『おっぱいマンション改修争議』

原田ひ香さんの作品。

天才建築家が建てたデザイナーズマンション、通称おっぱいマンションに関わる人々の物語。

他の人のレビューなどを見ると、おっぱいマンションは中銀カプセルタワービルがモデルになっているようだ。雨で濡れてしまうのは住む人にとって、とても嫌だと感じる。

最後にアスベスト問題が関わってくるとは…。当時は問題なかったことが後に問題ありとなってしまうと、過去に遡って補償を求めることになって大変だと感じた。

大学時代に市瀬が小宮山教授に相手にされなかったのは、可哀想だと思った。

印象に残っている文

元女優には二種類の女がいる。若い頃には何をなさっていたんですか、と尋ねられたときに、「女優でしたの」と朗らかにはっきりと答える女と、「いいえ、特に何も」と口ごもる女と。

いつも周りにかしずかれている男には、適度にざっくばらんに口を利いた方がいいのだ。無礼と親しみの、ぎりぎりの境界線をねらうのが効果的だ。