンギヌスを2枚採用し、メイン戦で後攻になった場合も妨害をできるようにしました。しかしロンギヌス、灰流うらら、増殖するGはすべて効果処理時に墓地に存在するカードのため、墓穴の指名者を確実に受けてしまうことが気になりました。そこで効果処理時に手札にいて複数デッキに有効な原始生命態ニビルを1枚だけ採用。1枚だけなのは、当時一定数の使用者がいたドラゴンメイドやサンダードラゴン、エンディミオンといったデッキに対して無力だからです。ただ不要な場合はこちらが抹殺の指名者でニビルケアをすることもできたので邪魔ではなかったです。
 また、何故か突然関東でメイン魔鍾洞が流行し始めたため、メイン戦での回答として仕方なくハーピィの羽根帚を採用。サイドデッキにも他カードに対して有効なサイクロンを3枚採用しました。こうしてメインデッキのニビルや羽根帚といった「状況によっては使用できないカード」が増えたため、初手にHEROを確保するため追加で増援を採用し、安定性を向上させました。
 サイドデッキでは、5月下旬頃からペンデュラムテーマやヌメロンのシェアが増加している印象があり、時々いた純十二獣にも有効な幽鬼うさぎを3枚採用しました。

2. 7月制限改訂後の環境予想と構築

 ①環境予想

 制限改訂で十二獣ドランシアが禁止になり、真竜皇VFDは相変わらず制限のままという驚愕の改訂でしたが、HEROにとっては追い風となる内容でした。理由は以下の通りです。

①ダークロウを1枚で解決してくる十二獣が環境から消えた
→鉄獣戦線が含まれるデッキ相手に後攻を選択する必要がなくなるため、純粋な有利対面になる。
→十二獣に代わるミッドレンジとしてプランキッズやドラゴンメイドの増加が見込まれるが、どちらもある程度ダークロウが有効。

②VFDを使用する電脳塊が環境に残り続ける
→他にもLL等の風属性テーマのシェアが一定数いるため、シムルグ結界像型のデッキは流行しない。
→電脳塊や純鉄獣戦線のシェアが一定数見込まれるため、メタとしてメインデッキにロンギヌスを採用するユーザーの増加が想定される。(ここが何故追い風か疑問を持たれる方もいると思うので後で解説します)

そこで今回は以下の構築を使用しました。

 ②構築

7月

コンセプト:「初手で質の高いボードアドバンテージを得る」(前回記事と同じです)
 この人は何を言っているのだろうと思われる方は、良ければ前回記事を読んでみて下さい。笑
 前回と少しだけ異なるとすれば、アドバンテージの得方が変わっていたことです。(先攻で魔法罠を5枚伏せるような罠型デッキの使用者が減少していたこともあり、どちらかというと「永続系のカードで制圧する」よりは「墓地リソースを活用する展開系やミッドレンジ」が多い状況でした。推測ですが、原因は「魔鍾洞を自ら解除できる展開系デッキが増えた」「VFDが禁止にならず電脳塊を手放そうとしていたユーザーがそのまま使用し続けた」「アーティファクトロンギヌスの影響をそれほど受けないギミックを持つ展開系デッキが増えた」等かと考えました。)
 これらを踏まえて各カードの採用理由を紹介します。

採用理由~メインデッキ~

 最初にHERO関連カードの紹介です。

E・HERO オネスティ・ネオス×1
 ワンキルのお供です。しかし初手に持っていても展開に絡まず、このカードが無くてもワンキルできることが多いため、相手にトリニティ3回攻撃が有効ではない場合や、こちらが先攻で意地でも妨害を立てなければいけない相手(例えばエンディミオンや電脳塊)の場合は抜くことが多かったです。

