『ミチルさん、今日も上機嫌』

原田ひ香さんの作品。

バブル時代の良い思いを引きずって生きてきたミチルさん。今は離婚して職を失ってというように、ピンチである。ある日、ミチルはポスティングのバイトを始めた。


バブル期の人々の生活模様を知ることができたので、とても面白かった。

ミチルさんは行動力がある人だと感じた。

ミチルさんが、元彼や元夫などと決して険悪な仲になっていないところが良いと思った。

家賃引き下げ会社というのが日本に存在するのか気になった。


印象に残っている文

恋愛してないとすることがない、というのも発見だった。彼と会ったり、電話をしたり、という時間だけでなくて、美容院に行ったり、ネイルサロンに行ったり、服を買ったりする時間も必要なくなってしまう。何をすればいいのだろうか。

「ミチルちゃん変わってないなあ。ほら、昔からあの女優……なんだっけ? トレンディドラマに出てた……浅野……」「二人いるでしょ?」「ほら、髪が長くて背が高い」「両方そうだけど」「まあいいや、どっちかに似ている」

「君はこれからも、こういう気持ちや時間がずっと続くと思ってるかもしれない。人生が終わるまでずっと続く、と。でも、それは違う。そういうことができるのは、人生のほんのわずかな時間だけなんだよ。それに気が付いた時には遅いんだ。人生は終わりに差し掛かっている」

「映画の記憶というのは不思議なものだね。思いがけない間違いをしたり、歳と共に変わっていく」

「あいつが当選したりしたら、この国は終わりです」「大丈夫。こいつが総理になったら、日本はおしまいだって言われていた人が今までにもたくさん総理になっていますが、まだ世界の終わりは訪れていません」

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