『本日は大安なり』

辻村深月さんの作品。

ある結婚式場で式を挙げる4組のカップルとウェディングプランナーの物語。

山井さんの過去が明らかになったとき、悲しい気持ちになった。ただ、山井さんはプロとして仕事をきちんと行っていて、かっこいいと思った。

鈴木睦雄に対して、早く結婚式を中止してほしいとずっと思っていたが、最後は前に進めることができたようで嬉しかった。もし500万以上の借金を抱えてしまったら、自分だったら絶望してしまうと思う。

双子の入れ替わりに気づいた新郎が、「最初から気づいていた」と話しているのを見て、本当に良かったと安心した。

同時展開で話をまとめ上げる辻村さんは天才だと感じた。


印章に残っている文

大事な日の嫌な予感は当たる。

個人的には、結婚式関係のCMに使うタレントは、芸能人としては「微妙」なくらいがちょうどいい。美人すぎたり、細すぎたりすると、自分とは別世界の出来事で終わってしまう。

女同士がエゲツなく熾烈なものだというのは、型に嵌まった幻想です。異性の存在がなければ、女の世界は平和なのです。

「あれ、重たすぎると、顎がぐっと前に出ちゃうのよ。頭が後ろに引っぱられて、正面が向けなくなる。花嫁がそれは、絶対ダメ。気に食わない相手でも、合わない鬘をかぶって白無垢を着てる姿は勘弁して欲しいわね。ましてそれが私の仕事だと思われるなんて屈辱的だわ」

「結婚式は花嫁のためのものだから、今日だけは何をやったっていいと思ったんだ。何を企んでるのかまではわからなかったけど、なるほどね。僕、試されてたわけだ」

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