E・HERO リキッドマン×1
 蘇生効果はエアーマンやヴァイオン、シャドーミストに使用します。最近気づいたのですが、シャドーミストが墓地にあって相手が墓地除外関連の妨害を使用する際、マスクチェンジサーチを警戒してなのかシャドーミストを除外してくるので、エアーマン蘇生からのオネスティネオスサーチや魔法罠破壊が成立しやすかったです。
 また2枚ドロー効果は相変わらずHEROにとって貴重なドローソースです。実際CSでもアーティファクトの神智や虚無空間、マスクチェンジをドローできた場面があったため、先攻の場合は迷うことなく融合素材にして良いです。
※本当は2ターンに分けて4枚ドローしたいところですが、HEROを分かっている人はミラクルフュージョンにチェーンして墓穴の指名者等で墓地のリキッドマンを除外してきます。そこでアブソルートゼロやアシッドが必須なシーンではドロー効果再使用のためにターンを跨がず、サンライザー+アブソルートと連続して召喚してしまうのも有りです。

E・HEROエアーマン×2 
 HEROにとって貴重な魔法罠破壊効果をもっています。この効果が意外と強くて、実際大会でもヒーローアライブに対して王宮の勅命を受けた後にファリス効果(インクリース設置)→エアーマン通常召喚→破壊効果にチェーンでインクリース効果(コストはエアーマン)で伏せと勅命を破壊してワンキルしたことがありました。
 サーチ先は先攻ではファリス(デッキ圧縮とリキッドマンの2枚ドローによる誘発確保のため)やシャドーミスト(展開が伸びない場合の禁じられた一滴コスト確保のため)です。ただ、サイドチェンジ後こちらが先攻で相手のニビル複数枚投入が想定される場合は、ヴァイオンを直接サーチすることもありました。(ヴァイオンであればニビルケアしてワンキルできるため)後攻ではワンキルに必要な各種パーツをサーチします。

E・HEROシャドー・ミスト×2
 ここは人によって1枚と2枚で別れるところですが、私は今回も2枚採用でした。理由は以下の通りです。
・1枚引いてもヒーローアライブで出すことができる。
・禁じられた一滴のコストに有用。先攻では相手ターンに発動して効果でヴァイオンをサーチし、次のターンにヴァイオン効果でもう一枚使用。後攻では一滴のコスト後にワンキルパーツを回収。特に後攻では6枚の手札をフル活用してワンキルに向かうため、本来コストで捨てなければならないカードがギミックサーチに化けるのは貴重です。
・素引きのシャドーミスト+マスクチェンジが強い。

D-HERO ディアボリックガイ×2
 相変わらず準制限ですが、このカードの有り無しで展開に影響が出てくるため、先攻で無意味に効果を使用するのは止めた方が良いです。また墓地に置いておくと相手が墓穴の指名者等で除外してくることがあるため、後のシャドーミスト効果を通しやすくなるという不思議な効果もあります。

D-HERO ダイナマイトガイ×1
 ディストピアガイの破壊効果発動条件を満たしたり、相手が攻撃力5300のアクセスコードトーカーでワンキルしようとしてきた時の延命手段になったりして有効です。
 また最近このカードの真価が発揮されるシーンが何度かありました。「相手のライフを1000以下まで削れたものの残ってしまった」 という時に素引きしたこのカードの1000ダメージ効果で勝つということです。(今月出た公認16人トーナメントの決勝もこの効果でストレート勝ちました)相手目線では「ワンキルされかけたが少しライフが残った。HERO側のリソースも吐き出させた。」という状況のため、返しのターンに全力で盤面除去やワンキルを狙ってきます。そのためメインギミックで召命の神弓アポロウーサや発動無効系効果持ちモンスターを成立させてこない限り勝ちです。(発動無効系カウンター罠はこちらがワンキルしようとした時点で発動しているはずなので、返しのターンに引かれてもそのターン発動できなければ実質無いに等しいです。また神の通告はライフコストの問題からそもそも発動できません。)
 ただ気になるのは、レベル5のためこのカードとマスクチェンジの素引きが噛み合わず、更に光っているレアリティが存在しないことです。

D-HEROディバインガイ×1
 2ドロー効果後にミラクルフュージョンで更に2ドローできるので、ワンキルパーツや禁じられた一滴を引き込みやすくなります。またディストピアガイのバーン効果で対象に取る貴重な存在です。余談ですがトーナメントパックでは何故このカードがノーマル採録されたのでしょうか??できればダイナマイトガイを光らせて欲しかったですね笑

