『三匹のおっさん』

有川ひろさんの作品。

定年退職後に近所のゲームセンターへ就職したキヨと、居酒屋の元店主シゲ、機械工場経営者のノリの3人は地域の自警団として活躍する。


中学校での動物虐待の話は、読んでいて心苦しかった。彼らが今後改心することを願うばかりである。

高齢者相手の催眠商法の話がとても印象に残っている。なぜ騙されてしまうのだろうと思ってしまうが、「自分がまさか騙されるわけがない」という過信が原因だと感じた。
キヨと孫の祐樹の関係が良くなっていったのが、嬉しかった。



印象に残っている文

「世間知らずには世間から教えてやらねえとな」

「無節操に甘やかされるのもうざいもんだぞ。甘やかされた分だけ干渉もでかくなるしさ」

「話し合いっていうものは情報を持ってないほうが焦って自滅するもんだ。」

「どうも昨今は防犯の概念が矛盾してるような気がするな」いざというときには大声を上げて周囲の大人に助けを求めなさい、と教えられている最近の子供たちは、防犯ブザーを持たされていることも多い。だが、いざというときはそうして周囲の善意を頼るように指示しながら、平時は善意も悪意もいっしょくたに「知らない人」としてシャットアウトさせる。

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