見出し画像

聴覚情報処理障害(APD/Lid)

聴覚情報処理障害と聴覚過敏との違い。

丁度、一年前に聴覚過敏とわかった頃にある総合病院に行った時、
息子が先生の言葉が途切れて聞こえる。と言い出しました。
例えば「生麦、⭕️⭕️、生卵」とか言っていました。
私も初めて息子がこんなことを言い出したことに理解ができずに戸惑うばかりでした。
息子が、アレルギー性鼻炎であることを前々から知っていたので小2の頃に詳しく聴力検査も別の総合病院で受けたこともありましたが、問題ありませんでした。
また、聞こえないと家庭でも一度もいってなかったし、学校の聴力検査も一度も引っかかることもありませんでした。
むしろ、隣の部屋でコソコソ話を聞かれていて驚いたこともあったぐらいです。💦
また、花火大会で音に怖がって建物から見ていた幼少期が思い出されます。聴覚過敏といい、普通の人の3倍の音に聞こえるらしいので大きい音や電車の音や赤ちゃんの鳴き声は本当にしんどいらしいです。

花火の音に怯えてしまった息子

APDとは

APDの当事者さんは、難聴ではないので音は聞こえるんです。この音を脳に伝わる信号に問題があるようなんですね。言葉として脳に残らないようです。
名前を呼んでもいつも「け〇〇」としか聞こえなかった。と息子に言われた時は、涙が出ました。
診断後、デジタルワイヤレス補聴援助システム(ロジャー)と出会いました。息子は、「世界が変わった。」と言いました。


出典:フォナック社

ロジャーセレクトとロジャーフォーカス


学校生活


みなさん小学校の音ってすっごくうるさいのご存知でしょうか。
校庭の柵近くでは、
          最高80db
          最低でも40db
と言われていますが・・・

騒音の目安として(普通の聴覚を持っている人)
60〜70db・・・うるさくてストレスを感じる。
80db以上・・・・うるさくて我慢できない状態です。

校庭だとこの最高(80db以上)の状況だとわかります。
学校へ行くこと自体が、ストレスと主治医に先生に言われました。
これは聴覚過敏だから上記の3倍の音で聞いている息子はストレスがないわけがないということです。
その上、APDの息子は、聴覚過敏を併発しているのでこのうるさい状況の中で聞こえる言葉と聞こえない言葉があるようです。
なのでこの騒音の中でお友達が声をかけてきても聞こえない。
集中していないと何が大切で何がいらないのか区別できない。
そうしていると息子は、『友達から聞いてないやつ』、『言ったのに言ってないとか嘘をつくやつ』とみんなに言われるようになり、きっと陰口を叩かれていても聞こえてなかったり、聞こえたりしていたようです。そして、言われていなくても悪口を言われていたと思うようになり、自己肯定感が低くなっていきました。自信がなくなり「僕が悪いから、、、」が口癖のようになりました。
楽しいはずの合唱団でさえ、否定的な言葉に相手がおかしいと思っていても自分が悪いといつも動揺していました。😭

APD診断にたどり着くまでに1年

息子は、発達障害と五感の聴覚過敏と診断されました。よくわからないので詳しく検査して欲しいと思いました。
小3の時、学校の検診で甲状腺肥大と言われていた頃に通っていた総合病院に電話で問い合わせました。
受診の許可をもらい予約して聴覚過敏って何?😕というところから始まりました。その時初めて「学校での聞き取りがおかしい」と息子が言うようになりました。詳しく聞くと、初めて「学校の中がうるさいから聞き取れない時がある」と言い出しました。
この総合病院では、別のクリニックへの紹介状を見ると・・・
聴覚過敏、聴覚情報処理障害と書かれておりました。
けれどなぜか小学校への診断書には聴覚過敏としか記載がありませんでした。
多少の違和感がありつつ、聴覚過敏なのでイヤーモードや耳栓を勧められましたが、この時はあまり効果が見られない耳栓にどうしても高額(2万円)近くをかける勇気がありませんでした。💦