V・HEROファリス×1  
V・HEROヴァイオン×2
V・HEROインクリース×1
 ここも相変わらず最小枚数での採用です。今回の期間で初手にインクリースを引いてしまったのは1回だけで、その対戦も融合の素材にして墓地に送ったため大きな問題はありませんでした。
 また、サイドチェンジ後相手が原始生命態ニビルを複数投入している場合、初動がファリスでは確定でニビルを受けてしまいます。それらを腐らせるためにも、先攻は極力召喚4回以内で収めるようにしていました。(例えばヴァイオン召喚→サンライザーでミラクルフュージョン確保+2ドロー→手札誘発や禁じられた一滴等の妨害を用意してターン終了です。)結果、よくHERO使いの方が意見されている「ファリスが初動!エンジン!」みたいなことはありませんでした。またヴァイオン3枚目も一時期考えましたが、効果を1回使えば十分で初手に被っても邪魔なことを考えて2枚に抑えました。
 ただ最高盤面(下の画像)を目指す場合にファリスギミックは必須のため、抹殺の指名者を持っている場合は先攻でも率先して動きました。実際太陽CSの3決でも先攻でこの盤面を成立させて勝ちました。

最大展開



 ※ディナイアルガイとデストロイフェニックスガイ登場後はニビルを受けても妨害を用意できるようになるため、あくまで現時点での話です!

ヒーローアライブ×2
 強いです。後攻なら即発動して問題ありません。しかし自分が先攻の時はサイドチェンジ後か否か、相手のデッキが何かによって発動を使い分けていました。具体的には以下の通りです。
①サイドチェンジ前で他の展開カードがない→相手のデッキが分からず更地でターンを返すのは危険なため、止むを得ず発動。
②サイドチェンジ前で他の展開カードが有る→先にそちらから使用。もし通ればライフ温存と次ターンのリソース確保になり、先に使用した展開カードが阻止された場合はマスクチェンジサーチが通りやすくなる。(最悪なのはアライブでシャドーミスト特殊召喚→効果発動に対してγや灰流うららを発動されることです。その後ヴァイオン効果でシャドーミストを墓地に送ることができなくなってしまうからです。しかし先に他の展開、例えばヴァイオン召喚から動いてγや灰流うららを受けた場合、そのターンまだシャドーミストの効果を使用することができます。つまり最低限ダークロウが成立します。)
③サイドチェンジ後→率先して発動しました。これは今回のサイドデッキに起因するのですが、相手ターンでのアーティファクトの神智(=デスサイズ)を通しやすくするためです。そのため、寧ろ灰流うららを誘うために発動するくらいの気持ちでいました。ライフポイントを半分失っても相手ターンを実質的にスキップできるのは非常に強力です。

フュージョン・デステニー×2
 複数枚が初手で被った場合、特にそこへ灰流うららを受けてしまった場合は実質手札-2枚で始まることに等しいため、初手をフル活用するためにも2枚のみ採用しました。

融合×1
 ヴァイオンでサーチできるため1枚採用です。今期はこのカードをワンダードライバーで再使用する動きがとても強かったです。また、HEROを分かっている相手はこのカードをサーチさせないためにヴァイオン召喚時にロンギヌスを発動してくるため、素引きが嬉しいシーンも数回ありました。

ミラクル・フュージョン×1
 サンライザーでサーチできるため1枚採用です。このカードもワンダードライバーの効果で再使用します。

おろかな埋葬×1
 以下のように小回りが利きます。不要な場合はリキッドマンのドロー効果で捨てる候補にします。
・シャドーミストを落として展開パーツサーチ
・シャドーミスト落とし→リキッドマン通常召喚でマスクチェンジをサーチ
・マスクチェンジ素引きの際にディアボリックガイ落とし→召喚権を使わずにダークロウ成立

マスク・チェンジ×3
 前回と同じく知られていない豆知識があるのでご紹介です。
“効果処理時に対象のHEROが表側表示で存在しない場合も処理は最後まで行われます”
 つまりチェーンで大捕り物や月の書を発動されても処理時に墓地へ送った際の属性を参照して特殊召喚できます。

