『バベル九朔』

万城目学さんの作品。

「バベル九朔」というビルの管理人をしながら小説を書いている主人公。

ある日、黒ずくめのカラスの女が現れたことをきっかけに、奇妙な世界へ連れて行かれる。

個人的には、現実世界の記述のほうが面白かった。

普段私たちは何気なく過ごしているけれども、ビルやマンションがいつも綺麗な状態であるのは管理人さんのおかげである。全国の管理人さんには大変感謝している。


印象に残っている文

あまりに常識外のことが起きたとき、人間は恐怖を感じない。それよりもとにかく脳が活動を停止し、考えることを拒絶するのだ。

「この年になるとね、わかるんだ。向かい続けることこそが才能だったんだ。しがみつくでもなく、他に浮気するでもなく、当たり前のように淡々と何年も何十年も向かい続けることが立派な才能なんだ、って。」

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