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IONIQ5を見て、間近に迫ったEV時代について考えてみました

こんにちはRYUです。皆さん、EV(電気自動車)を運転された経験はありますか?私は10年前、ハワイで日産LEAF(初代)に乗った経験があるのですが・・・。予想以上に航続距離が少なくて「電欠」にならないかヒヤヒヤさせられたり、あるはずの充電スポットが旅先に無かったり、「EVってまだまだだな」と実感した記憶があります。

日産「リーフ」(初代)

ところが、ここ10年の間にEVは急速に進歩。トップメーカーのテスラは、年間93万台(2021年)を売るほどになりました。このテスラを始め、市中でEVを見る機会は増えましたし、充電スタンドを目にする機会も増えたと思います。

テスラ「モデルY」

IONIQ5の実車を見る

前置きが長くなりましたが、そんな中、名古屋市内で韓国製EV「IONIQ5」の展示を見てきたので、今日はこちらのインプレを報告したいと思います。

ではさっそく、「IONIQ5」の実車をご覧ください。

デザイン的には、VWゴルフを思わせるBOXYでシンプルな造形です。
テスラSタイプやBMW iシリーズ、アウディe-tronのようなラグジュアリー志向ではなく、カジュアルなニーズを狙った車種であることがわかります。
ちなみにコンパクトに見えますが、全幅は1890mm、全高は1700m有ります。一般的な立体駐車場には収まりません・・・。

次に室内を見てみると・・・

EVはエンジンや排気管が無いので、そのぶん室内が広い!です。
インテリアもシンプルで、シート素材等にはPETボトルのリサイクル材を使っているのだとか。
最も目を引くのはLEDディスプレイだけのインパネで、未来感があります。
そしてドライバーズシートに座ってみると?

ハンドル回りのタッチ式ボタンはちょっと小さくて分かりにくかったですが、質感は悪くなかったです。ただ、余りにも没個性的なので、もちょっと個性的なデザインにしても良かったかなと思いました。

価格は479万円から

そして肝心の車両価格は479万円から。経産省の「クリーンエネルギー自動車・インフラ導入促進補助金」で上限65万円、このほかに自治体から最大45万円の補助金が得られます。

日本市場で売れるか?

以上のとおり、かなり現実的な選択肢になったEVですが、この車が売れるか?と考えると、まだまだ大きなハードルがありそうです。

検討要素①:充電時間と航続距離
なんと言っても、EV車の最大の弱点は充電に要する時間と航続距離。IONIQ5は350KW級の充電器を使用した場合、10分で最大容量(約500㎞走行)が可能ですが、日本国内で流通している充電器は急速充電でも90KW級が主流であり、残念なことに本来の性能を発揮できません。

検討要素②:メーカー(ヒュンダイ)のイメージ
長く続いた日韓の外交問題もあり、日本国内で韓国メーカーのイメージは芳しくありません。特にメーカーのヒュンダイは過去に一度、日本市場を撤退した経緯があります。自動車メーカーは販売後のメンテナンス対応が必須なので、「故障したら数十年先まで責任を持って修理します」と約束しない限り、ユーザーの信頼を得られないでしょう。

ガソリン車にいつまで乗れる?

さて、対するガソリン車にはいつまで使えるんでしょうか?調べてみたら日本は2035年からガソリン自動車の新車販売が禁止になっていました。英国ではさらに5年早くEVへの移行が決まっています。一覧にすると以下の通りです。

【各国のEVシフト予定】

英国:ガソリンとディーゼル車の新車販売を2030年までに禁止
フランス:2040年まで化石燃料車の販売を禁止
中国:2035年をめどに新車販売を環境対応車(EVやハイブリッド車など)のみとする
米国:カリフォルニア州 2035年までに州内での新車販売の全てを排気ガスを出さない「ゼロエミッション車」にする
カナダ:2035年までにガソリン車やディーゼル車といった内燃エンジンを搭載する新車の販売を禁止

JAFに導入された「電欠救援車」

EV普及までの道のりはまだまだ遠く、前述の「充電時間と航続距離」の問題のほか、寒冷地でのバッテリー性能低下など、技術的な課題はまだ多く残っています。また、殆どの車がEVに移行する前提であれば?家庭や職場のみならず、街中の至るところに「充電できるEVスタンド」を飛躍的に増やさねばなりません。2035年までに残された時間は僅か12年。予定通りに進めることができるのか?個人的には疑問でなりません・・・。(RYU)