 続いてHERO以外のカード紹介です。
前回記事と同様、以下の2点に着目し選定しています。
1.相手へのターン全体干渉
2.既に成立した妨害盤面を捲る

増殖するG×2
・展開系の行動抑止
以前はあまり有効ではないテーマ(エルドリッチや純十二獣)が複数いたため相手を選びましたが、ミッドレンジをドラゴンメイドが占めたため、ほぼ全てのデッキに対して有効でした。(ドラゴンメイドに効くの?と思われる方がいらっしゃるかもしれないですが、自分ターンのドローフェイズでのG発動が実質シュトラール除去になります。)非常に強力なカードですが、効果適用中に被った場合(増殖するGで引いた誘発が増殖するGしかない現象)は弱いため、他妨害カードと散らして採用しました。

原始生命態ニビル×3
 HEROが追い風という部分で記載したロンギヌスの話がここに繋がります。環境トップメタが鉄獣戦線や電脳塊になったことで以下の点が想定されました。
①テーマを問わずメインデッキからロンギヌスを複数枚採用する人が増える。
②メインギミックでロンギヌスが影響しない展開系デッキ(例:竜儀巧や@イグニスター等)を使用する人が増える。
 その結果、自分が採用しているアーティファクトロンギヌスが機能しなかったり、抹殺の指名者で宣言されて不発に終わったりする可能性が上がりました。本来ロンギヌスは相手の上ブレ展開を抑止するために使用するので、せっかく初手で発動できても通らなければ意味がありません。そこで原始生命態ニビルが活躍します。効果処理時の存在場所が手札であり、メイン戦では抹殺の指名者で宣言されることも稀なため、各種妨害を無視して発動することができます。また相手も恐らくメインから3枚投入しているとは思わないので、ロンギヌスや増殖するGが無いと分かった時点で最大展開をしてきます。まとめると、メタカードのイメージがロンギヌスに向いているためニビルを通しやすい状況が生まれていたということです。

三戦の才×1
・ハンデスで妨害
・2ドローで妨害もしくは8000を作るためのカードを引きに行く
展開系に寄っている環境だったので躊躇わず採用しましたが、罠デッキが増えるようであれば抜いても良いかもしれないです。

禁じられた一滴×3
 このカードのおかげで捲った試合は数えきれないです。以前はエルドリッチに対して無力でしたが、環境に殆どいなくなったため、引いて機能しないことはありませんでした。寧ろ先攻後攻共に優先して引きたいカードNo1です。

墓穴の指名者×2
 説明不要の強さです。エンディミオン以外の全デッキに対して有効でした。

 抹殺の指名者×2
 初手に複数枚被った時が弱いので以前は1枚のみ採用でしたが、こちらがメインデッキにニビルを3枚採用しているため、引けばメイン戦からニビルを無視できることを意識して2枚に増やしました。

虚無空間×1
 先攻で引けていればほぼ勝ちです。反面メイン戦の後攻時に腐るかと思っていたのですが、実は活躍しました。今の展開系デッキは返しのターンのリソースを確保する動きがありますが、それも結局特殊召喚に頼っているからです。例えば電脳塊のVFD+朱雀や鉄獣戦線のシュライグを突破しても後続が相手の手札に確定した状況でワンキルできなかった時、盤面さえ返していれば実質蓋をすることができました。とても制圧力の高いカードですが、一点難しい点があるとすれば、こちらが融合モンスターを出せなかった場合は攻撃力が最高エアーマンの1800しかないので、モンスターを戦闘から守る必要があるところです。禁じられた一滴は発動=虚無空間破壊なので、例えばフラクトール通常召喚で返されてしまいます。

灰流うらら×2
 これは反対意見の方が多い気がしますが、個人的にHEROで使用するこのカードはあまり強くないと考えています。(効果自体はとても強いのですが結局1:1交換のため、最大火力でワンキルを狙うHEROにおいて攻撃力生成に寄与せず、昨今の展開系は灰流うらら1枚を受けたところでターン終了してくるほど甘くないからです。それであればアーティファクトロンギヌスやドロール&ロックバードのようなターン全体に干渉できる誘発を優先したいです。)しかし対戦相手全員が3枚採用していると言っても過言ではないため、抹殺の指名者用で入れています。





