Google Fi入門・その１基礎

Google Fiとは、Googleが提供する音声通信ならびにデータ通信サービスのこことです。なお回線は自前では用意せず主に米T-Mobileを利用していますのでMVNOといえます。

Google Fiの最大の特徴はなんといってもリーズナブルなお値段で世界の210以上の国や地域で携帯電話が使えるというものでしょう。毎月の基本料は20ドル、通話料は1分0.2ドル。データは1ギガ10ドル。アメリカの電話のシステムを使っているので、日本にはない「着信料金」がかかることに注意してください。0.2ドルです。

通話料金については上記のとおりですが、端末がセルラー(屋外にある通常の携帯電話会社のアンテナ)で通話しているのか、それともWi-Fiでつながっているのかで料金が変わってきます。

Google Fiにおいては、特殊な方式である「Wi-Fi calling(Wi-Fi通話)」での通話が可能でそれに対応した端末(後述)であれば、特に意識しなくてもWi-Fiによる通話(もちろん自分の端末に接続できるWi-Fi環境がある状況での話です)が可能です(これについても後述)。この方法で通話を行う場合は通常の電話料金より安くなります。

Wi-Fiを介した通話の場合はアメリカから発信したものと同じ扱いになり、相手がアメリカ宛ならば通話料はかかりません。日本にいる相手ならばIP電話なら0.04ドル、携帯電話なら0.09ドル、固定電話なら0.03ドルとなります。お安いですね。またWi-Fiによる通話の場合は着信料金がかかりません。

Google Fiの利用できる国というのは210ほどとされていますが、Wi-Fi経由になるとほぼどこでも通話できるようになります。例外はその国において技術的な意味でWi-Fi callingの使用を認めていない場合です。その場合は使えません。

ちなみに「Google Fiのために設計された端末」を使うと、一部の国においては屋外において公衆Wi-Fiスポットに自動的に接続して通話できるようになります。モバイルネットワークとWi-Fiの切り替えがシームレスにそして自動的に行われます。それは電波の状態が良いほうに接続されます。残念ながら日本では使えません。

データについては、1ギガから6ギガまでは1ギガ区切りで10ドルが加算されていきます。6ギガ以上15ギガまでは加算料金なしで利用できます。15ギガを超えるとスピードが制限されます。Googleによると総額で毎月80ドル以上にはならないとしています。なおさらに10ドル支払うことによって1ギガ分の制限は解除されます。

SMSは世界のどこでもセルラー・Wi-Fiの区別なく完全無料です。送信も受信も無制限に無料です。

ここで心配になるのは回線の安全性です。海外には様々な事業者が回線を提供していますし、Wi-Fiに至っては個人が電波を出していることのほうが多いといえるでしょう。そこから個人情報が漏れることはないのでしょうか？　Googleによるとその心配はないとのことです。すでに「Google Fi VPN」が使われており、すべての通信は暗号化されているので誰もあなたのことを追跡することはできないとしています。

さてこのサービスの対象者は米在住の人とされていますが、必ずしも現住所がアメリカになければだめだというわけではありません。ただ「アメリカ以外の国でだれが使えるのか」という基準をGoogleは示していません。そのため自分が使えるかどうかはGoogle Fiのサイトでアカウントを作ってみて判断するしかありません。

eSIMが使える端末であれば、Google Fiアプリをダウンロードすれば準備は完了します。そうでなければ物理的なGoogle Fi SIMを用意する必要があります。手に入れる方法は2つ。Google Fiのサイトで注文する方法とアメリカ小売店のbestbuyで購入する方法のいずれかになります。

いずれの場合も日本へは直接送ってはくれませんので、何らかの方法で日本へ送ってもらう方法をこちらが探さなくてはなりません。どちらの方法をとるかはそれぞれの状況によって違うといえますが、一番確実なのはGoogle Fiのサイトで注文する方法だと思われます。というのもGoogleがSIMを発送してくれたということは、あなたがGoogle Fiを使用することを認めたということになるからです。一方のbestbuyでの購入の場合はSIMを手に入れてもGoogleは電話回線やデータを使わせてはくれない(開通させない)ということもありえます。

つづく