森喜朗氏へ、スポーツの現場からの抗議声明
2月3日、東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会会長である森喜朗氏が、女性蔑視発言を行いました。全文は以下のリンクから。
森氏の発言は明らかに女性を差別し、蔑視するものです。
「発言が切り取られている。全文を読めば森氏の意図がわかる」と森氏を擁護するような声も散見されましたが、全文を読み、なおかつ文脈を慮った上でもなお、酷い発言だったと思います。明らかに、森氏の意図として発言されていると思います。
ここで森氏が発言されていることは何ら根拠のない蔑視であり、差別であり、思い込みです。
絶対に見過ごすことのできない発言です。見て見ぬふりはできません。
一般社団法人あしたのためにプロジェクトとして、この国でスポーツに携わる者として、そして一個人としても、ここに強く抗議します。
そして昨日(4日)、内外からの批判を受けて、森氏が「謝罪会見」を行いました。
謝罪会見とのことでしたが、冒頭に形式上の謝罪文を読み上げたものの、その後に行われた質疑応答での氏の態度を見れば、全く反省などしておらず、あぁ、この人はこういう人なんだなということもよくわかります。
総理時代から失言の数々はお馴染みでした。つまりこの人は、歳をとったからこうなったのではなく、元々こういう人物だったということでしょう。なので年齢を理由にした氏への批判は的外れだし、すべきではないと考えます。
このような人物を総理に担ぎ、その後もフィクサーのような形で敬い、持ち上げ、利用してきたのは氏の周囲であり、そしてスポーツ界のみならず社会全体もそれを許容してきたことに、大きな問題があるのではないでしょうか。
今回、なぜこのような抗議文をわざわざ書いたのか。
森氏はラグビー経験者でもあり、政治家としての立場から日本スポーツ界や文教族の重鎮的な位置付けにずっと居続け、長年その力を発揮してきたと言われています。
そして日本プロスポーツ協会や日本スポーツ協会、日本トップリーグ連携機構の会長も務め(現在は退任)現在は、東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会の会長でもある。
つまり良くも悪くも、スポーツ界ととても強い関係があり、今でも力を誇示し、実際に今現在もオリンピック・パラリンピック組織委員会という大きな組織を司っている人物でもあります。
日本では、政治のことや社会問題について言及することはなぜかタブーとされているのか、あまり良しとされない風潮があるように思います。
実際、芸能人やスポーツ選手、その他⋯有名人が政治や社会問題について(特に体制批判のような)発言をすると、ものすごいバッシングを受けてしまう。
政治にことには口を出してはいけない
門外漢は口を出してはいけない
面倒くさい。何も言わない方が身のため
長いものには巻かれておけばいい
そもそも興味ない
本当に、それでいいんでしょうか。
特に今回は、現在の日本のスポーツ界とは切っても切り離せない人物による、女性蔑視発言です。
あと半年後にこの国で開こうとしているオリンピック・パラリンピックの大会組織委員会会長による、差別発言です。
この国のスポーツ界の実質トップにいる人物の、許せない発言です。
それなのに、スポーツ関係者はやっぱり黙っていたほうがいいのでしょうか。
黙っている、べきなのでしょうか。これからも黙り続け、見て見ぬふりをし続けますか。
日本でスポーツに携わる方々、どう思われますか?
この文章を書いている2月5日夕方現在、まだスポーツ界の人から森喜朗氏に対してのハッキリとした抗議の意思表示を、あまり目にしません。
選手や指導者から、ハッキリとそんな声を上がっているのをあまり見かけません(いや、上げている人もきっといるでしょう。見逃していたらごめんなさい!)
よくない発言だと思うのならば、声を上げないと意味がありません。何も、変わりません。
森氏の発言は、スポーツ人の価値を貶めることにも加担してるじゃないですか。
スポーツ庁長官の室伏さん、何で抗議しないんですか。
日本ラグビー協会、日本サッカー協会、その他団体⋯どうして、抗議声明出さないんですか。やっぱり、政治的な思惑があるんですか。
日本サッカー協会の田嶋会長は、JOCの副会長でもあります。ぜひ、見解を聞かせてほしいです。
差別や蔑視発言に対して何も意思表示をしないということは、それを黙認し、差別する側に立っているのと同じことだと自分は考えます。
自分は有名人でも何でもないですし、何の力もないただの一般人ですが、サッカーコーチとして、スポーツに携わる一般社団法人の代表理事として、この国でスポーツに携わるひとりとして、森喜朗氏による今回の発言には強く抗議しなければいけないと思い、この声明文を書きました。
東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会会長からの、森喜朗氏の辞任を求めます。
ただ会見を見ても分かるように、森氏はきっと自分からは辞任しないでしょう。
なので、大会組織委員会による、森喜朗氏の会長解任を求めます。
日本でスポーツに携わる全ての方々へ
もしこの抗議声明に賛同していただけたのであれば、拡散してください。無言シェアでもいいです。もしくはぜひ、同様の声を上げてください。
スポーツに携わる者として、差別や蔑視は絶対に許さないという強い意思を、社会に示してみませんか。
乱文、長文、失礼しました。
2021年2月5日
一般社団法人あしたのためにプロジェクト・代表理事 / サッカーコーチ
久保田 大介