採用理由~エクストラデッキ~

E・HERO サンライザー×1
 1枚で3役を担う強カードです。地味ですが攻撃力上昇効果が強力です。実際、竜儀巧の崇高なる宣告者(守備力3000)のコストを消費させた後にサンライザー効果を付与したエスクリダオ(攻撃力3100)で戦闘破壊できたり、アーティファクトデスサイズや捕食植物ヴェルテアナコンダといったテーマ外モンスターの攻撃力が上昇してワンキルラインに到達したりすることがあり感動しました。

E・HERO アブソルートZero×1
 サンダーボルト効果が効かないデッキはほぼ無いので、ダークロウ単体が心許無い状況ではこのカード+マスクチェンジを目指しました。特に先攻でミラクルフュージョンを素引きしている場合はこのカード+伏せ魔法罠数枚を優先して出していました。(相手目線では、こちらがセットした魔法罠がマスクチェンジだった場合ぜんt除去が飛んでくるので、ケアを考えながら動かないといけなくなるようです。)

E・HERO エスクリダオ×1
 唯一の闇属性E・HEROです。今期はダークロウが有効な相手が多いため闇属性に重きを置いて採用していましたが、環境次第ではサンライザー2枚目でも良い気がします。
 
M・HERO ブラスト×1
・エアーマンを対象にとる妨害の回避
・エアーマンの魔法罠破壊効果にチェーンして召喚することで実質+2枚のバック除去ができる
・対プランキッズにおいて自分ターンに大暴走を発動させない
・発動にチェーンすることで永続魔法と罠を実質無効化できる
・攻撃表示の戦闘破壊耐性モンスターをサンドバックにできる
 と小回りが利くため1枚あると役立ちます。特に罠系のデッキ相手にはダークロウよりこのカードを優先して出します。ただこのカードでなければならないシーンが今回は無かったため、デストロイフェニックスガイとの入れ替え候補です。見た目は仮面ライダー感満載で好きなので惜しいです。

M・HERO アシッド×1
 魔法罠が多い相手に対して有効です。またペンデュラムテーマに対しても有効で、ダークロウよりもアブソルート+マスクチェンジを意識していました。
※魔術師には紫毒の魔術師という天敵が存在することが分かっため有効ではないです。また、特殊召喚時の破壊効果は強制のため、相手フィールドにカードが無くても発動します。そのためバトルフェイズにマスクチェンジで召喚して勝ちだと思ったらγが飛んでくるという点には注意です。

M・HERO ダーク・ロウ×2 
 強力の一言に尽きますが、最近はメイン戦でも無限泡影で無効化されてしまうことが多々ありました。その裏目を考えてシャドーミストを対象にして召喚した時のサーチ先はオネスティネオスではなくヴァイオンにしていました。(相手は効果無効中のダークロウ除去に全力を割いてくるため、ワンキルされなければ返しにサンライザーギミックで捲ります。)またPSYフレームギアγの純制限後に採用者が増えたようで、相手フィールドにモンスターが存在しない状況ではあえてハンデス効果を破棄していました。

D-HERO ディストピアガイ×1
 一言でいうとダメージお化けです。2ターンで通算6000ダメージ分を用意してくれるため、ワンキルラインが下がります。状況的にディバインガイの2ドロー効果使用後でなければこのカードを蘇生できないシーンが何度かあり、「バーン効果使えないや」となってしまうことが悔やまれたのですが、ディナイアルガイ登場後は最低でも1100ダメージを用意できるようなるので今後も高評価です。

D-HERO デッドリーガイ×1
 素材の条件が「D-HERO+闇属性モンスター」というところが強いです。フュージョンデステニーを使用してディアボリックガイとシャドーミストを素材にすることでて以下のことができます。
・ダークロウ成立
・召喚権4回目でのトリニティ成立
特にトリニティは今期優秀な1枚で(理由はトリニティの項目で紹介します)、後攻で相手フィールドに低攻撃力のモンスターが並んでいる場合はディストピアガイよりも優先して出しました。

V・HERO トリニティー×1
 出せば勝ちです。実際CS中も電脳塊戦ではこちらのLPが残り200の状態から仙々・瑞々・アーケティスを、鉄獣戦では下級モンスターに連続攻撃して8000以上のダメージを生成しました。このカードを知らない相手からすれば突然5000×3回攻撃が飛んできて、知っているプレーヤからすれば下手に攻撃力の低いモンスターを並べることができなくなるため、どちらにしても脅威です。