たくさんの本やネットサーフィン、Twitterでの情報収集

あまりにわからなさで沢山の本に出会いました。そしてTwitterで悩みを書きました。
速読、斜め読みと必要な箇所が目の中に飛び込んできました。
当事者の保護者さんとも出会いました。同じように悩み苦しんでいる方も多くいらしゃいました。
そして、ネットで聴覚過敏、聴覚情報処理障害がAPDだとわかり、息子が学校で本当に困っていたのはこれだと確信していきました。
クリニックの先生(児童精神科医)にどうしても気になるAPDについてもっと調べたい。治るものなら治してあげたいそれだけで大阪公立大学医学部附属病院 耳鼻咽喉科 阪本Dr.のところへ紹介状を書いていただきました。
最初、たまたま、出生時に一度お世話になった病院だったのでわからず持っていた診察券をもとに7月ごろ電話を入れましたが、転居していたこともあり、「地域連携室を通してください」と言われました。
クリニックから予約をお願いしたところ、患者が殺到しており初診予約が翌年の2月と言われ本当に驚きました。😱
運良くキャンセルもあり、その年の12月初旬には初診を無事にうけることはできました。
1回目の診察が終わり、「この子は、静かな場所では50%程度、騒音の中だと10%しか聞き取れてないよ。」と指摘されて、翌年(2023年)1月、2回目の診察でここまでで息子が、発達の特性がわかり、五感の感覚過敏で疲れ切っていました。小学校1年生から5年生までいじめは続きました。
とうとう5年春、いじめがひどくなり不登校となりました。
あっという間に1年が過ぎ、たくさんの方がとの出会いで助けられました。APDの当事者会の皆様、ご支援、ご指導いただきました教職員の方々、そして、TwitterやLINEで繋がせていただきました皆様、本当にありがとうございました。そして、最終的に診断していただき今もなお、APD研究を進めていただいている大阪公立大学医学部附属病院 耳鼻咽喉科 阪本Dr.本当にありがとうございました。今後のご研究の成功と発展を期待しております。

そして、APDの検査をしていただくことになりました。

これとは並行に学校側の合理的配慮は無いのか、市町村での補助はないのかと調べましたが、区役所のかけても「APD?ってなんでしょうか。」支援学校にかけても同じお答えでしたが、少し調べて折り返していただけました。
区役所総出でAPDを調べていただきました。
すると、難聴時ではないので何もできないとのお答えが返ってきたと思います。
ロジャーシステムを病院から勧められたこともあり、こちらの補助金も探しました。なかなか見つかりません。やっとの思いで「軽度、中度難聴児補聴器購入助成金」というのをみつけました。我が市では管轄している課が福祉課ではありませんでした。
教育委員会や区役所、支援学校どこに聞いてもこの助成金しか出てこなかったのですが、近郊の都道府県の同類の助成金の申請書とは違い本当にこの申請書でいいのか迷いました。しかし、見つからないので阪本Dr.に意見書を書いていただきましたが、試聴をさせていただきました補聴器店Bでもこれでは通らないかもしれないと言われて仕方なく管轄の課の担当者にお電話をしました。不在が多くなかなか繋がらず、やっとの思いで医師に何を書いて貰えばいいのか1時間くらいお電話でお話をさせていただいたかと思います。
また、近郊の都道府県と同じようにわかりやすい申請書にして欲しいとお伝えもいたしました。
これと同時に参議院議員、府議会議員、市議会議員とそれぞれに私の思いと資料をメールで送りました。

APD診断の確定

そうなんです。APDであることは今年(2023年)の年明けにはほぼ断定されておりました。
ただ、2022年春に受けた不得意・得意の特性を調べた発達検査が阪本Dr.の知りたい部分まで達していませんでした。私もはっきりしたくてもう一度、1時間もかかる発達検査を息子に受けてもらいました。今回は、ロジャーシステムを使用して聞こえてる状態での検査でした。結果は、聞こえていることの大切さがわかるぐらい違っていました。やっぱり聞こえていなかったと証明されたと感じました。次回この発達検査について詳しく書いていきたいと思います。
今回の発達検査では、阪本Dr.が知りたかった下位検査も細かく評価として出されていました。この結果でAPDは、無事に?というのも変ですが確定いたしました。
そして、阪本Dr.から勧められていたデジタルワイヤレス補聴援助システム(ロジャー)を2ヶ月試聴しましたが、息子の聴覚過敏とうまく合わずあまりつけてくれなくなりました。しかし、運良く、情報社会ですね。ある当事者のお子様が使われているロジャーシステムの受信機を変えてみることにしました。すると最初に別の総合病院で勧められたイヤーモードをこれで使用するとは思ってもいませんでしたが補聴器につけることができました。
そして、無事に助成金はおりました。

出典:フォナック社

赤と青のイヤーモードとスカイ(子供用)補聴器

最後に・・・

息子が、発達の特性と五感の感覚過敏で疲れ切っていた小学校1年生から5年生。その後、いじめがひどくなり不登校となりました。
あっという間に1年が過ぎ、たくさんの方がとの出会いに助けられました。APDの当事者会の皆様、ご支援、ご指導いただきました教職員の方々、そして、TwitterやLINEで繋がせていただきました皆様、本当にありがとうございました。そして、最終的に診断していただき今もなお、APD研究を進めていただいている大阪公立大学医学部附属病院 耳鼻咽喉科 阪本Dr.本当にありがとうございました。今後のご研究の成功と発展を期待しております。

最後まで読んでいただきありがとうございました。有料化にしようか迷いましたが、今回は、無料とさせて頂きました。
 次回、軽度・中度難聴児の補聴器購入費助成制度にどうやってAPDの息子が申請してこの制度の助成金決定となったのか書いていきたいと思いますのでよかったら読んでみてください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?