パナソニックらしいネーミング、TZ95

製品型番に込められている「旅ズーム」分野に特化する。

えっと、これまでの製品の順番でそうなったとか、横文字でとかじゃなくてベッタベタな日本語で「旅(T)ズーム(Z)」なので、TZですか……

それはともかく、個人的に注目しているこのカメラ。発売されたばかりというのもあるのだろうが、ネット上に使用した感想が載せられている記事が皆無であるのには困ってしまう。

カメラに興味のある人であれば性能的に一眼に目が行くし、それ以外の人はスマートフォンで満足しているという状況があり、もしかしたら驚くほどコンデジが売れていないのかもしれない。

こうなると、明らかにスマートフォンより使いやすくそして操作はより簡単でそれ以上の写りが期待できるというコンデジが現れない限り現状の打破は難しい。なにせSNSに載せる写真の写りを気にしている人は、コンデジを飛び越えて一眼やそれに近い機材に移ってしまっているのだ。

このようなことはおそらく価格設定にも原因があるように思える。というのも一眼の入門機であれば本体は5万円もあれば購入できるので、7万のコンデジの存在意義は怪しくなってしまう。もちろん一眼は本体だけでなくレンズも必要になってくるのでたいていの場合、最終的にはコンデジよりは高くなるのだが。

さらに性能の差も問題になる。SNSになるとボケ味が大変重要になるようである。実はスマートフォンでとると意外にボケるが、もしこれに満足できないとなると次に進む道は一眼しか残されていない。もちろんコンデジでもボケを出すことはできるが、それを自由に表現しようとするとシャッタースピードと絞りの性能に限界があって、思ったように写すことはできない。

またイメージセンサの大きさの差も見逃すことはできない。5万クラスのコンデジにおいては1/2.3型がほとんどであり、どうしてもそのレンズの貧弱さとも相まって写真が暗くなりがちである。また感度も上げることも難しい。こうなるとボケどころでなくなってしまう。

スマートフォンでいえばiPhoneやHuaweiがカメラの性能が素晴らしいというイメージができつつあり、それを求めて当該スマートフォンを購入している人が存在していることを考えれば、コンデジにおいても同様のイメージが浮かぶメーカーやブランドができないと、状況は変わらないように思える。

だけどそういう制限がある中で頑張っているコンデジは嫌いじゃないしむしろ興味があるジャンルである。

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