X・HERO ワンダー・ドライバー×1
 効果発動=高打点生成という働きをします。
・先攻でのアブソルートZero + ダークロウ + マスクチェンジ成立
・サンライザー+ディストピアガイ(自壊無し)
・ミラクルフュージョン再利用

X・HERO クロスガイ×2
・ワンキルパーツサーチ
・相手LPが1000以下でのダイナマイトガイサーチ
が主な使い方です。
フュージョンデステニー初動の時にディストピアガイと通常召喚したHEROでこのカードをリンク召喚し、ディストピアガイを蘇生することで自壊回避にもなりました。虚無空間を先攻で引いている時に有効な立ち回りです。

X・HERO ドレッドバスター×1
・ディストピアガイの②効果発動条件を達成できる
・ワンキルが容易になる
貫通効果が地味ながら強力で、PSYフレームギアγや禁じられた一滴適用中の下級ドラゴンメイドを攻撃して戦闘ダメージを補う等、環境デッキに対しても有効でした。来週からは月の書が効きそうなため、より活躍が見込まれます。

捕食植物 ヴェルテ・アナコンダ×1
 好きなタイミングで1600ダメージを供給してくれる点が非常に優秀でした。メインフェイズ2で効果が通る=勝ちと言っても過言ではないです。融合やミラクルフュージョンを選択することもできますが、どちらも手札にサーチしていることが多いため、大会中はフュージョンデステニーのみを適用していました。
※効果無効系の妨害を受けてしまうとそのターン特殊召喚できない制約だけが残ってしまうので注意です。


採用理由~サイドデッキ~

ドロール&ロックバード×2
 竜儀巧やペンデュラムテーマが増えている印象だったので、前期から引き続き採用しています。抹殺の指名者で宣言されることが殆ど無いため、特定のデッキに対しては発動=ターンスキップです。本当は3枚入れたいところですが枠の都合上2枚採用です。

アーティファクト-ロンギヌス×2
 メインデッキで記載した原始生命態ニビルとの都合上サイドデッキに採用です。先攻では神智と併せて4枚体制にできます。

アーティファクト-デスサイズ×1
 成立=ターンスキップです。HEROネームは持っていないですが純粋な攻撃力2200のモンスターとしても重宝します。γと無限泡影ケアのため、相手フィールドにモンスターが並んでから発動するようにしていました。また、自分が灰流うららを持っている場合は先に発動して相手の指名者2種を誘導しました。(ターン中灰流うららが無効になるので、こちらの神智が通りやすくなります。)

ライトニング・ストーム×2
 後攻確定時や相手が罠型デッキの際に投入します。鉄獣戦線を0妨害にできる反面、電脳塊やドラゴンメイドには無力な点が気になり2枚のみ採用です。

ハーピィの羽根帚×1
 メイン戦での魔鍾洞のみ裏目が発生しますが、展開系が多いと予想していたため、先攻で引いて腐ることを危惧してサイドデッキに採用しました。

サイクロン×2
 環境からロンギヌスが消えない限り私の中ではサイクロン≫コズミックサイクロンです。禁じられた一滴と併せて引くことで電脳塊のVFD+朱雀を突破することもできます。ただペンデュラムテーマ相手にはツインツイスターの方が強いので、加えて罠型が流行るようであれば交換します。

アーティファクトの神智×2
 先攻ではデスサイズと併せて入れていました。
リキッドマンの2ドロー効果で引きたいカードNo1です。破壊効果も地味ながら強力で、実際今回も伏せていたこのカードを破壊された結果相手の鉄獣の抗戦を破壊することができました。

無限泡影×2
 今期は電脳塊と竜儀巧以外の全てのデッキに有効です。(公表はしないですが)特に一部のデッキに対しては2戦目以降の灰流うららが信用できなかったため、このカードと入れ替えていました。その効果は抜群で、相手の先攻展開をストップさせることに成功しました。またダークロウ下でモンスターによる破壊効果を無効にしたり、こちらのフィールドが更地の状態で、発動をしたニビルの効果を無効化しようとしているアポロウーサに発動して処理したりしました。

レッド・リブート×1
 罠型デッキは言うまでもなく、ドラゴンメイドや鉄獣戦線に対しても有効です。メインギミックのカードに加えて王宮の勅命や魔封じの芳香も無力化できるため、ワンキルが容易になります。

採用しなかったカードと今後の可能性

E・HERO ソリッドマン
 他HEROと同時に使用することが前提であり、今回の構築では増援やエマージェンシ―コールを採用していない(=欲しいHEROと併せて手札に揃わない可能性が高い)ため見送りました。

D-HERO ディシジョンガイ
 相変わらずターン終了時に回収したいモンスターが存在しないため見送りました。

D-HERO Bloo-D / Dフォース
 2枚の成立=ほぼ勝ちのため採用の余地は十分ありましたが、以下の点が気になり見送りました。
・召喚後のニビルをケアできない
・Dフォースを素引きする前提
・初手にDフォースが被っても展開に繋がらない
※ディナイアルガイとブレイクザデステニ―の登場によってニビルのケアルートができたため、来週以降は採用の可能性があります!

超融合 / E・HERO融合モンスター
 今期は召喚権を用いてまで除去したい光属性・風属性のモンスターが存在せず(超融合はフィールドから融合素材を選ぶため一度素材のHEROを召喚しなければなりません)、禁じられた一滴で幅広く対応することができたため見送りました。

E-HEROギミック
 前期に引き続き除外効果に対して無力なため見送りました。同じ2枠使うならBloo-DとDフォースを1枚ずつ採用します。

キリビ・レディ
 イゾルデの枠が無い上、わざわざ5回以上召喚を重ねてダークロウを出すのはリスクしかないため見送りです。
 余談ですが、時々Youtubeやメルカリでは「このカードを入れた構築が最強!」という方が一定数います。フリーで言う分には個人の自由ですが、影響力があるメディアで発信するのは如何なものかと思ってしまいます。。。新規HERO使用者が混乱してしまいますので。(キリビレディ自体は良いカードだと思いますが、必須と決めつけるのは良くないという話です。)

冥王結界波
 環境当初は話題になりましたが、最大の仮想敵であったLL鉄獣戦線のアンサンブル―ロビン+未来龍皇が殆ど環境に存在しなかったこと、発動したらワンキルができないことを考慮して見送りました。

他に「このカードは強いけれど何故入れないのか」という意見がございましたら、Twitterで質問頂ければお答えします!

3.総括

 ※前回同様に構築とは関係ないお話です。不要な方はスルーしていただいて問題ありません!
 2日間のCSで1点学んだことがありました。「本当にすごいプレーヤーは礼儀正しい」ということです。今回の対戦相手で魔術師とサンダードラゴンを使用されていたのは非常に有名な方でした。(CS優勝や選考会出場を複数回されているすごい方です)申し訳ないことに、私は対戦中相手の手札誘発に対して「え~強すぎ~!」「まじできついなどうしよう。。。」というような発言をしてしまいました。けっこううるさかったと思います笑。それでもお二人は嫌な顔一つせず、礼儀正しい態度で接してくださいました。本当に強い方は実力だけではなく精神も成熟されているのだなと痛感しました。
 反面、会場に響き渡るくらいの音量で「は?トップGきも!」という罵声が飛んだり、「プレミしたわ~○○したら俺勝ってたのに!!」と延々力説されている方もいました。相手からしたら反応に困り、周りから見たら滑稽ですよね。。。
  長くなりましたが「"相手からどんなに強力なプレイが出たとしても極力冷静な立ち振る舞いをしよう"と考えるきっかけになった。」というお話でした。ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました。
 正直リアルで鳥が大好きな私は少しふわんだりぃずに浮気しそうだったのですが、今回の新規登場によって今後もHERO一択で使用することを決めました。新規を絡めた展開方法は既に複数の方が動画投稿されているのでここでは割愛させて頂きますが、今後のHEROを一言で言うと「やりすぎなくらい強い」です!
 それでは既存HEROユーザーの皆様、これからもお互い優勝を目指して頑張りましょう!